僕は横浜家系ラーメンが食べたいか

横浜家系ラーメンが食べたい。しかし油がキツい。いつも油少なめで注文しているが、それでもキツい。食べた後は決まって後悔する。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるとも言うように、いつしかまた横浜家系ラーメンが食べたくなっている自分がいる。そもそも僕はなぜあの凶悪なまでの油がアイデンティティともいうべき横浜家系ラーメンを油少なめで注文しているのだろう。油少なめがいいならなぜ横浜家系ラーメンなど食べたくなるのだろう。そんなことなら魚介系の出汁が効いたあっさりスープの塩ラーメンでも食べたくなればいいのに。そこまで考えてふと思い至る。僕は魚介系の出汁が効いたあっさりスープの塩ラーメンも食べたい。別に横浜家系ラーメンじゃなくてもいい。では何故僕は横浜家系ラーメンを食わんとするのか。しばし考えてたが、どうやらその原因は味玉にある。近所の横浜家系ラーメンのお店で提供されている味玉の黄身はトロトロの半熟なのだ。これは古典的条件付けだ。パブロフの犬はブザーの音を聞かされてから餌を与えられるのを繰り返すことでやがてブザーの音を聞いただけで唾液の分泌量が増加するようになる。それと同様に僕は横浜家系ラーメンとその上に乗った味玉を繰り返し共に食すうちに、いつしか横浜家系ラーメンを見るだけで涎が出るように条件付けられてしまっていたのだ。横浜家系ラーメンは僕にとってブザーにしか過ぎないものだった。しかしそうなるとラーメン付きとはいえ味玉一個に750円はちと高い。そして体にも悪い。これからは家で半熟味玉作りを極めるとしよう。

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