視覚障害者を守るための規制?
今日は、あん摩・鍼・灸といった指圧師さんの話をしたいと思います。実は、変わった法律があん摩・鍼・灸の世界にはあるのです。
こんにちは、くつばこ+のうたです。一昨日のnoteにもなってる気がしますが、『Coda あいのうた』を見てきました。映画館に行って映画を見ると、1倍速で見るので、いつもとちょっと見方が変わりますね。というか、いらないことを考え始めちゃうのかもしれません笑。
☆指圧師育成のための専門学校は増やせない
指圧師になりたいと思ったとき、看護師さんになりたい人が看護学校に行くのと同じように、指圧師になるための専門学校に行くという道があります。ここまでは、当たり前だよね、って感じだと思うんですけど、指圧師になるための、専門学校は増やせないという風に法律で決まっているのです。え、なぜ?ってなると思うんですけど、これには視覚障害者が深くかかわっているのです。
☆視覚障害者は仕事の選択肢が少ない
人間は情報の8割を目から得ているといわれています。8割の情報を得られない(得にくい)視覚障害者は、どんな仕事でもできるかと言われるとそんなことはありません。例えば、運転手さん、キャビンアテンダントさん、看護師さんなど沢山の職業に、矯正視力で1.0以上あること、などが求められていたりします。道路で人が来るのを見えてない運転手がいたらめっちゃ怖いですし、見えない状態で腕の動脈に注射をしようとするとか、絶対に辞めてくれって感じですよね。もちろん、資格として制限されてなくても、難しいとされる職種は山ほどあるでしょう。
☆昔から視覚障害の人が多かった
そんな視覚障害者も働かないと食べていけないので、昔から職業を得る必要がありました。今なら生活保護とかありますけど、江戸時代とか明治時代にはそんな仕組みないですからね。そして、江戸時代の全盲の人で、杉山和一さんという人がいました。この人はとても優秀な人で、自分自身があん摩・鍼・灸について勉強して職業にするだけでなく、視覚障害の人があん摩・鍼・灸について勉強する学校のようなものを作りました。それによって、江戸時代以降、あん摩・鍼・灸が視覚障害者の職業というイメージが付きました。そして、全国の多数の視覚特別支援学校では、高校卒業後所属できる、専攻科っていうところで、資格が取れるようになっています。
☆ここ最近は少なくなってるみたい
1970年くらいまでは、あん摩・鍼・灸を職業にする人の半分以上が視覚障害者でした。しかし、今では2割を切るようになっています。古い統計しか見つからなかったのですが、2006年の頃に就業してる視覚障害者の3分の1は、あん摩・鍼・灸を職業にしていたみたいです。今では、割合は減っているとは思いますが、もちろん、一定数いるのでしょう。つまり、あん摩・鍼・灸の健常者向けの学校は、今の数でも多すぎる。つまり、視覚障害者にとって十分な就業環境がある世の中になっていないのが現状である、と視覚障害者の当事者団体は言っています。(もちろん、増やすなんてもってのほか)
☆他の職業に就いて、もっと稼ぐという選択肢を
でも、個人的には視覚障害者にも、もっと他の職業に就いてほしいんですよね。iPadなど、電子機器によって、情報を視覚障害者でも扱うのが簡単になっている時代だからこそ、できるようになった職種がいっぱいあると思うんです。プログラマーなどのように、いわゆるホワイトカラーと言われる職種は、視覚障害者でも働きやすくなった代表例。だからこそ、あん摩・鍼・灸にこだわらず、いろんな世界で活躍してほしいなって。だって、生まれたときに職業が決まってるのとか、嫌じゃないですか。
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