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訪れた国

Episode 30 – Turkey 1
 
 イスタンブール空港は、ヨーロッパとアジアとアフリカを結ぶ航空ネットワークの要所になっているハブ空港だということが実感できます。多くの方がそれぞれの地域からイスタンブールへ飛んで来て目的地行きの便に乗り換えに利用されます。
イスタンブール空港は1日24時間、1年365日間休む暇がありません。発着便は目的地の都合のいい時間に合わせていますから、空港内から人混みが絶えることはありません。コンコースにいる人はトルコの人より、乗り継ぎの方の方が圧倒的に多いと思われ、世界中の人が集まっている人の見本市のようです。いろいろな人を見ながら空港内を歩き回っても飽きることはありません。
 乗継の方は出発ゲートまで行けば座ることができますが、大きな空港なので乗継の出発ゲートは大体が遠いところにあります。時間が十分にある乗継のお客さんのために広いコンコースにはレストランや喫茶店がたくさんあります。若いお客さんは、お店のテーブル席やカウンター席に座ってパソコンを開いて、時間をつぶしています。もちろん、大きな土産物店やブランド店もたくさんあります。
ラウンジは2階建てで広くて大きく、手荷物ロッカーやミニシアターなどの設備が整っています。エリアごとに世界中の人の好みや要求に合わせて、豊富な種類の食べ物が調理されていたり置いてあったりしてあります。食事や喫茶は好みにより好きな場所で取ることができ、椅子席やソファー席のレストラン風エリアやお酒やコーヒーなどの飲み物のテーブル席、カウンター席などいろいろあります。ピアノがおいてある広場もあります。すべての旅客の体内時計に合うように食事や飲み物は24時間提供されています。なかでも、はちみつが採取用の巣箱から平らな蜂の巣をそのまま出してあるので、思わず手が出てしまいます。
 あるとき、イスタンブール空港で乗り換えて東ヨーロッパの国へ行く用事がありました。目的地がどちらかというとヨーロッパのはずれなので、乗継便のゲートは広くて大きいコンコースの最も遠い所にありました。
 搭乗ゲート前で50人くらいの搭乗待ちのお客さんが座っているところへ入って、同じように座っていました。しばらくすると、今まで座っていた人がぞろぞろと出て行きます。何が起きたのか、わからないままに後について出て行きました。
 コンコースの長い廊下をしばらく歩いて行くと、係員が受付台のようなものを出しており人が集まっています。聞いてみるとキャンセル便の次便への変更受け付けカウンターです。みなさんが我勝ちに係員とワイワイやり取りをしています。乗継予定便の変更受け付けという案内板は見当たりませんでした。
 早朝に着いて朝便への乗り継ぎだったのですが、次便は夜です。逃したら空港で1泊することになるかもしれないので、必死に交渉して夜便を確保しました。トルコに住まいのあるお客さんは家に帰って出直すようでした。変更便を確保した後で、時間つぶしに外に出る許可証をもらっている人もいます。入国ビザを発行していたようですが、とても疲れて外へ出る気にはなれませんでした。今思えば、イスタンブールで街に出なかったのはくれぐれも残念なことでした。

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