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障害の「ガイ」の字と障害モデル

今日は時々議論になる障害の表記方法について、障害のモデルと絡めて書いてみます。
こんにちは!くつばこ+のせんです。今日のnoteが記念すべき30本目!のはずなのに、なぜかマガジンでは31本書いたことになっています。なぜだ・・・。みうに追いつこうとがんばっているせんに、少し早いクリスマスプレゼントでしょうか?(追いつくまであと5本!!)

☆障害の表記

障害の表記って、いろいろありますよね。障害・障碍・障礙・障がい・しょうがい・・・。ちょっと漢字が難しい障碍と障礙は、仏教用語で「妨げとなるもの」という意味で、もともとは「しょうげ」と読むそうです。昔は「障碍」表記が多かったけど、常用漢字ではないので「障害」にした。そして害の字のイメージが良くないことから、ひらがな表記にしようという風潮がなんとなくある今現在。でも法律や文書の中では「障害」表記・・・。
みんなどんな思いでどの表記を使っているのでしょうか。支援者の意図は?当事者の思いは?家族・友だちとしては?

☆せんは何を使うか

一応聴覚障害者(障害者手帳がないため法律上は障害者とみなされません)のせんは、オーソドックスに「障害」を使います。難聴になる前は、「害の字はあまり良くないからひらがながいい」とふわっとどこかで聞いてから、しばらくひらがなを使っていました。ですが高校生になって「論点はそこ(ガイの表記方法)じゃないだろ」と思い始め、難聴当事者になって一気に「障がい」に違和感を覚えたので、それ以降「障害」表記です。

☆表記と障害モデルってなんとなく一致する?

ここで障害モデルの話をはさみます。障害モデルとは、障害をどう捉えるかの分類方法で、医学モデル・社会モデル・文化言語モデル(聴覚障害特有)があります。表記割れの根底にある意図は何なんだろうなーと考えていた時に、ふと障害モデルの分け方と表記が関連しているのでは?と思ったので、聴覚障害者で考えてみます。

医学モデル×聴覚障がい
医学モデルは困りごとの要因はその人個人にあり、音声情報が伝わらないのはその人の聴覚機能が損傷しているからという考え方。これをひらがな表記にする理由は、害の字を当てるのは何となく嫌・かわいそうとか、好んで聞こえないわけじゃないから、その人のすべてをマイナスに見ることはしないよ(だから害の字は使わない)という意思表示とかがありそうです。
社会モデル×聴覚障害
社会モデルは困りごとの要因は社会の構造にあって、音声情報が伝わらないのは音声以外で伝える方法が整備されていないからという考え方。つまり環境が整っていないから壁が生じる、これは明らかに双方にとって妨げになっているから「害」の漢字を使う。
文化言語モデル×ろう
文化言語モデルは少し特殊で、聴力云々ではなく日本手話とろう文化を用いる人たちという考え方。まさにアイデンティティとして誇りをもっている「ろう者」ですよね。※全く聞こえない状態を医学モデルで「ろう(聾)」と表しますが、この「ろう」とは異なります。英語ではDeaf(文化言語モデル)と deaf(医学・社会モデル)と表記が分かれています。

実際にモデルの考え方に基づいて表記を決めている人は少ないのかもしれませんが、ひとつの指標にするのはありかなと思います。
(表記とモデルを結びつけた時、「おお!これはなかなかの気づきだ!」と思ったのですが、英語表記のことを考えたら「あれ、あまりにもわかりきったことを意気揚々と書いたか??」となってしまいました。でもちゃんと3つ説明が出来たので、良しとしましょう・・・。)


※今回音声読み上げで読んでいる人にとっては、わけのわからないnoteになってしまいました。みうちゃんごめんよ!

「しょうがい」表記について、せんがくつばこに入る前にぱぱが書いていました。よかったらそちらもご覧ください!



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