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障がいがある姪との50年

 障がいを持って生れて、長くは生きられないと言われていた姪っ子を追いかけて50年。家族に、地域に育まれ、家族を、地域を育んだ歳月・・・「いのち」を見守り続けた50年間におよぶヒューマンドキュメンタリーが誕生した。
 伊勢真一監督の5作目の記録映画「大好き~奈緒ちゃんとお母さんの50年~」が完成した。2024年7月13日(土)から8月9日(金)まで東京・新宿K's Cinemaで上映される。
 また、シネマ・ジャック&ベティ(横浜)、シネマ・チュプキ・タバタ、伊勢進富座、名古屋・シネマスコーレ、静岡シネ・ギャラリー、大阪・シアターセブン、京都シネマ、神戸・元町映画館、広島・横川シネマ、山口情報芸術センターYCAM、別府ブルーバード劇場、金沢・シネモンド、富山・ほとり座、上田映劇などでも上映される予定だ。


 映画「奈緒ちゃん」で始まった、重いてんかんと知的障害を持った姪っ子奈緒ちゃんの映画創りは奈緒ちゃんの元気に引っ張られるように続編を成長の過程で生み、《奈緒ちゃんシリーズ》となる。
 そして、奈緒ちゃんは元気に50歳を迎えた。
 伊勢監督の姉で奈緒ちゃんのお母さんの西村信子さんは80歳。
 「50年間におよぶ「いのち」の記録をまとめようと思い立ちました。第5話は、観る人一人ひとりの”「しあわせ」のようなもの”を、まるで鏡のように映し出す映画です」と伊勢監督はいう。
 奈緒ちゃんが20歳になった記念に最初のドキュメンタリー映画「奈緒ちゃん」が完成した。それが1995年のこと。奈緒ちゃんの成長を追って「ぴぐれっと」(2002)「ありがとう」(2006)「やさしくなあに」(2017)で映画にしてきた。
 「新作のタイトル「大好き」は、まだ編集の途中でふと浮かんできた言葉だ・・・。奈緒ちゃんがお母さんのことを”大好き”で、お母さんが奈緒ちゃんのことを”大好き”で、いいな…相思相愛って、と編集しながら素直に思ったから。けど、片思いにだって「大好き」はあるしね」と伊勢監督。
 「「好き」の上に「大」をつけて「大好き」。50年に及ぶ”奈緒ちゃんシリーズ”の「いのち」を巡る長い旅は、「大好き」の奥行きを歩み続ける想いの時間だった。たどり着くことのない旅に違いないけど」。

映画は観る人と出逢ってはじめて映画になる
 「で、映画を観る人が奈緒ちゃんを巡る時間を、そのまま自分の生きて来た時間と重ね合わせて見つめていく時に、「大好き」の中身が、観る人それぞれの「言葉になる前の想い」として受け止められるのだ。映画は観る人と出逢ってはじめて映画になってゆくのだから・・・」。
 完成上映会が2024年4月27日(土)に東京・日比谷図書文化館B1F日比谷コンベンションホールで行われる。また横浜では5月11日(土)、横浜泉区の泉公会堂で、各日午後1時半に。上映後には伊勢監督と西村信子男さんによるトークが予定されている。
 4月27日は午前11時から、5月11日には午前10時半から第一作目「奈緒ちゃん」が上映される。いずれも伊勢監督のトークが上映後にある。横浜では奈緒ちゃんが通う社会福祉法人ぴぐれっとのお母さんたちによるフラダンスが披露される。


 各回トークつき2000円。一日通し3500円(前売り3000円)。障がいのある方は1000円。
 予約問い合わせは:いせフィルム(℡03-3406-9455,e-mail: ise-film@rio.odn.ne.jp)または西村さん(℡090-1059-5863)まで。

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