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休職からの東北自転車旅行記(後編)


前回までのあらすじ

休職期間で休みを取っている中、新潟から秋田、青森を経て五所川原までの自転車旅行がスタート。梅雨時の大雨に打たれながらも、目的地の「斜陽館」を目指しつつ、自分を見つめ直す旅に出る。2日目には秋田から青森までの200キロを走破し、無事五所川原のホテルに到着する。

2024.07.10(水)
3日目、五所川原市「斜陽館」→弘前へ

•朝食バイキング!その後旧金木町へ

6時前に目が覚め、朝食時間まで少しベッドの上でゴロゴロしつつ「斜陽館」までのルートを調べる。
ここ「ホテルサンルート五所川原」から「斜陽館」までは約10キロ、国道339号線に出たら一直線で到着するみたい、自転車だと大体2、30分といったところだろうか。
天気予報も確認。
午前中は曇りでなんとか降らなそうだけれど、夕方は雨模様になりそう。
この旅の目的地は斜陽館に行くことだったのでそのあとのルート、帰り方を考えていなかったが通院等もあり明日中には新潟に戻る必要がある。
天候が良ければ夜間も走って秋田に戻り復路のフェリーに乗るか、特急いなほで帰るかということも考えたが雨の中での夜間走行はリスクが大きいのでとりあえず弘前まで行き、そこで宿など考えることにして朝食会場へ。

朝食会場は昨日夕飯を頂いた会場と同じく最上階のレストラン。
弘前市内、津軽平野を一望できる会場で朝食バイキングを頂く。

バイキング内容はサラダ、卵、揚げ物やごはん、お味噌汁にパンといった一般的なホテルバイキングのメニューだが、地元食材にこだわっているからかごはんもおかずもどれもおいしく朝からモリモリ食べて元気になれた。
写真は撮ってなかったが青森産リンゴジュースもおいしく頂けたし、食後のコーヒーも紙コップで頂いて部屋に持っていくこともでき、これで1,000円はとてもお得に感じた。
チェックイン時、チェックアウト時の対応もよく、また青森に来ることがあればまたここに泊まりたいと思う。

広く、明るい朝食会場
朝から色々いただく

食後身支度を整えてチェックアウトし一路旧金木町、斜陽館へ向かう。

・とうちゃこ!斜陽館へ

ホテルをチェックアウトし、自転車にまたがること約30分、右手側に立派な西洋風の大屋敷が見えてきた。
無事念願の太宰治記念館「斜陽館」へ到着。
道中はほぼ一本道なのと、途中から案内板が出てきたので特に道に迷うことなく到着。

無事とうちゃこ!
想像以上に立派な建物

斜陽館は外観からも立派で広く、豪奢な館だということがわかり、入る前から少し圧倒される。
到着したときはまだ朝早く開いたばかりだからか、入場者は自分以外ほとんどいない模様。
入場料の600円を受付の方へ払い入場。
入ってすぐの土間、左手に見える大広間の広さに圧倒される。

入ってすぐの土間

土間を少し進むと右手側に休憩室があり、そこでは紹介用ビデオと太宰治が愛用していた風のコート(羽織って撮影していいみたい)に関連書籍、小説内の名文句集など、ちょっとした映えスポットとなっていた。

小説内の一文が並ぶ
太宰治関連書籍
コート、羽織ってみたけど写真は気恥ずかしくて撮らず

休憩室で流れていたビデオは2本、太宰治と津軽地方についての紹介ビデオと、ここ斜陽館の修復記録がエンドレスで再生されていた。

ビデオを見ているうちに少しずつ他のお客さんが入ってき始め、少し賑やかに。

ビデオを見終えた後、順路に従い3つある蔵のうちの2つがあるフロアへ。

蔵の中では太宰治110周年記念で制作されたムービーがこれまたエンドレスで再生されていたのと、蔵の前あたりに太宰作品の解説や米俵の見本などが展示されていた。

こちらのムービーも気にはなったが全て通しで見ると結構な時間になるため見ないで通過。
ホントは見といたほうが良かったのかもしれないが、それはまたいつかの楽しみにしておく。

サンドウィッチマン好き
北海道新幹線開業記念ポスターかな?
ショートムービー
蔵の一つは開放されていない
米俵見本

ここまで書いて気付いたのだが、館内の見取り図が無いと実際の導線がわかり辛いのかもしれないと思い、文の途中で恐縮だが館内の間取り図を以下に載せる。
間取り図自体は五所川原市のHPに掲載されており、最後にHPのリンクも掲載するのでそちらも見て頂ければこの拙い文章と写真でもなんとなく道どりを掴んで頂けるかと思う。

