見出し画像

夜を数え続けて2023、その日までの自分のこと。

ご報告が遅れましたが、責任編集ライブ「夜を数え続けて2023」予告通り無事、全員泥酔の末終了致しました。
このイベントは「エッジの効いた女性アーティスト」を毎年集合させるお祭りなのですが、今回は「エッジと酒量の効いた女性アーティスト」が集まる、という「酒まつり」の要素が加わり
トリの千絵子が言っていた通り、去年までは酒を飲めないこいけみほちゃんがいたから、イベントとしての質がなんとかなっていたんだなーと
改めて思いました。
この人たちは何があっても酒を飲むんです、国から飲むなと言われてた時もリハ前から飲んでたくらいですから(あれは炎上したら主催者の首が飛びかねない自体ではあった)じゃあ、もう、好きなだけ飲んでくれと。責任は取らない。
ただでさえ飲み過ぎの出演者たちに、せっせと酒を提供していたのは、主催者のわたくしでした。

この日の私は静かに泥酔していたので、静かなテンションで、普通にしてたら裁判で大敗するような直球セクハラ発言などを共演者に投げかけていたようなのですが「クツシタサンってまあそういう人だよね」という共通認識があったのかクレームは来ていません、ただただ反省しています。何を言ったかは書けません(書けないレベルで下品)

さて、無職のくせにライブ終了の報告が遅れるということは、私自身に重要な問題があったからで、その重要な問題は実は6月に入ってた段階で発生していました。
ものすごい精神にダメージを負うレベルの問題で、どれくらいの凄さかというと当日の出演ができないかもしれないというレベルでした。やばかったんです。何があったのかは勿論書けなくて、出演者にぽろぽろ愚痴ったり、相方のチカちゃんに吐露したり、は、したのですが
正直まだ全然立ち直れてなくて、よくあの日ライブができたなぁというくらい。

人間、生きていれば誰だって傷ついたり泣いたりすることは沢山あるのだけれど
この6月にそれを持ってきてほしくはなかった。

なので、そんな話を書きます(なのでイベントの報告ブログという感じではないです)

2023年6月9日、ヘクトパスカルの練習がありました。去年のこのイベントからライブをしてなくて、相方のチカちゃんにも一年の間に2回、ほんの少し会っただけ、なんですが
彼女の存在には何度も命を救われてきました。この日もまた然り。
何があったのかうまく説明できないほど弱りきっていた6月の自分は、練習いつやろうかとか何の曲をやろうかとか、整理して考えることもできなくなっていて
さらに「スタジオを予約する」という作業すら恐怖に感じてしまい
スタジオ予約を相方に任せてしまいました。
スタジオの予約すらできないレベルに人間としての機能が落ちてしまった。
しかし過去には、そんな私になってしまったことも何度かあり、理解ある相方はせっせとリハの予定立ててスタジオも押さえてくれました。
愛だよなぁ。

いつだか評判の悪かったオレンジ色のアコギを背負って、なんとか電車にも乗って、スタジオにたどり着いたら、そこにいたのは黒木ちひろさんに変身したチカチャンがいたのでした。
この日の午前中、チカちゃんは美容院に行ったのです。
実は「コラボするなら髪型も合わせてほしい」という、主催者の強引な無茶振りに、チカちゃんも黒木さんも応えてくれたというすごい話なのですが
先に髪を切ったチカちゃんの写真をバシバシ撮って黒木さんに送りつけて、黒木さんはその写真を美容院で見せて、この人にしてください、とオーダーし

当日、本当に同じ後ろ姿になったという次第です。

なぜ2人ともそこまでノリが良いのか、、、、
本当はコミュ障という分野にいる2人を知っている私からすると、泣けるほど面白い事態です。

黒木ちひろさんというひとは、かなり珍しく、「くつしたさん」という存在のファーストアタックが「ヘクトパスカルのくつしたさん」という
ガチでかなり珍しい人です。
OL10年生も、舞台で行うありえない様々なパフォーマンスも、靴下を配る奇行も、知らぬままヘクトパスカルを見て、ユニットのリーダーとしてのくつしたさん、を見てしまったという
なので多分そこそこ真摯なミュージシャンだと印象づけられたのか、その後にオープンマイクだ何だと、くつしたライブを小出しにすることによって黒木さんの脳裏に「?」を増幅させていきました。
(いやそんなことない、初対面の時に哺乳類やったからな)

