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やさしい高菜炒飯

何度も目の前を通り過ぎていたのに、一度も入ったことのないお店。たぶん、多くの人にとって、そういうお店の一つや二つあるように思う。街の風景を思い浮かべてみると、「あ、そういえばあそこの定食屋が…」「あの居酒屋もそうだな…」と思い出したりしないだろうか。今日は、自宅から徒歩10分くらいにある中華料理屋へ。それほど近いところにあることに加えて、那須は外食のお店が豊富なわけでもないのに、なぜだろう、一度も足を運んでこなかったお店だ。たぶん、外観で「そんなに味が期待できないな」と無意識に判断していたのだと思う。しかし、その予想を裏切って、大満足な夜だった。妻とも何度も「美味しい、美味しい」と言いながら食べた。中国茶も高菜炒飯もデザートの杏仁豆腐もすべてのクオリティが高く、帰り際に週末の予約を入れてしまった。今日が木曜だから2日後である。帰り際にわざわざご主人が厨房から出来てきてくださった。シャイな方なのだと思うが、特段なにかをいうわけではなく、ただやさしい表情をされていて、「あ、この方がつくったから、高菜炒飯のあのやさしい味なんだな」とひとりで納得した。こういう語るほどでもない小さな出会いが、”日常”というものをどっぷりと下から支えている。週末をたのしみにして明日の仕事もがんばろう。

気まぐれ500字日記
24/4/11

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