信頼に始まり、信用に終わる

初診の時、写真の範囲の痛みと、ひどい生理痛を訴えていた女性。
2回目に見えたときには、痛みは指だけになっていました。
生理痛も動けなくなるほどの痛みはなく、薬を使わなくても済んだそうで、とても喜ばれていました。

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こちらでお手伝いしたことは、しっかり呼吸できる身体にしたことですが素晴らしい回復です。

私は言いました。
「これほど早く改善するのは回復力がしっかりしているからです。自分の身体に自信を持っていいですよ」

「自信は持てませんけど、先生を信じます」
長い間症状に悩まされていたので、急に自信を持てと言われても難しいでしょう。

そこで私は言いました。
「では私があなたの回復力を信じていますからね」

クライアントの信じているセラピストが、クライアントの回復力を信じる。
その関係からスタートし、やがてクライアントが自身の回復力を信じるところまで持っていく。
セラピストが取り組むべきことのひとつでしょう。

そのためには初期の段階でクライアントに対し
「あなたの回復力を私は信じている」
というメッセージを伝えておくことは、とても大切なことだと思っています。
もちろん、時と場合は判断しなければなりませんが。

不安を抱えたクライアントが、セラピストを「信」じて「頼」ろうとするのは人情というもの。
けれどもいずれは、自分とセラピストを「信」じて、主体的にセラピストを「用」いられるようになるのが理想だと思います。
これが「信頼」に始まり「信用」に終わること。
私が臨床で大切にしていることです。


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