そんな頃、黒木さんのバイト先のスタジオでヘクトパスカルが練習したんですね。
私はそこそこ黒木さんと面識が発生してきましたが、チカちゃんしらふで会うの初めて?みたいな感じの時期で。
練習の合間にスタジオのロビーに出てきたヘクトパスカルのチカちゃんに、頑張って黒木さんは話しかけたのです。

黒木さん(コミュ障)「調子、どうですか〜?」

チカちゃん(コミュ障)「

かわいい!

な、何だこの、成立しない会話は
チカちゃんいわく、文字情報より先に黒木さんのかわいさが飛び込んできたので思わず言葉に出てしまったそうなのですが
このコミュ障対コミュ障の、対消滅のような会話のインパクト、たぶん一生忘れないと思います。
多分黒木さんもヘクトパスカルのミステリアスお姉さんのチカちゃんに、コミュ障ながらも「頑張って話しかけた」はずなのに
動物園でパンダ見た子供のような、さらに高次元の反応を打ち返す、とは。いやパンダは話しかけてこない。コミュ障を超えてコミュ無である。コミュニケーションの消滅。
その後スタジオの部屋に戻っても、チカちゃんは「かわいい」「そして、誰よりも白い」などと黒木さんのことを褒めまくっていたものだから
私はその後一年くらい、黒木さんに「かわいい」と言えなくなってしまいました。コミュ障対消滅の呪いです。
呪いが解けてから溜まっていた分かわいいを言いまくっていて
一度、黒木さんのスタジオライブで最前列にヘクトパスカルが揃ってしまい「かわいい」を、もはや攻撃のように言いまくっていたらステージの黒木さんに「落ち着いて」と諭されてしまったほどに。
「かわいい」の氾濫です。高度情報化社会。

私が精神的に死にかけていたいつだが、黒木さんに「私のことかわいいかわいいって言ってくれるのクツシタサンだけです」というようなことを言って励ましてもらったんですが
いや、発端はチカちゃんのコミュ障対消滅だぞ、、、、と思って、くつしたさんは生きる気力を取り戻したことがありました。

そして、似ている2人ですが、髪の毛の長さが同じになると
どちらもボーイッシュですが、黒木さんは「かわいい」が増して、チカちゃんは「イケメン」が増していきますね(個人の感想です)
チカちゃんには抱かれたくなりますし、子犬のようなかわいい黒木さんは抱きたくなります(個人の感想です)

さて話がとっちらかっておりますが、この6月に自分が歌えなくなるかもしれないほどの大うつ病の状態で、裏から手を引いて2人のコラボを着々と進めていたのは、なにか生きるための救済ですらありました。
2人を繋げて直接やりとりさせて進ませてもよかったのですが、コミュ障対消滅の件が頭をよぎり、コラボに関しての全てのやり取りは、私が間に入って連絡していたのです。
連絡というか指示というか、まさに裏から手を回していた状態なのですけども
この2人の演奏の化学反応が見たい!という思いは、人として動けなくなるほどダメになった私を動かせられるほどに楽しみでワクワクして生きる理由になり得るもので
簡単に言ってしまうと、このコラボがなかったら、ヘクトパスカルも、そして「夜を数え続けて2023」も、そしてクツシタサンという脆い存在も
6月17日の戸塚にいなかったと思います。
まじで2人には感謝しかありません。

