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黒木ちひろさん++と3人でツーマンライブをやった20周年記念の話(その2)

(その1)はこちらから


続きです。

イベント当日11月11日、朝の7時半、私は病院の待機列に並んでおりました。
ほんの数時間前まで「イベント中止にするかどうか」悩んでいたほどシンドイ状況にあったので、その状況を改善するために、できることのひとつが「医学でなんとかする」だったのです。

だがしかし、8時半受付開始の病院、7時半に既に長蛇の列……

思うことは「みんな、元気だなぁ!」ということです。
この日、いきなり気温が下がって滅茶苦茶寒い朝でした。前日までの感覚で朝の7時代から病院の列に並べるって!とても!げんき!

いや私もですが。

元気はなかったんだけどイベントのために振り絞ったんです。

土曜日の病院は大体どこも待ち時間がとにかく長いことは知っておりまして、普通に行ってたら午前中潰れたうえに、会場入りの「12時」に間に合わない可能性が高い。
主催者が遅刻は何かとマズイ。
それなら病院が早く終わるように1時間前から待機してれば?と、考えた私が甘かった。
既に長蛇の列とは!

こんなにも みなさま 早起きで あるとは
とても素晴らしい〜♪

とはいえシンドイ状況の人間が寒い中、しかも寝ていない状態で1時間待つのは想像を絶するほど命がけでした。
並んでる人たちも皆、そうだったんだろうなぁ。

思えば数ヶ月前、ほんの8月の話、壮絶に体の具合が悪かったのだが、ど底辺で貧困すぎて「明日食べるのがどうにか」という状態にあり
病院の治療費が捻出できない、救急車も呼べない、あーもうダメか、と、やんわりと死の覚悟をしたことがありまして。

その状態が恐らく私の「底辺にまで落ちた」の、最底の箇所だったかなと思います。

それを思えば、少しでも元気になりたくて朝の7時代から病院に並ぶという命がけの行動を取れる今の立場は底辺オブ底辺を脱したってことだな、などと、ほんとにどうでもいいことを考えていたら病院の受付が始まりました。
割とそこからスムーズで、なんやかんや病院を経て、10時半くらいには一旦帰宅できた。
まあここまではよかった。

自宅からspace KABAは徒歩5分。
そこそこ準備をして、12時ちょうどくらいに到着。

店長が早速出迎えてくれました。
「黒木さんって有名なんだねー?知ってるって人が結構いた!」

「そうなんす!湘南の!!太陽なんです!!!」

店長は、前オーナー星埜さん亡き後、頑張ってKABAを継続しておりまして
週末のイベント等等色々軌道に乗っています、私とは特に、spaceKABAの「寿司イベント」の時とか異常なチームワークを発揮していました。
(三日間、お寿司だけガンガン出てくるという凄い営業です。寿司を握るのは私です。)

店長がネタを切っていく係、私はひたすら握る係、その他、味噌汁とかお茶とか、色々店長が奔走しており
「握り担当」に専念できたのは、店長のサポートがあってこそ。

12月にまた「お寿司イベント」が開催されますので、ぜひお越ししたい次第ですね。

12月9日(土)・10日(日)
space KABA
ヒロシ寿司2 一年半ぶり開催
‼️

9日
13:00~15:00
16:00~18:00
19:00~21:00

10日
12:00~14:00
16:00~18:00
お一人様2,500円(ワンドリンク付)
5部制となります。

定員制なので枠指定で予約お願いします!私まで!TwitterとかでDMで!

さて、なぜ寿司の話にまで発展したんでしたっけ、、、

お店スタッフと色々準備しつつ、そこにチカチャン登場。

「あ、黒木さん来ましたね!」
スタッフ一同、盛大な人違いを始めております。

ここは、、、似てるんでしゃあない

大差ないです。。。。

チカチャンですよーって認知いただいて、ゆるゆるとへクトパスカルのリハなど。

その頃……黒木さんは…電車に乗り遅れてしまったり、せっかく蒲田まで行き着いたのに、珍しく池上線が止まってて、蒲田ー蓮沼間を徒歩で移動することになったり
(ちなみに土曜の午前の蒲田の街はそこそこハードです、雰囲気が)
けっこう、散々の状況下にいたのです……
このイベントを、他の店でなく KABAに決めたのは、蓮沼駅が上下に移動することないホームがあり、そのまま平地で歩いてこれるので、多くの荷物を持ち、なんとなく体幹が不安定そうな黒木さんのご負担を減らせるのかな?という狙いが少しありまして、、、、、、蒲田から歩かせてしまったら関係ないじゃないですか!!!!!

すまん!!!!

