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インタビュー企画第四弾 榛名ゆきの のいまここ。前編

ここまでは主に演劇と深く関わりがある方々にお話を伺ってきました。

今回は演劇から離れ、精神看護師でツイッターなどでグラビア活動を精力的に行っている、榛名ゆきのさんにお話を伺いました!

以下 榛名ゆきの→榛、中佐→中、カオス→カ

:榛名ゆきのです看護師とグラビアのような事をやっていて、最近文章を書くのも楽しいなと思い「精神看護」と言う雑誌にも記事を載せてもらったり、好きな事やってます

:「精神看護」ってどうゆう雑誌なんですか?

:精神科向けの雑誌なんですけど、ちょっと人文学と医療の間みたいな事も書いてあって、心理師さんとかも。最近幅が広くなってる雑誌で。本当にコアな雑誌です。

:精神科の看護師なんですか?

:はい、もともと精神科やりたくて看護師になりました。


今までの活動について

:普通に看護師は9年目で、榛名ゆきの名義は5年目くらい。途中でちょこちょこ休んでたりはしてましたけど、撮影会出たり、展示会出たり。具体的になんかテレビに出たいとかじゃなく表現が楽しいみたいな感じでやってます。売れるために頑張る感じではないんで笑

:そうゆう所がすごく好きで、誤解を招くかもしれませんがグラビアって「エロい女の人が、エロい服を着て、エロい写真を撮る」みたいなイメージがあって。でもゆきのさんの写真ってちゃんと美しくて。

:ありがとうございます笑。もともとファンタジーとホラーの間みたいなのが凄い好きで、ちょっと目が死んでるみたいな笑。グラビアって変なポエム書いてあったりするじゃん。あれとかも最初やってみたかったんだけど難しくてやれませんでした笑

:笑。ゆきのさんのグラビアは芸術だなと思っていて、ゆきのさん自身がめっちゃ美しいんですけど!羨ましい!ちゃんと写真の中にゆきのさんのこの服を着て、こうゆう写真を撮りたいってのが見えてくるから、とても良いんですよ。

:結局、写真て「自分が撮られたい」ってのとカメラマンやお客さんが「こうゆう絵が欲しい」ってのがぶつかる所でしかできないと思っていて。一見、みんなの見たいもののために頑張るのが良いみたいな感じなんですが

自分が見たい絵を具体化してるって感じですね

:そうですね。こうなりたいとか、こうありたいとか


精神看護師ってどうゆう仕事?

:医療者の中でも結構「何をしてくれる人なの」って感じになるんですけど、精神科の病気や症状によって、できない事を一緒にできるようにしていくんです。デザインするって感じに近くて。なんていうか、さっき言ったカメラマンとグラビアアイドルとの関係に近くて「こうありたい」ってのと「こうしたい」が重なってるみたいな。

:なんか患者さんの気持ちに結構寄り添っていくみたいな?

:それがスタッフによって患者さんの見え方が違くて。私はそこが好きなんですけど。例えば、内科だったら肺炎だとしてレントゲンとかの結果見て「私はこう見えます」とか見当違いな事言ったらこの看護師やばいってなるじゃないですか笑。でも精神科ってみんな、向いてる方向は同じだけど見え方がバラバラなところあって。例えば手首切っちゃうとかを重く捉える人もいれば、流して見る人もいるし。それってでも、スタッフ自身の中で自分に引っかかってる部分なんですよ。そうゆうのが見えるのが楽しいですね。

:私も精神科通ってた事あるけどそんなに面白い世界だと思わなかった!

:小さい頃お母さんに連れられてカウンセリング受けてた事があって、なんか砂場みたいな所に連れていかれて、フィギュアがいっぱいあって「好きなように並べて良いんだよ!」ってお姉さんと一緒にやるみたいな。あれは精神看護師さん?

:カウンセラーじゃない?

:カウンセラーか!ちょっと違うのね!ひたすら褒めてもらえる時間だった!

:私もともとカウンセラーやりたかったから、その話すごい「おお!」って思いました!


仕事で印象に残った出来事

:統合失調症ってわかります?もう若い頃に発症して、昔の薬しか使ってなくて、言ってる事も支離滅裂だけど、身の回りの事は自分でなんとかできてるおじいちゃんがいて。その人が急遽退院する事になり、慌てて荷物とか準備していたら漫画が出てきたんです。すごいドッグイヤーされていて、見たら全部濡れ場だったんです!

:はははははは!

:結構可愛らしい雰囲気のおじいちゃんだったんです!ちょっと浮世離れした雰囲気だったのに、中身はそれか!ってなりました!

:なんか人間らしくて安心する!笑

ちゃんと男だった!って思って好きでした!

:めっちゃ人間らしくて良いな!

:そう!いつも何考えてるんだろうとか幻聴で辛そうだなとか、それくらいしかよくわからなかったから、ちゃんと見えてよかった!

:いいな!

欲がなくなったら人間終わりだからね!最後ってのがいいよね!紳士だな!

:紳士だった!


グラビアを始めたキカッケ

:もともと看護師になるにあたって、留年もしたし実習も体育会系と女社会の嫌なところが合わさった世界みたいなところがあって、「これまじ無理だ。2年たったらやめよう」って。働いてみて徐々に仕事に慣れてきたけど、ついてくのに必死だったからめっちゃ勉強とかしてて。まともな看護師を2、3年くらいやってました。で、夜勤でたまたま患者さんと「死にたいとは」の話をしてて、「こうやって飼い殺し状態だと死んでるのも同じだよね〜」って話してて、あ、わりと近くね私!ってなって。実質私のこの2、3年間じゃんって。誰かに管理されてるとかじゃないんですけど。やべえ!虚無だ!と思いました。大学時代バンドとか組んでて人前に出たりみたいなのが無くなって寂しいってのがあったんですけど、早急に何かで埋めなければならない!ってなってた時にたまたまスカウトされたのがキカッケで。わけもわからず始めました。笑

:スカウトされたのは雑誌とか?

:雑誌とか、モデルをしたい事務所だったんだけど、事務所に入り、宣材写真をとり。最初これがしたいとか、モデルさんだったらこの雑誌の表紙を飾りたいとか、このブランドのミューズになりたいとか、ドラマに出たいとか無くて。目標、特に。笑

:人に見られる事で自分を埋めたいとか?笑

:そこまでも言語化できてなくて、なんかしなきゃいけないみたいな笑


前編はここまで!

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榛名ゆきの(はるな ゆきの)
精神科領域で看護師をする傍ら、被写体として撮影会やイベント等で活動。生身の自分自身をツールとしてケアや表現に使う楽しさにどっぷり浸かり続けている。
今春より病棟から精神科訪問看護ステーションに転向。
医学書院「精神看護」2020年5月号掲載。ツイッター:@haruna_yukino

聞き手:中佐真梨香(空間企画)ツイッター:@4no5noiuna

インタビュー&ライティング:栗原カオス ツイッター:@iuuu_k

produce by 空間企画 ツイッター:@kuukankikaku


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