斜陽館間取り図、8畳以上の大部屋が19部屋もある大豪邸

ここまでは「土間」を通り、「休憩室」でビデオを見た後、「蔵(2)」「蔵(3)」を見たところである。

2つの蔵を見たあと、「板の間」、「元台所前」を通り、「蔵(1)展示室」へ移動。
展示室内は撮影禁止だったため写真は無いのだが中には太宰治が兄や川端康成へ宛てた書簡、太宰治が実際に着用、使用していたマントや机、出版当時の書籍や直筆原稿!、それに津島家で実際に使用していた調度品などがあり、太宰治ファンはもちろんのこと、近代日本史やレトロ文化などに興味・関心がある方も満足できる内容だと思った。
また小説「津軽」にも登場する「タケ(太宰治幼少期の子守)」さんの姿や家族、友人の写真もあり、太宰治がより一層身近な存在に感じることができた。

トイレ近くに掛けられた太宰治まっぷ
浴室跡、お風呂も立派だったのだろうか
台所、使用人含め大勢が住んでいたためさながら工場のようだったらしい
台所の大釜

展示室を見学した後、いよいよ仏間、茶の間、座敷などからなる6部屋の大広間へ移動。
土間から眺めた時も天井の高さ、畳の多さ、広さに驚いたが、実際に足を踏みいれてその壮大さを直接感じることができた。

「――父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである」

太宰治は作中で生家をこう書いていたが、この建物自体が明治期の建築物として大変貴重な文化財なんだと改めて肌で感じつつ見学をする。
※太宰治がこう書いていたのは生家、兄との確執など様々な要因もあっての評価だと思う。

囲炉裏がある家に憧れる
ここにもコートが
この部屋で太宰治が生まれたらしい
圧倒される広間
仏間、津島家の大仏壇が目を引く
解放感のある空間

・2階へ

1階を見て回っている最中、団体の観光客が来訪され少しごった返してきたため後半は少し駆け足で2階へ上がる。

2階は1階の和風建築から一転して洋風建築の趣。
洋間には津島家が住んでいた当時からの調度品も残っており、明治・大正レトロな室内で浪漫を感じつつ他の部屋も見学。

2階和室の一室は実質子供部屋だったところがあり、ここの襖に「斜陽」の文字がある。
幼少期から親しみがあるこの襖の一文から小説のタイトルを取ったのか否かは今となっては定かではないが、少なくとも思いのひとつにはあったことは確かだと思う。

2階は一転して洋風建築に
入口から見える廊下、ここからは向かいに青森銀行が見える
洋間、右奥のソファでよく太宰が寝そべっていたらしい
2階の和室、母の部屋(実質子供部屋)だったらしい
襖紙の一文に『斜陽』の文字がある
2階から庭を望む


・さらば斜陽館

館内を十分見学した後、受付近くにある記念ノートに記念カキコ(古)をして退館。
受付でお土産にと太宰治が描かれたキーホルダーと缶バッチを買う。

少し駆け足気味で回ったところもあったが、太宰治直筆の原稿や生家の隅々を回ることができて良かった。
太宰治を知ってから一度は訪れたいと思っていた場所に来れて、この旅の大きな目的の一つを達成できたのはいい経験になったと思う。

次は家族とも来たいが、それはいつかまた。

最後に一枚、またいつか


・せっかく来たので周辺も散策

斜陽館を出た後、通りを挟んだ先にある金木観光物産館「産直メロス」で何かいいお土産が無いか物色。
自転車旅行なのでお菓子や食べ物といった嵩張るお土産は宅配便に頼るしか無いのだが、宅配料金がかなりするというのも過去の旅行経験で思い知っているので、何かいいものが無いかなと探していたところ丁度いいものを発見。

「太宰治記念館 斜陽館」の文字と建物の絵がラベルされたりんごジュース。
6本セットで送料込み(ここが重要!)で4,500円。
送料だけでも2,000円近くしそうな重さのものが、6本で4,500円は安いと思い見かけて即購入。
青森産りんご果汁100%、添加物等の混ぜ物一切なしのりんごジュースはいいお土産になってよかった。
後日各実家に半分配り、残りを二人で飲んでみたがりんごの濃厚な甘さ、酸味を感じるとても美味しいジュースだった。
またおまけでりんごのコンポートが入っていたこと、購入時に店員さんにとても親切にしてもらえたこともいい思い出の一つである。

