ふたつの魔物・その2の1
さて。もう一つの魔物。
これは、現在進行系で対戦している相手でもある。
※ここには、ほぼ婦人系の病気に関する記載が散りばめられています。
第1の魔物(というよりこの時点ではただのポリープ)を発見した日と同じ日に、子宮がん関連の検査も受けた。
人間ドック時に受けた子宮頸がん検診は子宮の入り口…というより出口、というか…とにかく「おかしな細胞がみつかったよ」という程度なので、この時点では子宮頸がんであるかただの異常なだけなのか、それすらわからないという状態であった。
ただ、私には唯一断言できることがあった。
私には、子宮頸がんになる可能性は、少ない。
子宮頸がんになる原因としては、
・子供を生んだ経験がある
・性交渉の経験がある。
などあるわけですが、私にはそういう条件にあてはまるものがあまりなかった…。寂しい独り身なわけです。
とすれば子宮体がんではあるが、となると話が違ってくる。
条件…めっちゃ当てはまる項目がありすぎて、ですなあ…。(-_-;)
ただ、閉経後であったり、初潮が早かったりなどという条件があまりあてはまらないので、どうなのかなあと不安30%、なんでもなかろうという気楽な気持ち=あの検査やるのか…といういや〜な気持ち70%で精密検査に臨むことになりました。
子宮がんの精密検査。
それは、人間ドックで受けた子宮頸がんの検査より想像を絶する痛みとの戦いでした。
K病院で担当医となった産婦人科の先生は、男性。しかもこれまた若い。ただ、子宮がんなんちゃら委員会の委員らしく、ガン関連には強そう。でもやっぱり淡々としてる。…何この病院、淡々としてる先生ばっかりなのか。
そんな医師がこれまた淡々とした口調で、
「今回の検査は、子宮の奥・左右の細胞を取ります」
みたいなことをおっしゃった。
「…はぁ」
壁全部じゃないのか…というより、腸の検査みたいにカメラ差し込んでなにか見るというわけでもないのか、と訳のわからないことをぐるぐる考えているなか、
「ガンであるなら、大概ここでひっかかります。子宮体がんですね」
と言われたので、この時点でなにかあれば子宮体がんというある程度の覚悟はできた。
しかし、…いざ検査室にいくと、その覚悟は音を立てて崩れ去る。
看護師さんに、では座ってください、と促される椅子。
足を置く場所がついている特殊な椅子。
そこに上半身だけ服着て座る。
無機質な声で「椅子が周ります」「足が広がります」と言われる通り動く椅子。
この時点で、カーテンという仕切りが下半身を隠す。
カーテンの向こうで・・・・・・・・・・・・・・・医師が手ぐすね引いて待っている、はず…。
「はーい、管が入りますから力抜いてくださいねー」
医師の声とともに、なにかとんがったものが入ってきた、らしい。
その痛さといったら、「なんじゃこりゃあああああああああ!!!!!!」と叫びたくなること必至な激痛であった。
この激痛で病気になりそう。もっと楽な方法がないのか。そもそもこんな激痛をもってしないと病気が見つからないのか。
だったら私、みつからなくていいです…!!!
この病気(?)を背負って、生きられるところまで生きていきます…!
そんな気持ちすらよぎったことは否定できない。
というか。
実のところ、この検査の記憶はあまりありません。
ついてくれた看護師によると、「ただただ泣きわめいていた。こんなに騒がしいのは珍しい」とのことで、私は相当やっかいな患者さんだったようだ。さらにいうと、検査後見事に腰を抜かして立てなくなり、2時間ほど失神してしまったらしかった。
覚えてません。何もかも。
そんなこんなで受けた子宮の精密検査。結果が出たのは2週間後のことである。
「異常ありませんでした」
医師の説明に愕然半分喜び半分な自分。
医師の話によると、大概ガンになっている場合、この検査で引っかかってくるのだそうだ。
この時点で、私ががんであるという確率は10%。90%がほぼ「異常細胞を作っている何らかの変異」というもので、ガンではないなにか、ということになるそうだ。
というわけで、日を改めて再度行いましょう、ということになった。
「次はちょっと詳しいところまで見ますので」
…『見ますので』…なんだ。
覚悟しろということか。
何やら恐ろしい約束をしたような気がして、その日は病院を後にした。
「異常なかったってーでもなんか詳しい検査するらしいよー」
なんて、母に電話したような気がする。
だが、それでも一抹の不安があった。
だったら、排卵の間の中間出血はなんだ。たった1日程度、ちらっとおりものに赤くにじむ出血。
ただの排卵日の出血なのか。本当にそれで納得していいのか。
症状から調べて分かる限り、
ストレスが溜まるとホルモンバランスがくずれるもの!そのためにも体をリラックスさせレバ出血もなくなるでしょう!(意訳)
…これは本当なのだろうか。
ぼんやりとした気持ちをひっかけたまま、再び仕事とストレスの毎日に戻る。
そして数カ月後。2回目の詳しい検査の日が訪れる。
続く!!