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成人式が怖かった

 成人式。
 晴れ着を着て、大勢の人に祝福されて。大人への仲間入りとなる節目の、多くの人にとって大切な思い出になる日でしょう。

 しかし、成人式がとても怖いものになってしまう人もいるんです。私もその一人でした。
 くつばこ+の大半のメンバーよりも一足先に成人を迎えたみうが、当時のことを振り返ってみたいと思います。

☆みうと視覚障害

 みうには視覚障害があります。
 中学の頃は今より軽度だったため、周囲に開示していませんでした。特別扱いが嫌いだったみうは、配慮を依頼せずに生活することに注力していました。実際、隠しながら生活することができていたんです。
 一方、高校の頃に急激に視力が悪化したので、今では、外を出歩くときに白杖なしというのは考えられません。そして、目を守るために特殊なサングラスを常用しています。そのため、今は視覚障害を隠すという選択肢がなくなってしまいました。
 そして、みうは中学3年の年末に九州から東京に転校しています。時々LINEをする仲のお友達はいても、中学卒業以降対面で会えた子はいませんでした。実際に会っていない状況では、白杖もサングラスも見えません。結局、成人式当日を迎えるまでに、私の視覚障害を知っている子は一人だけと言う状況でした。

☆開示が難しいわけ

 そもそも、今みうが白杖を使えるのに、中学の友達には開示できない理由は、見えていた頃の私を知っているからです。今よりももっと見えていた頃の自分を知ってる人に、改めて開示するのは、最初から私を視覚障害者だと思って仲良くなった人とは違った怖さがあります。
 つまり、成人式で久しぶりに会う中学のお友達に、今まで見せていなかった自分を見せなければならないことが怖かったのです。
 これは、進行性や後天性の障害を持っている人で、特に自身の障害をネガティブに捉えている人ならあるあるかもしれませんね。

☆非日常

 今までとは打って変わった自分を見せるのが怖いこと以外にも、成人式が怖いと思った理由があります。それは、予習ができない非日常空間だと言うことです。
 以前、私は初めていく場所は下見をすると言うお話をしました。

 それは、歩行だけに限りません。視力が落ちてからは、基本的にぶっつけ本番は避けて危険が潜んでいそうなところを、事前にチェックすることが多いです。
 特に、久しぶりに会う同級生に

昔できてたことでも、目が悪くなったからできないことが増えた

とは絶対思われたくなかった私は、失敗しないことが何より大切だと思っていました。そのため、予行演習がなく、ひさしぶりに行く会場で行われる、という成人式はとても怖かった印象があります。

☆みうの選択と結果

 成人式では、振袖を着ることは事前に予想されうるリスクの一つです。着慣れない服だと転ぶ確率が上がるし、自分の幅がわからないのでぶつかったり、服を汚したりするかもしれない。振袖を着て成人式の1日を過ごすことはほぼ不可能だろうと思った私は、最初から振袖を着ない選択肢を取りました。いつも以上に見栄を張ることに躍起になり、あらゆるリスクを事前に回避しようとしていたんです。

 結果としては、なんと成人式自体が中止。ひさしぶりに会いたかったお友達が沢山いましたし、純粋に楽しみではありました。ですが、少しホッとしてしまった自分もいて、後ろめたさを感じたのも事実です。

☆最後に

 今日は、成人式が怖かったという少しネガティブ気味の内容を書いてきました。
 1年経った今、noteに書いてもいいと思えるくらいには消化できつつあります。(それでもあまり積極的に思い出したい内容ではないので、書くのを渋っていたら、4日くらい遅れました…ごめんなさい!)
 結局、今回は外的要因で逃げてしまった開示を、どこかでやらなければという思いはあります。コロナで全然会えてないけど、大学生になりお互い行動の幅が広がっているので、ぜひ会いたいです。なので、それまでにどう開示したらいいのか、考えておこうと思います。

 りこ・うたをはじめ、くつばこ+には今年で成人を迎えるメンバーが沢山います。新成人のみんな、おめでとう!楽しめたことを祈ります。

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