産直メロスには他にも青森の特産物等が多くあったので、青森へまた旅行することがあれば斜陽館と合わせて再訪したいと思う。

「産直メロス」を出た後、金木の町を少し散策。

津軽鉄道金木駅。

金木駅
日本初民間飛行士「白戸栄之助」さんも金木町出身

太宰治が幼い頃、タケさんによく連れられてきていたという雲祥寺。

寺内にある地獄絵図が有名な雲祥寺、今回中までは入らず(入れよ)

そして、幼少期の太宰治がよく遊んだとされる芦野公園を散策。

芦野公園案内図
太宰治像
太宰治文学碑
もともとはフランスの詩人ヴェルレーヌの言葉らしい

午前中太宰治ゆかりの地を廻った後、金木町にある「驢馬」という喫茶店でランチ。

店内は昔ながらの雰囲気の良い喫茶店という感じで、開店直後にも関わらずすでにお客さんが何人か。

豊富なメニューの中、選んだのはカツカレー、コーヒーセット。

注文してほどなくカツカレーとサラダ、コーヒーに調味料各種が届く。
店内は既にほぼ満杯で、人気店なのだとわかる。

届いたカツカレー、サラダはボリューム満点で、ランチとセットで注文したコーヒーも大容量で、午前中の疲れが吹っ飛ぶ旨さと量に大満足。
これで1,000円ちょうどは安い。

他のお客さんが頼んでいるメニューをちらっと見てもどれも美味しそうで、近所にあったら絶対通いたいお店。

また金木町へ来なければ、次は妻と一緒に。

入口
豊富なメニュー表
絶品カツカレー


・弘前へ

「驢馬」でランチを摂って満足した後、予定通り次の目的地である弘前へ進む。
五所川原市から弘前までは国道339号線を一直線。
アップダウンの無い道を曇り空の中快走する。

弘前へ向かう前に見た天気予報では夕方までは天候が持ちそうだったので、雨が降る前に弘前市内、欲を言えば弘前城まで行きたいと思いながら走る。

弘前まで津軽平野を南北に縦断する道を進む中、途中鶴田市にある「道の駅つるた」で休憩。

北東北限定デザインの「HI-C」を飲みながら道の駅にある津軽平野の地図を眺め、自分の辿ってきた、そしてこれから行く道に思いを馳せる。

道の駅つるた 鶴のマークが素敵
鶴田市周辺、津軽平野のマップ
HI-C、このりんごは青森県産じゃなかった気がする


そんなこんなで途中休憩しながらも2時間半くらいで弘前市内へ到着。
時間は3時少し前くらい。

空模様は大分怪しかったがまだ雨にはなっていなかったこともあり、弘前城へ向かう。

弘前城内は公園として大部分が解放されており、城内はテニスコートや市民会館もあり弘前市民の憩いの場になっている模様。

散歩をしている方、ランニングをしている方、テニスをしている方、デートをしているカップルなどを横目に見つつ、自転車を押して城内を散策。

天守閣周辺は有料区間となっており、入場料320円で天守まで行くことができる。
ここまで来た事、次いつ来れるかわからないこともあり、迷わず入場料を払い有料区域へ。

有料区域内は自転車には乗らずに押して歩いてくださいと念を押されつつ入場。

休憩所のアップルパイの旗に心惹かれつつ、いつ降ってきてもおかしくない天候だったのでまずは天守へ向かう。

天守閣周辺は少し高台になっており、自転車を押して坂道を登る。
階段ではなかったのがありがたい。

というわけで無事自転車と共に弘前城の天守閣へ到着。
天守周辺からは弘前市内が一望でき、眺めがよい。

天守前にある駐輪場へ自転車を停め、天守閣内へ入る。

中は1階に売店があり、その他はちょっとした資料館的な感じで昔の駕籠等が展示してある。
昔のお城そのままで残されているからか階段はかなり急で、ビンディングシューズで上り降りするのはかなり神経を使う。
※クリートカバーを付けてるのもあって滑る