6/17 hPaセットリスト

1:花
2:八月の青
3:ONE
4:冥王星
5:七日目の朝
ーMCー
6:今夜の月

4曲目の冥王星というのは、くつしたさんがくつした始めたくらいの時に作った、めっちゃ古い曲で
ヘクトパスカルでやるのは初めてです。
6月9日のスタジオ、ただでさえコンディション最悪な私がただでさえ良い音が出ないオレンジ色のアコギで、そして冥王星については声がまったく出ない。
ちょっと突っ込んで話をすると「冥王星」という曲を作ったのはくつしたさんが喉の手術をする前に作った曲なのでキーがめちゃくちゃ低い。
今の「地獄の低音から一切ファルセットしない高音」まで、パワー全開で押し切れるくつしたさんの音域は、過去、狭かったのです
いや声はデカかったしファルセットすれば高音もいけたけど今ほどのパワープレイは無理でした。
手術する30歳になるまでは、かなり基本キーの低い曲をぽつぽつと不正確なピッチで歌う方向性がありまして
その頃の曲ですね。
高い声や大きい声というのは声帯に負担をかけず、頭蓋骨に響かせて歌う、ということをやっているので調子が悪くても出せてしまうんですが
低音をしっかり歌うのは難しい。
つられて、この曲のコードチェンジに手が追いつかなくなってギターも全然ダメになっていて、、、

この、スタジオ練習の日に驚異的にボロボロの冥王星しかできない状態だった私は
チカちゃんに打診した上で革命的な解決案を生み出すのです。

アコギでやるのやめるわ

スタジオの残り時間はあと1時間か、決断した瞬間に受付に走りレンタルでエレキギターを借りて
お得意のJCで冥王星な音作りをして、がっつり弾いて、いけた。
あまりにボロボロで地の底まで落ちたプライドとテンションは爆上がりして
あのまま行けば泣いて帰るような練習が光に溢れる時間に変わりました。
決断の速さが凄かったし、絶対そっちのほうがいいと言い切ってくれたチカちゃんも鋭かった。
この一年、ヘクトパスカルを成長させるためにガッチガチにアコギで戦ってきたとか
そんなこともうどうでもよくて、そうなんです、くつしたさんは最初からエレキギター弾いてる人で、ほとんどの曲はエレキで作って、絶対的にライブもそっちのほうが良くできる。
もちろんこの日に簡単に持ち替えることができたのも、アコギを死ぬほど頑張ったから基礎力がアップしてるのわかってて
そもそものエレキでの戦い方にも還元できるであろうと。

いや、簡単な話ではないんです、持つピックの形からして違うし、足元のエフェクターが発生するし、音作りも1からやらなくちゃいけないし、エンハンス出すのもアレンジもアコギの時のようにはいかない。
でも「冥王星」一曲をきちんとやるためにはアコギを捨てるしかなかった。
そして1週間禁酒して毎日低音トレーニングして声も取り戻した。

なんか練習の時からくつしたさんメンタル大下降期だ、と、気づいてくれたチカちゃんが帰りに飲みに誘ってくれたのも嬉しかった。無職記念にってご馳走してくれた。誰かと飲むのとか久しぶりだった、信じられないような下品な話をたくさんした、一年ライブしてないのにお互いの関係は強かった。ブランク感じさせないくらいたくさん話して笑って飲んで、回復した。ありがたい。

さて、どうしてそこまで「冥王星」をやることにこだわったか、という話を書いておきます。
この日、黒木さんが「STARLIKE」という曲をやることは既に確定していました(コラボがあるので)
黒木さんの「STARLIKE」は、身の回りの人たちを星に喩えて歌にした、という曲なのですが
私は聞くたびに亡くなった友人知人、大切な人を思い出して泣いてしまいます。

その話は以前ここに書きました。

私の「冥王星」という曲は立場が逆転しており、星になった人が地球で生きている人を見守っている、という内容の歌です。
しかも、太陽系の外側、冥王星から。


真っ暗な僕の星でも
君の光は届くから
たまには空を眺めてみるよ

黒木さんがSTARLIKEをチカちゃんと演奏するのであれば、冥王星やりたくてしょうがなかったのです。自分の中でストーリーが完結して、なにか少し前に進めるのではないかと。音も光もない寒い冥王星から、地球で生き続ける君に、美しい、笑顔であってくれという願い。

