本の選び方12選
この記事は、以前やっていたブログで2018年4月に公開した記事を再編集して再投稿したものです。
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普段本を読まれる方は、どのような本の選び方をしていますか。
読みたい本がどんどん出てきて困っている…という方もいれば、そもそもどんな本を読んだらいいかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
今回は、自分の経験をもとに様々な本の選び方を提案したいと思います。
1.作家で選ぶ
私は以前は、気に入った作家さんの本ばかりとことん読む派でした。
高校生の時に乙一さんと伊坂幸太郎さん、大学生~社会人1年目の時に村上春樹さんと小川洋子さんの作品に夢中になっていたのですが、その方々の作品をずっとひたすら読んでいた記憶があります。
一冊気に入った作品があったのであれば、きっと他の作品も面白いと思える可能性は高いはずです。(ただ、たまに例外は出てくるでしょう)
どんな作家さんの本を読めば良いかさえわからないという方には、いろいろな作家さんの話が入った短編集(アンソロジー)をおすすめしたいです。
特におすすめなのは『Story Seller』シリーズ。伊坂幸太郎さん、道尾秀介さん、米澤穂信さんなど有名どころの作家さんの読みやすい短篇を集めた短篇集で、気にいる作品が見つかる率は高めだと思います!
あとは、ひとつ屋根の下アンソロジー『この部屋で君と』もライトな感じで読みやすかったですし全部しっかりと面白かったです。
朝井リョウさん、坂木司さん、似鳥鶏さんなどの作品が収録されています。
また、「リクエスト・アンソロジー」シリーズは全部読んでいるわけではありませんが、編者がお題を選んで、そのお題の作品を、自分が読みたいと思う作家にお願いして書いてもらうという面白いコンセプトのアンソロジーです。好きなテーマのものがあれば読めば良いかも。
2.作家のおすすめ本を読む
先ほどの「作家で選ぶ」の延長線上にある選び方です。
著名な作家さんになってくると、エッセイ本なども書かれており、好きな本などについて触れられていることも。そこから別の本へつながったりすることもあります。
私は実際、自分の好きな作家である小川洋子さんのエッセイ『カラーひよことコーヒー豆』で紹介されていた、宮本輝さんの『錦繍』を読み、大好きな本となりました。
また、作家さんが好きな作品ばかりを集めたアンソロジーなどもあるので、そういう作品を読んでみると、次に読みたい作家さんが見つかるかもしれないですね。
3.表紙で選ぶ
好みの表紙の本を、直感で選んでみるのも良いと思います。
ただ、私も割と表紙で選んだりもしますが、失敗することが多いです…。
それでも良い本を見つけられたこともあるので、本を読むきっかけとしてはこういうのも良いのではないでしょうか。
ちなみに、私が初めてジャケ買いしたのは、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』のハードカバー版でしたが、これは完全に当たりでした。
中村佑介さんのイラストが本当に良い味を出している…。大好きです。
また、ジャケットで本を探せるサイトもいくつかあり、おすすめは「bookface」と「BIRD GRAPHICS BOOK STORE」です。特に「BIRD~」は、イラストレーターの方の情報も掲載されており、気になる方がいれば、その人の名前で検索することで他の本を見つけることもできるので、私もたまにリサーチしています。
4.書店で選ぶ
信頼できる書店をいくつか見つけておくのもおすすめです。
できれば、大型書店ではない個人経営の書店。
大型書店は膨大な数の本があるため、本を選びたいときに行ってもどれを買うか悩んでしまうことが多いと思います。
選ぶのが難しいですが、私が好きな書店を紹介します。
大阪・天王寺 『スタンダードブックストア』
京都・一乗寺 『恵文社一乗寺店』
京都・神宮丸太町 『誠光社』
奈良・大和郡山 『とほん』
東京・神楽坂 『かもめブックス』
東京・渋谷 『SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS』
これらの書店では、各書店のコンセプトにあった本を並べており、心地良い空間となっています。
信頼できる書店なので、置いてある本はどれも面白いはず!と安心して本を選ぶことができます。
これらの書店では、テーマを決めてフェアを行っていることも多いので、知らない本と出合うきっかけにもなります。
また、これらの書店に共通しているのは、ネットでたくさん情報発信をされていること。
お店に行かなくても、お店のおすすめ本や入荷本を知ることができるので、とても参考になります。