無事3階まで登り、天守の最上階へ登った感動も束の間、とうとう雨が降り始めてくる…。

史跡 弘前城跡
追手門
城内案内図、広い公園になっていて、天守閣周辺等が一部有料区域
石垣普請(工事)絵巻
ようこそ弘前城へ
弘前城天守
天守内にミクが、桜の名所だからか桜ミク


・弘前駅へエスケープ、宿探し

ポツポツとした雨は天守を出てすぐに本降りの豪雨に変わり、昨日ぶりの雨具を急いで羽織りつつ急いで弘前城を後にし、弘前駅へ向かう。

本降りの雨の中、ほんの数キロ先の弘前駅がやけに遠くに感じつつ、雨の市内を注意深く走ること十何分、弘前駅へ到着。

駅に到着したときには自転車含め完全に水浸しになっており、まずは屋根のある場所へ自転車を停めたいと思い駐輪場を探す。

幸い弘前駅には広い地下駐輪場があり、1日100円で警備員付きの駐輪場に停めることができた。

自転車を停めて人心地ついたので弘前駅内へ入り、駅内を散策。
巨大リンゴやねぶたのモニュメントがあり、青森らしさを実感。

駅内を回った後、駅ビルにあるミスタードーナツで今夜の宿を探す。
外の雨は弱まる気配もないため、今夜は弘前駅から歩いて行ける近場の宿を探すことにして周辺の宿の空き情報を確認。
運よく駅すぐ横の東横インに空きがあったのですぐさま予約し東横インへチェックインし3日目終了。

この日の走行距離は58キロ、走った距離は昨日の約1/4でしかないのだけれど、この旅の一番の目標である斜陽館へ行ったり、弘前城へ登ることができたりと旅としてはこの日が一番メインだったと思う。
行って何かが劇的に変わった、というわけではないのだけれど、昔からの憧れ、一度は来てみたい場所に来れて良かったし、今日も無事に宿を取ることもでき、自分の旅好き、自転車好きも改めて認識することができたと思う。

そんなことを考えつつ、夕食までホテルで少し体を休ませることにし、ぐでぐでしつつ夜を迎える。

弘前駅地下駐輪場へ避難
「じいさんばあさん若返る」の舞台だったのか、弘前(漫画しか読んだことない)
巨大リンゴ
ねぶた模型、一度リアルで見てみたい
弘前駅ビル内のミスドで雨宿りと宿探し
3日目の走行ルート、ほぼ339号線

・夜はバラ焼き、明日は帰宅

ホテルの室内で夕食先を探したところ、近くに「はっぴぃ食堂」というごはん屋さんが歩いてすぐのところにありそうだったのでそこまで歩いて向かう。
雨の中早歩きでお店まで向かう。

歩いてすぐのところ、ちょっとした飲み屋通りに無事発見。
お店の軒先には「煮干し中華」や「豚そば」、「焼肉丼」といったメニューが並び、お店の前には美味しそうな食品サンプルもある中、目を引いたのは「十和田バラ焼き定食」の文字。
思えば秋田、青森と入ったものの、ご当地らしいご当地グルメは食べてなかった(お殿水ラーメンはご当地といえばご当地なのかしら)と思い、十和田バラ焼きが何者なのかよくわからないがサンプルだけ見てもとても美味しそうだったので迷わず入店。

おいしそうな食品サンプル

店内は明るく、カウンター席にテーブル席が何席か。
お店の人がファンなのか、ももクロのポスターやフィギュアが並ぶ。

席に案内され、豊富なメニュー表で少し悩んだ末、入った時に決めていた十和田バラ焼き定食とコークハイを注文。

ほどなくして定食と飲み物が届く。

十和田バラ焼き定食は沢山のバラ焼きにサラダ、お味噌汁と多めによそわれたごはんでボリューム感たっぷり。
バラ焼きは甘辛醤油だれでごはんとお酒がよく進む、美味い。

あっという間に完食。
他のメニューも気になるが、それはまたの機会にして退店。
ホテルに戻る。

十和田バラ焼き
走った後の一杯(コークハイ)

部屋に戻る前にホテル1階のお土産コーナーを覗き、手焼きで販売していた「小山せんべい」を買ってから戻る。

部屋に戻り明日の計画を考える。

明日までには帰る必要があるので、弘前から電車で新潟まで帰るルートを確認。
在来線と特急で帰るには7時52分発のJR奥羽本線秋田行に乗ればいいのだが、もし電車に乗り遅れた場合は新青森まで行って新幹線で帰るか、在来線で行けるだけ行って、そのあと夜間自走になりそうということがわかり、少し緊張感が走る。
この時点では大分慣れてはいたものの、服用している薬の副反応で朝起き辛い時があったので、朝ちゃんと起きれるか緊張が走りつつ、この日は11時頃就寝し明日に備える。