さて、本番の2人のコラボは当日セッションとは思えないほどの良さでしたが
実は6月9日時点でのチカちゃんはまだノープランでした。こっそりと入れ知恵をしたものの、1週間で、ベースもコーラスもガッチリ作り込んできたチカちゃんは天才すぎんか。

単に「私が見たいから」という理由で強引に結びつけた「風貌も似ているCKさん」のコラボが
だめだめになっていた主催者に生きる理由を与えてくれて、だめだめになっていたクツシタサンをギターボーカルとして復活させてくれた。
なんだか強引な話ですが、受け入れて成し遂げてくれた2人には感謝しかありません。

そしてヘクトパスカルですが

演奏はともかく、あれだけよく喋る私のMCが一回だけ、後の曲間は全部サンプラーで環境音で繋ぐという珍しい構成でした。
これは理由がありまして、だめだめになり過ぎている人間を動かすには薬の力が必要だったわけですが
この薬の副作用が「激しく、どもりが発生する」というもので
どれほどに話ができなくどもっているかは本人には把握できないんですね、なんとなくしか。
もっと激しいと「うわ全然しゃべれねぇ」と自分でわかってしまうレベルになっちゃうんですけど。
これも本人では確認のしようがないので、6月9日のスタジオの後だったか、正直に打ち明けてチカちゃんに聞いたところ
相方には気がつくレベルには吃っておると。

なのでMCをせず、本来なら冥王星を歌う前に説明とかすれば伝わり方も違ったかもしれないけど、それも捨てて、こんな構成でやってみました。

喋らないってなると、カウントを口頭で入れるのも難しくなるのかなって思って
新楽器を投入しました。
わんこの足。

これは、誰も見たことがない楽器だと思うし、客席から見ててもこれでカウント入れてたって気づかないと思う。
多分これを作った人と私しか知らないくらいのマイナーな楽器でして
足で踏むとクリックカウントの音が出ます。
こういう、ガチで誰も知らないアイテムをさらっと使いこなしてくるのが私の長所のひとつかなと思ってまして
ライブ終わって黒木さんに見せたときに「わーすごいカチカチカチカチカチえーすごいカチカチカチカチカチカチカチカチわはははははカチカチカチカチカチカチカチ」と、謎の喜びを発生させて爆笑しながらカチカチさせていたので
なんか、取り入れて良かったと思います。
黒木さんがはげしく笑ってるところ、とても、よい。なのでやり過ぎなくらいに笑わせてしまう。

ちゃんゆきも千絵子もきむらも、みんながみんな、いいライブをしてくれて
本当によいイベント(酒)だったんですが
ちょっとまだ回復度合いがよろしくなくて、とにかく自分の報告がメインになってしまって申し訳ない。
ちゃんと書けるようになったらまた書きます。
ゆっくりと元気になっていけたらいいなと思ってますので。

毎年、このイベント終わるたびに、なんというか、あー、もっとみんなと話したかったなって思ってしまうんです。
個別には会ったりしてるけど揃うのは年に一回なので。
今年も、最後、帰る時、黒木さんとチカちゃんと3人になってて
去年とまったく同じ3人でエレベーターに乗ってて
あ、まだ、お酒、ひと缶分くらい時間あるかも、ってちょっと思って
コンビニで買ってひと缶飲んでもうちょっと話そうよ、って言おうとして
なんだか言いそびれて
そのまま黒木さんと電車のって、先に降りて、最後ひとりになって
あー今年も終わっちゃったんだなって、ほんとにしんどい状況だったのにみんなに救われて生きてきて
また一年がんばれるのかなって
今度こそもっと色々話したいなとか思って
ちょっとだけ泣いてしまいました。

みんな、ほんとにありがとう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?