この日のタイムテーブルというか構成は以下のように予定されていました。

12:00〜リハ
13:00〜お店オープン、ランチタイム
13:50〜クツシタサン前説
14:00〜イベントスタート クツシタサンソロ
14:30〜黒木さん①
15:25〜へクトパスカル(クツシタサン+チカチャン)
16:05〜黒木さん②(チカチャンコラボあり)

主催のクツシタサン曰く「黒木さん、②は、好きなだけ何時間でもやっていいです」というレギュレーション。

この構成は、ちょっと無理があります。

クツシタサンソロはどうせOL10年生が最後。
へクトパスカルはどうせ「哺乳類」が最後。
どちらも爆笑が取れて否が応でも会場が盛り上がってしまうのです。

完全にクツシタサンの空気ですが、その直後に出演するって、どうでしょう、結構やりづらくないですか?
私は嫌です、そんな空気の中でライブするの。

でも一応ミーティングして決まった、というのと
私が「それでも黒木さんなら大丈夫だよな」と思ってました。

なぜなら!

黒木ちひろさんというのは、そこに立っているだけで「空気が作れる」人だからです。 

これって結構すごいことなんですね。いや、かなり。

なのでクツシタサンが、ペンペン草すら生えてないように会場の空気を最高潮にしてしまった直後でも、黒木さんなら大丈夫。
ましてやこの日の主役は黒木さん。

主役ならイケるっしょ!

ところで、言わずもがなクツシタサンの代表作かつキラーチューンに位置付けされるのは「OL10年生」であることには異論はないと思えます。

この曲のポテンシャルは結構なものです、どこでやっても満遍なく盛り上がる。大会場でも野外でも大合唱が起きる。著名人に公の電波で誉められる、おまけに作ってから13年後に全国放送でバズってしまう。
最初のインパクトはともかく、2回目3回目のライブ視聴でも盛り上がりポイントでついつい歌ってしまう。
というか最初に見た時の翌朝ですら歌詞とメロディーが頭の中にこびりついてしまう。

30代前半でこの曲が出来たことは自分にとってラッキーなことですが、

実は、この五分超の曲、10分くらいで歌詞とメロディーラインと、構成まで作ってしまいました。
一曲作り上げるのに10分かかっていません。

その後仮アレンジ組んでデモ作るのも爆速で終了。
打ち込み作業も恐ろしく速く、トータル1時間かかってなかった記憶が。

まあ、他もそんな感じで、、、私は曲を作ろうとした時に完成までのスピード感は早いと思ってます。

これって「ひらめいた物を掴んで一気にアウトプットする」作業、えーと「ゼロを1にする作業」の猛ダッシュが効く体質なのです。

ただし「ひらめいた物自体を掴めない」と、何も作れないのですよね、、、、、
歌詞にメロディーが既についた状態で湧き上がってくるので、そこを捉えないと進まないんです。
でも、捉えきれずに忘れてしまう曲、というのはそれは多分、たいしたもんじゃありません。却下!
それくらい起きている時間に、常に「新しい何か」が降ってくる瞬間が訪れるので、なかなか油断なりませぬ。

こういうアプローチの人は他にもいるみたいで、サビだけいきなり降ってきてすぐ完成させるとか、イントロだけ作ってみたら知らないうちに最後まで出来てたとか、タイトル考えた瞬間に曲全部できたとか、そんな話は聞きます。
こういう「猛ダッシュ作詞作曲」ができてしまう私になるにはバックグラウンドがあります。

はるか昔、劇団主宰の頃とか高校生演劇部の頃とか、長尺の芝居の台本をガンガン書いてました。
(何本も書き上げて実際公演で使うのはその中でごく一部。)そこですね、思えば。

日常生活の中で、帰り道、電車内、朝の空気、ちょっとした授業中、などに急にジワーっと浮かび上がってくる物語。
登場人物とそれぞれの動きとストーリーが頭の中で勝手に動き始めてしまう。
そんな日は帰宅したら台本を書き始めてました。
ここから何時間か籠って(多くて半日)バチバチと台本書いて、いつの間にか完成。

構成を考えて進めるわけではなく、登場人物が勝手に動いてくれて進んでいく。
こだわり、では、ないですけど、私の作品は、なるべく全編暗転なしで終わらせてしまうものも、たしか何本もあった。
これサクサク書くの難しいはずなんですけどねえ。

うーん、これって「ゾーンに入った」状態だったのかなあ。
演劇の世界では短い時間しかいなかったんですけどほんとに書き下ろした作品は多かったです。

そのあと100本超の短歌の作品作って文学賞をいただけたりするのですが
あれもまた、作る時爆速だったな、、、、、

で、そういった作り方をした出世作「OL10年生」は、もちろんこの日のイベントでも、やりました。
あれは多くの若い人たちに「今年で33歳!」という謎のストーリーを作り出してますよね今でも。

へクトパスカルでのリハも適当に終えて、いろいろ、ポスターのコピーとか、そのへんうろついて戻ったら
黒木さんも無事 KABAに到着しておりました。

ん、黒木さんシンドイ感じ?

この時点で決意しました。

「私は、今日、泣きません。」

長くなったので、一旦ここまで!

次回予告

①クツシタサン 暴走
②黒木ちひろ、泣く
③曖昧なセットリスト
④黒木ちひろand黒木ちひろのジェネリック

このへんまでかな?
おそらく書ききれずに4部編成になります。ついてきてくださいませ。

つづく!

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