2024.07.11(木)
4日目、弘前→新潟へ

・大慌ての朝

朝は昨日心配した通り、7時10分前くらいに起きて大慌てで準備。
シャワーを浴び、荷物を確認し、急いで1階のフロントで朝食を済ませてホテルを出たのが7時30分。

地下駐輪場へ急ぎ、自転車を下ろして急いで輪行準備。
この時点で7時40分過ぎたくらい。
タイムリミットまであと10分ほど。

普段なら絶対間に合わないと半ば諦めつつ、大急ぎで自転車のパッキングを行なったところ、自己最短記録で輪行完了。

大急ぎで改札へ急ぎ、ギリギリで無事乗車!
あ、焦ったー…。

それでも朝食は食べる
無事乗車!

•電車旅で新潟まで

奥羽本線に乗ること約2時間、秋田駅に降り立った後、特急いなほに乗り換え。
秋田駅ホームにはなまはげの巨大お面やSLの模型があり、降り立った旅人に秋田に来たことを教えてくれる。

秋田駅
秋田新幹線となまはげ
SL模型

余裕があれば改札の外にも出てみたかったが、ここで「特急いなほ」に乗換出来ないと数時間待機する羽目(今考えると、新潟に帰る算段はこの時点でついているので急いで帰らなくてもよかったかもしれない)になるので散策もそこそこに特急いなほへ急ぐ。

特急いなほ、新潟駅に停車している姿は何度か見たことがあるが、実際に乗車するのは今回が初めてである。

茜色の車体が眩しい、いい電車だなぁ、いつか乗ってみたいなぁと思いながら眺めていたが、今回の旅でその夢も叶えることができた。

車体はしらゆきと同じE653系なので、乗った感じは見慣れた座席だが、これから日本海の景色を車窓に眺めながら乗れるのはいいなと思った。

そんな感じで自由席の後部座席に自転車と共に乗車し新潟へ約3時間半かけて車窓の旅を満喫。
あいにくの曇天でもあり、あまり道中の写真を撮らなかったが日本海の景色、海沿いに並んで立つ風力発電が多かったのは印象に残っている。

特急いなほ
後部座席後ろに輪行袋を置く
田園風景
海を臨む
風車が多く並んでいたのが印象的だった

・新潟到着、そして帰宅

途中ウトウトしつつも14時過ぎに新潟駅に到着。

改装して生まれ変わった新潟駅は相変わらずの人通りが多い。

大分改装して慣れない駅構内を移動し1階のバスターミナル付近で自転車を組み立てる。

大急ぎで輪行した割には荷崩れも忘れものも無かったことにホッとしつつ、自転車を組み立て、新潟空港まで最後の移動。

10キロにも満たない距離を走りながら、この旅を振り返りつつ空港に待つ愛車まで移動し、無事今回の旅を終えることができた。

お昼ご飯を食べ損ねていたこともあり、黒崎PAのモスバーガーでハンバーガーを食べ、帰途についたところで終了。
最終日はほとんど電車旅で自転車旅行感があまり無かったかもしれないが、これも行き当たりばったり旅の醍醐味だということでご容赦頂きたい。

終わりに

こうしてこの旅は無事ケガ無く、事故無く終えることができた。

初めての北東北への一人旅、梅雨前線とほぼ同時に北上したため悪天候に見舞われることも多かった中、無事目的地の斜陽館へ自転車で行くことができ、その分少しは強くなれた気がする。

自転車は大分水浸しになってしまったので後日グリスアップ等大整備を行ったが、特に大きなマシントラブルも無かったのは不幸中の幸いだったと思う。

この旅を通して自分を少しは見つめ直せたような、そうでもないような、ふわっとした達成感と満足感を感じつつ、最後までこの旅行記を書ききることが出来、とりあえずホッとしている。

またどこかへ自転車旅行へ行きたいと思うが、その時までには身の振り方をはっきりさせておきたいと思いつつ終わりとする。

最後に、こんなとりとめの無いブログへスキを押して頂いた皆様と、何よりこの旅に行かせてくれただけでなく、日頃から自分を支えてくれている妻への感謝を込めて終わりにしたいと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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