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平成元年トリオがお送りする第106回薬剤師国家試験を語る会を開催して Part4

こんにちは!
薬学で語る薬剤師のたいぞーです。

イベント当日も話し始めると止まらず、3時間にもおよぶ長丁場になったのですが、文章に起こしても語りたいことがたくさん過ぎて第4弾まで来てしまいました。今後こそ最後になると思います。
#最後最後詐欺

過去作もあわせて見てもらうと第106回薬剤師国家試験をたっぷりと堪能できると思うのでオススメです。

Part1はこちら

Part2はこちら

Part3はこちら

実践問題 問343

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この問題は市販薬の販売の際に考えることを問われている問題なのですが、答えは「4」になるようです。

ただ、実際にこの患者さんの対応を自分がするとすれば、薬の販売よりもまずは受診勧奨をすることになるのではないかなと思っています。

というのも、この方はエソメプラゾール20mg(PPI、胃酸分泌抑制薬)を指示通り服用しており、胃痛に対して治療を行っています。継続的に治療を受けているにもかかわらず胃痛の症状が起こって薬を購入に来るほどとなると、症状の重症度は結構高いのではないかと推察します。

OTC販売をする際には、受診勧奨という選択をすることはとても重要な選択肢だと思います。薬剤師は薬を売ることが目的ではなくて、健康に向かうための適切な選択肢を一緒に考える存在だと思っています。

もちろん夜間でどこも病院を受診できる状況ではなく、翌日受診するまでの一時凌ぎで薬を販売するという選択肢もあるのではないかと思うので、薬を選んで販売することも重要な能力だと思うのですが、必ず自分たちには「受診勧奨をする」という選択肢があることを踏まえて、無理に判断せず、適切にパスを出すことができる能力もとても重要な能力だなと思わせてくれる問題でした。

おまけ 実践問題 問252-253

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この問題はイベントの際に取り上げた問題ではなく、僕が現在うちの薬局に実務実習に来ている学生のオリエンテーションで紹介した問題です。

この問題の答えは問252が「2、5」、問253が「2」になります。

この問題をなぜ学生に紹介したのかというと、この問題は試験という特性から患者さんの薬物治療の一場面を切り取って答えを考えるようになっているけれど、実際にはこの答えを実践した後、この患者さんが状態がどうなっていくか?ということについても責任を持って関わることが薬剤師には求められます。

リスペリドンを減量した後、どれくらいの期間で症状の改善が期待できるのか?症状が改善したとしても効果が減弱して病状が悪化する可能性も考えられて、だとするとどのような症状を確認してそれらの状況を評価すればいいのか?などまだまだこの先にも患者さんの物語は続いているし薬剤師が専門的に介入することはたくさんあります。

これから国家試験の勉強をしていくにあたって、過去問のその問題だけに着目するのではなく、その先に続く患者さんの物語についても考える力が身に付いていると国試にも対応できる応用力が身に付いていくと思います。

そして、その力は試験の勉強の中で身につけるよりも、現場で直接患者さんと接する中で身につけていく方が効果的に身に付いていくと思います。

なので、実務実習の期間でこのようなことを意識しながら実習期間を過ごしていければいいなと思い実習生にこの問題を紹介しました。

このようにまだまだ第106回国家試験には魅力的な面白い問題がたくさんあって、また「平成元年トリオがお送りする第106回薬剤師国家試験を語る会」の第2弾も開催して、先程の問題も含めた他の様々な問題についてもみんなで深掘りをして楽しめる機会を作ることができればいいなと思っていますので、ぜひ開催の折にはご参加いただければ嬉しいです。

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