ふたつの魔物・その2の2

…治療を受けながら時系列に書くのって難しい。
というわけで、この記録には若干端折ってたり時系列が前後してたりしてますが、概ねこんな感じということで

全編渡って婦人系の病気注意です。



『次回はもう少し詳しく見ますので』
覚悟しろ、と言われて数ヶ月後。
再度詳細な子宮内膜の検査に臨んだ。
今回は上下左右という部分ではなく、全体的にまとめとる、というやつらしく…聞くだけで気が遠くなりました。
特定の場所ではなく、取れる限りの場所をまとめとるという方法で、どの部分からはわからないが異常細胞があれば出てくる、という感じのものらしい。
この時点での検査も当然ながら(?)私の記憶にはまったくなく、ただただ痛い苦しい辛い記憶だけが残った。
かろうじて失神はしませんでしたが(虚勢)。

そして2週間後。
この異変にようやく病名がついた。

子宮内膜増殖症
月経時に排出される血液の膜が厚くなりすぎて、月経時の出血が異常に多くなるものである。私の場合、異常な細胞が発生しているということもあり、詳しくは『子宮内膜異型増殖症』という病名になる。
この病気が判明した時点で、ガンが潜んでいるか否かを判定する検査をせねばならないのだが、これは外来日帰りでできるようなレベルの検査ではないらしい。
「この検査には痛みを伴うので、大概の方は入院してやってもらいます」
医師の話によると、今までの検査より以上の痛みを伴うため、麻酔を使って行うそうだ。
…あれ以上のいたみがあるのか…。

その名も、『子宮内膜全面掻爬』という検査というか手術というか。
患者が麻酔で眠っている間に、子宮の内膜をガバッとかっさらう…痛い。説明を聞いているだけでも十分痛いが、字面を見ただけでも十分痛い。

ちなみに、『子宮内膜異型増殖症』と診断された時点で、私のガンの可能性は20%程度。統計上はまだ80%はガンではないということで、なんとなく不安もありつつ心の何処かで安心していた。

この検査手術を受けたのが2018年10月下旬。
4月の人間ドックで異変が見つかってから半年も経っていた。
半年も検査しなければわからない程度の軽いものなのか。それともただ単に医師が手こずっているだけなのか。後者だとしたら問題なくね?となんとなく不信感と、前者だったらまぁ短期決戦で治せたらいいなと考えていました。

この時点で、まだのんきなこと考えてます。


検査を受けて2週間後。
一番聞きたくない結果が言い渡された。

「がん細胞が見つかりました」

ここから病名は『子宮内膜がん(体がん) ステージ1』にレベルアップする。実に喜ばしくないレベルアップだ。
ここで治療方法についての選択を迫られた。
子宮を残すか、残さないか。
私は迷わず「残さない」方法を取った。

子宮を残す治療方法も提案されたが、再発するリスクがあること。
私自身それなりに年を取っておりパートナーもいないこと。
(すみませんね、少子高齢化に拍車かけちまって…)
さらに、月一でやってくる月経の時期に、子宮筋腫の位置のせいで頻尿が辛いこと。(圧迫するんです…膀胱を…急に尿意が来るから怖くて(泣)
さらに家系はガン家系。
そんな考えが頭をよぎった瞬間、「取ります!」という答えを出した。

本来の役目を果たさせられずにごめんよ子宮。
迷うことなく切り捨てることを許しておくれ子宮。
お前が去った分、他の器官が健康にいきるから安心して

薙ぎ払われるが良い!!!!!!!!(よくわからんテンション)


ここで『子宮内膜全面掻爬』の検査を受けたときの話をちょこっと。
医師いわく、「麻酔が抜けた直後の声が患者の本音」だそうで、その時に訴える患者の「ナマの声」を聞くことでその人の性質とか体質とかがわかる…とかなんとか仰ってたような気がします。(もううろ覚え半端ない)
ちなみに私のこの時の声が、

「う●ち出る…!」

だったそうな。
医療用おむつ履いてるので大丈夫だよ出していいよと言われるものの、いきんでも出ない。というより、ここでいきんで出ないのは当たり前なのである。
なぜならこの検査手術前日より下剤を飲んでスッキリだし、食事も流動食で固形物がないからである。
ではなぜ「う●ち出る…!」という衝動に駆られたのかというと、子宮の内壁をぐるっとかき取る時に、便意を催す位置まで刺激を与えるからだそうな。

それにしても、…ひたすら「う●ち出る!」って喚いてたって聞いた時はすごい恥ずかしくなりましたが、いざとなると恥も外聞もないですね。
様子を見に来た付き添いの母が「大丈夫?もう終わったよ?」と声をかけても「う●ち出る…!」とひたすら言っていたらしいです。
今となっては笑える話です。



でもガンが見つかっちゃったのです。
確率20%。10人中2人がなる可能性に見事にあたった。
ていうか、ガン家系にはいかなる統計記録も無意味です。なるものはなります。…どのケースでも言えるでしょうけどね…。


子宮全摘出手術。
検査結果が出た翌週に決行することになりました。
12月中旬手術、年内は入院・・・。
年末で多忙になる我が部署を、残された先輩や後輩に任せるのは非常に申し訳なかったです。


続く!