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集会「金権」から「民権」へ ㊦

 2024年4月1日(月)、「新しい戦前にさせない」共同テーブル連続シンポ第9回「「金権」から「民権」へー「政治改革」を問う」が衆議院第一議員会館B1大会議室で開かれ、約200人の参加者が集った。
 前半は上脇博之神戸学院大学教授の「政治改革を問う」と題した講演と、平野貞夫元参議院議員の「黒い金の実相」という話だった。
 後半はシンポジウム「金権から民権へ」。
 評論家で共同テーブル発起人の佐高信さんがコーディネーターを務め、パネリストは社会民主党党首の福島みずほ参議院議員、新社会党委員長の岡崎宏美元衆議院議員、上脇神戸学院大学教授、平野元参議院議員の4人。
 まず福島参議院議員から「今回あぶり出されたのはいったい誰のために政治をやっているのかということです。自分の私腹を肥やすため、大企業のためにやっていて、人々のためではない」と発言があった。

福島みずほ参議院議員(右)


 「武器を輸出出来るようにする。原発を進める。まさに戦前。私たちの命を守れない。危機感を覚えています」。
 自民党は過去23年間で「555億円の企業団体献金を受け取っている。一方、政党助成金やパーティ券収入も得ている。とにかくお金を集めて使っている。これをやめたら自民党が自民党でなくなるのでしょう」。
 「声を上げていきましょう」。
 「岸田(首相)さんは日米同盟を公共財だといっています。今年秋、幕張メッセで武器の見本市をやる。千葉県は貸すことを了承したらしいし、防衛省や外務省も後援する。効率的にいかに人を殺せるかというのに公共性がいったいあるのでしょうか」と福島参議院議員は問いかけた。
 今回の裏金問題にしても「どうして処分がこれだけ中途半端なのでしょうか。全体像が分からないというのにどうして処分出来るのでしょうか」。

自浄能力のない自民党に代わって
 「自民党に自浄能力がないのなら、国民が頑張るしかない。企業団体献金や政治資金パーティを禁止すること。それを一緒にやらないといけない。そのうえ派手なパーティを禁止している大臣規範すら破っている」。
「大きなカネを持っている人が政治をすることをやめさせないといけない。大企業が政治を動かすのでなく、人々の声が政治を動かさないといけない。多くの困っている国民は自民党のカネと繋がっていない。国民とは関係ないところ(のいわゆる裏金)なのです」。
 「今が正念場だと思っています」と福島参議院議員。

岡崎宏美元参議院議員(左)


 そして岡崎元衆議院議員からも話があった。
 岡崎さんは「94年に政治改革関連法案を採決する時に反対票を投じたからだと思います。それを経験した人は引退しているかお亡くなりになっている。あの時を知っている人として呼ばれたと思っています」と話した。
 始まりは94年の政治改革にあったと思うという。
 89年の参議院選挙で社会党が躍進し土井たか子さん(当時社会党党首)が「山が動いた」といったように「民意を一定程度反映していた」。
 後藤田正晴さんを委員長とした自民党は自らの改革するための委員会を立ち上げた。派閥を改革し、企業団体献金をやめようとして、さらに小選挙区選挙制度を導入すべきとも答申された。
 それが第八次選挙制度審議会の開催につながっていった。そこには9名のマスコミ人も入ったが、「政治とカネの問題に関しては、中選挙区制度は一つの党の中で争いにあるから制度が問題だとなって、小選挙区制度の導入となっていったのです」と岡崎さん。 

グローバル資本主義と湾岸危機・戦争
 当時、経済がグローバル化して、日本型社会主義や護送船団方式をやっていてはグローバル資本主義のなかでダメだといわれていた。さらに90-91年には湾岸危機・戦争があって日本の貢献が問われていた。
 岡崎元衆議院議員は「93年の選挙は選挙制度改革が焦点でした。私は反対していたのでどこへいっても守旧派だといわれました。選挙制度として小選挙区制度を入れる流れが出来ていた。一旦は参議院で否決されたものの、ひっくり返った」と回想する。
 「それから30年、小選挙区制度での選挙が繰り返される中、新自由主義政策を進める動きが出来上がっていきました」。
 「それをどうやって変えていくのか」
 お金の問題に加えて武器輸出解禁などもあり「「戦争は廊下の奥に立っている」といいますが、私にいわせるなら「今は玄関で大きな顔をして立っていて、戦争が出来る国になっている」」と危機感を露わにした。
 上脇教授から発言があり「実は福祉国家と平和国家というのは一体なのです。軍事にカネを使ったら福祉国家にはなれない。自民党は94年の改革時、自衛隊を海外に出して軍事大国になるという本音があった」。
 「国民のための政治改革を実行させてゆく。政権交代をさせてゆく。今回は選挙制度の問題にすり替えられないようにしないといけません」。
 平野元参議院議員は「自民党は哲学的、歴史的なことを考えていません。日本の国のために自民党をつぶさなきゃいけないんですよ。後藤田さんの改革も本音は自民党を残すということでした」と話した。

佐高信さん


 最後に佐高さんより「TBSテレビのNews23に出ていた頃、政治家にモラルを求めるのはゴキブリにモラルを求めるようなものだと話したことがあります。おふくろに「他にいいようはなかったのかい」と言われました」。
 「しかし、自民党というゴキブリにモラルを求めるというより、ゴキブリは駆除しなければいけません」と話すと拍手が起こった。

 


(終わり)

 
 

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