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【インタビューレポ】稲作本店/井上さんご夫婦 -後編-

こんにちは。クウトクルの中田です。
本業の傍らではじめてのZINEづくりをしています。

さて、今回は先日の投稿の続きです。

今回の出版物の(個人的に記念すべき)1組目のインタビューとして、那須にお住まいの #稲作本店 井上敬二朗さん・真梨子さんご夫妻のもとに伺うことになったところまでが前回。今回は実際に那須でのインタビュー当日の簡単なレポートを残しておきたいと思います。

聞かせていただいたお話は、「農」のズブの素人の僕でもワクワクするものばかり。結論、1組目のインタビューが井上さんご夫婦だったというのは、この企画にとって本当に幸運なことでした。

那須塩原へ

渋谷から那須塩原まではこんな感じのルートで行きました。

新幹線を使えば、1時間30分程度なので案外近いです。

でも宇都宮から那須塩原に入る直前で、

空の色や空気の感じ(新幹線の中にいるので実際にはわからないのですが感覚的に!)がすっと変わったのが印象的でした。那須塩原に着く頃には、さっきまで晴れていた空から、ぱらぱらと雪が降ってきました。

このあたりで、ちょっとずつ緊張感が高まってきたのを覚えてます。

「聞きたいことちゃんと聞けるかなぁ」と。

↓1枚目が宇都宮あたりで、2枚目が那須塩原

那須塩原市図書館 みるる

インタビューのアポイントは13時からだったので、それまでの時間で黒磯駅前にある「那須塩原市図書館 みるる」へ。ずっと行ってみたかったところです。

こんな図書館が近所に欲しい…!!

まだ9月にオープンしたばかりだそうです。
印象的で開放的な建築、言葉の造形が横断する迫力ある本棚、しっかりと提案ごとに選書されていることや、図書館にくる様々な人のニーズに1つ1つ丁寧に答えるようにオープンなカフェ席スペースから、セミクローズドな集中ルームまで用意されているのも嬉しい。

↓これが個人的にツボです。めちゃくちゃいいです。


こういう文化拠点があると、それだけで「ここに住んだとしたら…」のイメージ(肯定的なイメージ)がばーっと湧いてきますね。
やっぱり「本」は生活の近くにあって欲しいです。

そして、館内には「モリコーネ」というカフェも。これは那須塩原の森林ノ牧場さんが運営するカフェ。ホットミルクがほんとうに美味しかったです。この後、不思議なご縁があったのですがそれはまた別の機会に。

田んぼの価値を最大化する

13時になったので井上さんご夫婦のもとへ。

まだ緊張感は少し残っていたのですが、お二人が温かく迎えて下さり、初対面でも気さくにお話ししてくださるので、いつしかそれも忘れていました。

本当に感謝です。

(ちなみにお二人が着ているのは稲作本店のブランドロゴがついたオリジナルパーカーです。かわいいです。)

インタビューは盛り上がり、なんと予定の時間を大幅に超えて4時間(!)もいろいろなお話をしてくだいました(こんな機会は、なかなかもらえないはずで、僕はほんとに幸運だったのだと思います)。

僕は現職では全く違う仕事をしているので「農」に関しては全くの門外漢です。でも、「農」ってだれにとっても関係のあるテーマともいえるわけで。そういう1人の東京在住・「農」の知識皆無の男が、最前線で戦っている方に

「いま現場で起きていること」

を素人なりのフラットな目線で話を聞きたいと思ったのが今回の企画。

正直、どうなるか分からなかったです。もちろん、どんな話を聞けるのかも。

でも、今回の井上さんたちへの取材を通じて確信を持つことができました。「農」は「まだまだ知られていない可能性」がある、と。それを1冊に束ねていき、届けることに意義はあるのだ、と。

井上さんのように、業界全体が現在抱える課題や閉塞感をまずちゃんと認識したうえで、既存の枠にはまらない打ち手を手探りで見出そうとしている方がいるということ。

まず、それを知れただけでも大きかったですが、
例えば、田んぼでCAMPという収穫を終えた田んぼでキャンプができる取り組みを実験的に始めていたり(最高だと思います)。田んぼの価値を「食料の生産」以外にも見出し、それを周りの人を巻き込みながらちゃんと循環する仕組みにしようとしている農家さんがいるということを知れたのは、本当に頭を殴られるような衝撃でした。

そういえば、井上さんたちは「農家」ではなく「ブランドオーナー」であるという旨のこともおっしゃっていたなぁと思い出します。

稲作農家と聞いたときに「お米をつくる人」と決めつけてしまうと、可能性は閉じられたままです(ちょっと前の自分もその一人だったので何も偉そうなことは言えませんが)。でもそうではない価値の出し方があるのではという視点に立ったときに、もっといろいろなことができそうな感覚になります。

ここには「まだまだ知られていない可能性」がある、と。

詳細は2021年春に発売予定のZINEに収録しますが、、

多くのことが未だ正解のない挑戦でありながら、お二人は「深刻」ではなく「真剣」に、「つらく」ではなく「たのしく」、そこに向かっていっているように見えました。

もちろん、大変なこともたくさんあることは、わかっています。

でも井上さんたちのまわりには、暖かくそれでいて強さを感じる空気があって、その心地よさで、気づけば4時間もお邪魔してしまいました(申し訳ないです…)。

井上敬二朗さん、真梨子さん、本当にありがとうございました!

微力ですが恩返しできるとしたら、このZINEをいいものに仕上げることだと思います。
がんばります。

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