本が売れなくてつぶれてしまったら悲しいので、できるだけ本は好きな書店で買いたいと思っています。
5.本をたくさん読んでいる人の好きな本を読む
私が尊敬してやまないのは、幅允孝さんというブックディレクターの方。
本棚の編集をされているだけあり、本に関しての知識が豊富です。
以前、トークイベント&サイン会にも参加したことがありますが、この時、私も本に関わる仕事がしたいなーと漠然と思いました。
そんな、たくさんの本を読まれている、本に詳しい人がおすすめする本は面白い本ばかりなんです。
6.好きな有名人などの好きな本を読む
私は藍坊主というバンドの音楽が大好きなのですが、ボーカルのhozzyとベースの藤森さんが「ホンシェルジュ」というサイトで、本のセレクトをしているんです。
藍坊主は歌詞も魅力のひとつだと思っているので、自分の好きな詞を書く人がどのような本を読まれてきたのかはとても気になってしまいます。
また、好きなバンドの曲のタイトルと同じ本を読むことも。
例えば、藍坊主には『水に似た感情』という曲があるのですが、中島らもさんの著書にも全く同じタイトルの本があることを知り、初めてらもさんの本を読みました。
そこから結構ハマり、他の本も読んでいます。
好きな有名人の好きな本なんてわからない!と思われるかもしれませんが、著名な方であれば、『an・an』『CREA』『BRUTUS』などの雑誌の本特集で、好きな本を紹介されていたりします。
最近はインスタグラムなどでも、自分の好きな本について投稿しているのをたまに目にします。
7.受賞した作品から選ぶ
本に関する賞で、特に有名なのは直木三十五賞、芥川龍之介賞、すばる文学賞、文藝賞、本屋大賞などでしょうか。
文学賞の選考を担当しているのは作家の方ですし、本屋大賞の投票をしているのは書店員の方です。本に関する仕事をしている人、本が好きな人が選んでいるからこそ、信頼度は高いですよね。
8.ネットの情報で選ぶ
最近はネットで本を探す人も増えているのではないでしょうか。
先ほども紹介した「ホンシェルジュ」や、「honto ブックツリー」「ブクログ」などのサイトでもたくさんの情報を得ることができます。
今はどうかわからないのですが、2ちゃんねるまとめで本を探したこともあります。私は「屁理屈抜きで面白い小説教えれ」というスレッドがきっかけで、中島らもさんの『ガダラの豚』を読んだりもしました。
定番物が多いですが、ここで紹介されている本は実際おもしろい本が多いです。
9.SNSの投稿を参考に選ぶ
私が最近活用しているのはInstagramやTwitterの投稿。
好きな本屋さんや作家さん、趣味が合いそうだなと思った人をフォローし、投稿をチェックするようにしているので、自然と情報が入ってきます。
10.ブックガイド、書評集などの本を参考に選ぶ
ブックガイドは様々なものが販売されていますが、個人的なおすすめは、雷鳥社の『NO BOOK NO LIFE』や、ミシマ社の『THE BOOKS』 、あとは作家・川上弘美さんの『大好きな本―川上弘美書評集 』など。
ブックガイドも本が好きな人たちが選んでいるので参考になります。
11.おすすめしてもらう
家族、友人、知り合いなどにおすすめしてもらうのも一つの手。
私もたまに母からおすすめの本を教えてもらっていました。
本を良く読む人が身近にいるなら、気軽に聞いてみるのが良いかも。
あとは書店によっては、お店の人がおすすめを教えてくれることがありますよ。
12.目をつぶって選ぶ
書店の棚の前で目をつぶって、本を取ってみましょう。
それが面白そうだったら買えば良いですし、面白くなさそうだったら買わなくても良いと思います。(適当)
実際、作家の川上未映子さんはその方法で本を選んだりしていたそうです。
普段読まないジャンルの本も読むことができるので、違うジャンルの本に挑戦したいという方は試してみてはいかがでしょうか。
気になった本が自分に合うかを確認する方法
気になる本が見つかっても、自分に合う本なのかはわからないですよね。
当たり前のことかもしれませんが、私がやっていることは以下の3点。
・本のあらすじを読む
(ここで大体の本のジャンル、概要がわかる)
・本の最初の数行を読む
(内容だけでなく、文字の大きさ、文体なども確認)
・解説やあとがきを読む
(たまにネタバレしている時があるので注意が必要)
オチの面白さなどは見極めることができませんが、必要最低限の「自分に読めるかどうか」「楽しく読めるかどうか」は判断できると思います。
自分に合った方法で本選びをするのが良いと思うので、もし今回気に入った選び方があれば参考にしてみてくださいね。
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