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全ての人が「ファッションを楽しめる社会」を実現します。Throughsleeve

<片手でらく~に着れるシャツThroughsleeve(スルースリーブ)をつくり始めた想い>
病気や障害で洋服の着替えに不自由を感じる人を幸せにしたい。
2年半前に亡くなった妻が闘病中に着替えに不自由を感じたこと。好きな洋服を着て前向きに生き抜いたことが、私の原体験にあります。
この思いから、スルースリーブの事業は始まりました。

<着にくさを感じる人>
全国の身体障がい者の方は、436万人。その方々が何かしらの着にくさを感じていると思います。
様々な病気や障害で、洋服の着づらさを感じると、着替えが億劫になり、ファッションを楽しむことを諦めてしまう人もいる。

132万人 これは、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、筋ジストロフィ、脳性まひ、脊髄性筋萎縮症など様々な病気や障害で麻痺を起こしていたり、身体が思うように動かない可能性のある人の人数を合計しました。(人数は、インターネット検索で概算を調べたもので、病状や障害などで、異なる場合があります。)

岡本光司さん 脊髄性筋萎縮症

<着にくさを感じる人の課題>

祝部英明さん 脳梗塞 出雲 縁ingトークの会

脳卒中の方が112万人で一番多く、その患者数の16%の18万人は、20~64歳の現役世代であることから、その方々に洋服について聞いてみました。

着やすくても介護用の服を着たいとは思わないし、大き目のジャージやカットソーを着たくて着ているのではない、大き目の服でないと着ることが難しいから着ているのであって、みんなと同じ服が着たいんだ。特別なものではなく、リハビリを行なっているのは今までと同じような洋服を含めた、暮らしを取り戻したいと考えて頑張っていることを知りました。

その中でも、着にくいものであるため、着ることを諦めていたシャツを着てみたいと言う話があり、その課題を挙げてみました。

1.麻痺や動きにくい腕で袖を通すことが難しいこと

2.洋服の着替えで家族や他人に迷惑を掛けたくないこと


<着目点と課題解決へのポイント>

そこで、我々が着目したことは、介助する人が着せやすい服ではなく、自分で着る事が出来る服であるという事です。

その考え方で、袖を通すことに特化したシャツThroughsleeve(スルースリーブ)をつくりました。(スルースリーブとは、袖を通すという意味で名付けました。)
当事者の方々の気持ちで言うと介護の服は着たくない、みんなと同じ服が着たいんだ。着にくいので今まで着ることをあきらめていた シャツが着たい。
しかし麻痺を起こしたり動きにくい腕で袖を通すことが難しいことがあります。
そして、着替えで他人に迷惑を掛けたくないと思う人も多く、我々は、介助の人が着せやすい服ではなく、自分で着る事が出来る服に着目しました。
それが、袖を通すことに特化したシャツ、スルースリーブです。
そこで3つのポイントを工夫することで着易くしました。

スルースリーブの着やすさのポイント

Point01【特許出願中】
脇下にストレッチ素材で、ひし形形状のマチをデザインし、肘が脇を通る時に伸びて、通し終わると自然に元に戻ります。これにより、肘が曲がったままでも袖を通す事が出来るようになりました。そして、反対側の袖を通す時も、脇部分に引っ掛かりがなくなるので、通しやすくなりました。
Point02
袖口のカフスは、ゴム仕様にすることで、手を入れるだけで着用する事が出来ます。片手でカフスのボタンを留める必要がばくなりました。また、少し腕まくりをした時にも、そこで止まりずれにくくなります。
Point03
前立ては、マグネットボタンを使用することにより、1つ合わせるだけで一瞬で留める事が出来ます。これにより、指先に力が入らなかったり思うようにつまむ事が出来なかった人も、簡単に留める事が出来るようになりました。

<イベント参加と試着会>

イベントでの試着会
スルースリーブ説明会 出雲 縁ingトークの会にて

<スルースリーブシャツを着た時の気持ち>

岡本光司さん

岡本光司氏

このシャツは、自分で着る場合は、少し大きめのサイズが良い。着せてもらうときは、ちょうどのサイズが適していると思います。

普段は、大き目のジャージを着用していることが多いのですが、きちんとした場所に出かけるときは、このシャツを着るとピリッとした印象を与える事ができ、見た目もよくなります。街中に出かけると、人に見てもらいたいと思う気持ちになります。今後、機会があれば、このスルースリーブシャツを着て旅行に出かけたいと考えています。

出雲 縁ingトークの会にて

実際に購入された方も、笑顔になっていただけました。

地元で開催されているコミュニティ出雲 縁ingトークの会に参加させていただいたときに、着用されていて、とても嬉しそうに一緒に写真を撮らせていただきました。また、ご家族の方もこの笑顔が、うれしいと思います。

<インクルーシブなウエア>

りびえーる(山陰中央新報社)

色々なところでスルースリーブを紹介していると、障害のない方からも、着てみたいという話を聞くようになりました。

実際に着て見られた方からは、

「簡単に着る事が出来てびっくり」

「腕まくりしてもずれないので良い」

「デザインも素敵」

「産後、授乳の時に有ったら便利かも」

「服を着にくくなった母親にプレゼントしたい」など、様々な感想をいただき、好評でした。

<ユニバーサルデザイン銀賞受賞>

IAUD国際デザイン賞2023 銀賞受賞

障害の有無に関わらず、誰でも選んで楽しめることの出来るシャツとなり、ユニヴァーサルデザインIAUD国際デザイン賞2023銀賞を受賞しました。

IAUDは、持続的な共生社会の実現に向けたUD活動を国際的に表彰する「IAUD国際デザイン賞2023」が開催されました。
アメリカ、イスラエル、カナダ、韓国、タイなど8か国44のエントリーの中から銀賞に選ばれました。

<株式会社KUTOについて>

株式会社KUTO 社員

経営理念 自ら生み出した縫製技術で人とまちを楽しくします。

経営理念を基に事業展開を行なう島根県にある縫製工場です。セレクトショップ向けOEM縫製事業やプリント事業などを行ない、脱下請けを進めており、自社で提案する自立した事業展開を行なっています。

2001年から2代目経営者として、経営を行なっています。

理念に基づく経営を行なうことで社員も一丸となり、スルースリーブを作成しています。

<今後の展開>

今後、ズボンやジャケットなど色々な洋服を作成してゆき、おしゃれの選択肢を増やしてゆこうと考えています。

これにより、全ての人が「ファッションを楽しめる社会」を実現します。

株式会社KUTO

島根県松江市宍道町昭和103

TEL 0852-66-3115

FAX 0852-66-3152

e-mail info@kuto.jp






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