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田名綱敬一・大回顧展

 幼少期に経験した戦争の記憶とアメリカ大衆文化からの影響が色濃いカラフルな作品で知られるアーティスト田名綱敬一(たなあみ・けいいち)
 60年以上におよぶ活動を包括的に紹介する初の大規模回顧展「田名綱敬一 記憶の冒険」が国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2 )にて2024年8月7日(水)から11月11日(月)まで開催される。
 田名綱は87歳となった今も旺盛な創作活動を続けている。彼の存在は、世代や国を超えたアーティストやデザイナーたちを魅了し続けており、コラボレーションを求める声は後を絶たない。

田名綱敬一


 近年、田名網は海外文化を独自に受容した戦後日本の作家として世界的に評価が進み、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、ウォーカー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ハンブルガー・バーンホフ(ドイツ)にも作品が所蔵されている。
 出品作品には、アンディ・ウォーホルから影響を受けて制作された日本最初期のポップアートとも呼べる「ORDER MADE!!」シリーズ(1965)、アメリカの『Avant Garde』誌が主催したベトナム反戦ポスターコンテストに入選した「NO MORE WAR」シリーズ(67)、テレビ番組『11PM』のために制作されたコラージュの手法を用いたアニメーション《サヨナラ・マリリン・モンロー》(71)などがある。
 さらに「記憶の冒険」と題された本展では、田名網が70年代から断続的に記録してきた夢日記やドローイング、関連するインスタレーションも展示することで、尽きることのないその創造力の源泉に迫る。
 田名網は、その長いキャリアを通して多種多様なクライアントワークやコラボレーションを行ってきました。Mary Quant、adidas、JUNYA WATANABE、Ground Yなどのファッションブランドや、GENERATIONS from EXILE TRIBE、八代亜紀、RADWIMPSといったミュージシャンと協働。
 一方で、ウルトラマンなどのキャラクターや生前交流があった赤塚不二夫とコラボレーションした作品も制作している。
 本展では田名網のデザイナーとしての活動にも焦点を当て、当初からコラボレーションの意識を強く持ち、それによって生じる化学反応から新たな作品を作り出していこうとする田名網の仕事についても紹介する。

 田名綱は1936年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、実験映像及びアニメーション作家、アーティストなど、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築いている。

 開館時間は午前10時から午後6時(毎週金・土曜日は午後8時まで)。入場は閉館の30分前まで。休館日は火曜日。
 観覧料は一般2000円、大学生1400円、高校生1000円。中学生以下は無料。チケット情報は後日、国立新美術館ホームページなどで。
 問い合わせ先は℡050-5541-8600(ハローダイヤル)。展覧会ホームページは https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/



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