夏も本番なので不思議話
あつーーーーーい。
毎日すっかり夏ですな。
という事で夏といえば不思議話。
怖い話は…怖いので不思議話です。
またまた私の体験談です。
これは…なんて言えばいいのか、不思議な出来事としか言いようがないです。
興味のある方はどうぞ。
【あなたは誰?】
私がまだ20代の頃のお話です。
私はその日、地元の都市部に用事があったので電車に乗りました。
普段電車には乗りません。
私は電車が超絶苦手です。
すぐに酔ってしまうからです。
乗り物という乗り物に弱いので普段は近場以外どこにも行きません。
でもその日はとても大事な用事があり、まあ、イベントだったんですが、どうしても電車は避けられないので頑張って乗りました。
運よくその日は酔う事なく乗ることが出来たので乗り換えの所できちんと乗り換えして、割とスムーズに目的の駅に着こうとしたところでした。
やはり都市部に入るとなると駅も大きくなり、一気に乗り降りする人も多くなったので居心地の悪さを感じながらも乗り換えのホームまで辿り着きました。
そして次の電車に乗り込んだ時でした。
とにかく座りたかった私は急いで席を確保。
座れた!とほっとしていた時、向かいに座っていた女の子二人が凄く変な顔でこちらをみてきました。
?何だろう??
と思って彼女たちを見ているとどうやら私の隣の人と私を交互に見比べている様子。
私の右隣に座った人。
何かおかしいのかな??
一気に隣を見る勇気はなかったので、足元を確認してみました。
一瞬「あれ?」と思いました。
ああ、靴が同じなのか。
その時の靴はオールスター黒のスニーカー。
別に珍しくもないし。
それからもう少し上を見てまた「あれ??」
私と同じようなジーンズを履いている。
え?
靴もジーンズも同じ?
その時私は夏だったのと時代もあってジーンズの裾を捲っていました。
そして隣の人も同じように捲っている。
ここまでならファッションがかぶっているんだろうと思えました。
でも私は地元を出る時は雨だったため傘を持っていました。
周りの人で傘を持ってる人はいません。
私は恐る恐るみてみました。
傘も一緒だったらどうしよう…と思いながら確認すると
その子も傘を持っていました。
柄は違うものの、私と同じ形のしっかりした傘。
「…」
え…ここら辺ならずっと晴れてたはず…。
自分はリュックで来ていたのですが、それを抱えるように座っていました。
そしてその子もリュックを抱えている…。
リュックの奥の上着はシンプルなTシャツ。
私もシンプルTシャツでした。
ここら辺で段々怖くなりました。
自分の隣に自分にそっくりな人が座っている…?
頑張ってもう少し上を見てみようと思い髪型を確認。
そこで完全に怖くなりました。
当時は茶髪が流行っていました。
猫も杓子もみんな茶色にする時代、私は黒髪をポリシーとして絶対に染めなかったのですが
その子も私と同じ黒髪。
私と同じおかっぱ。
肩に掛かるか掛からないかくらいの、自分と同じ長さでした。
靴、服装、持ち物、髪色ヘアスタイル全てが一緒。
もう私は怖くて顔の確認まではできませんでした。
でも前の女の子二人がこそこそと明らかにこちらを見ながら話しているくらいです。
多分顔も似ていたのだと思います。
同じ駅の同じ電車に乗り合わせて、同じく隣同士に座った私と同じようなこの子。
でも隣の子は私のことを気にする様子は見られませんでした。
動揺しているのは私だけ。
これで降りる駅まで一緒だったらどうしよう。
そう思った時駅に着きました。
予感的中というか何というか、思った通り電車が駅に滑り込んで止まった時、私と同時に立ち上がり私と同じ歩幅で電車を降りました。
立ってみて分かったのですが、身長も同じでした。
結構な人がその駅で降りたので若干揉まれながらでしたが、私とその子、二人同時に駅のホームを踏んだのを覚えています。
ただ、ドアから先その子は私と真逆の方向に向かっていきました。
私は左に、その子は右に。
降りてすぐにその子の後ろ姿を探しましたが、もう人混みに塗れたのか姿を確認することは出来ませんでした。
あの子は一体誰だったのだろう。
どうして同じ駅で隣同士になり同じ駅で降りたのだろう。
どうして細かいところまで自分と同じだったのだろう。
全てが偶然といえばそうかもしれない。
でもなかなかない偶然だとも思う。
とぼんやり考えながらその日を過ごした私です。
そんな不思議な夏の出来事でした。
本当誰だったんだろうな…といまだに思います。
読んでくださった方ありがとうございました。
暇つぶしになれば幸いです。
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