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訪れた国

Episode 36 – India 3E
 
 インドはデリーを中心に東西南北の都市に行きました。インディラガンジー国際空港に新しいターミナル3ができたばかりの頃で、空港周辺の開発はこれからでした。道路や地下鉄、ホテルなどの工事はまだ始まっていません。その後、毎回道路が切り換っていたり、ホテルの建設が始まったりしていました。コモンウェルス大会の開催に向けて、デリー中が高速道路や地下鉄の建設ラッシュでした。
 デリーから地方へ行くとき、国際便とは全く違う場所にある国内線のターミナル1へ行った気がします。何年か後にターミナル2が再開されるとターミナル3と同じカウンターでチェックインできるようになったと記憶しています。チェックインの時、インド人の同僚が iPad にダウンロードしてある搭乗券の読み取りコードを見せていたのが目新しかったです。私は搭乗券を紙に印刷していました。
 国内線にはエアーインディアを始めいろいろな航空会社がありました。その中でビール会社のキングフィッシャーが経営する便によく乗りましたが、ある日つぶれてしまいました。その後は青色のインディゴの便をよく利用しました。インディゴ便はエアーインディアの国内便と違って、運行時間が正確なので重宝しました。
デリーから東へ2時間ほど飛ぶと、オディッサ(オリッサ)州のブバネシュワルに着きます。オリッサ州はコルカタの南にあり、ベンガル湾に面しています。オリッサには昔から住んでいる人がいて、独自の文字と文化を持っています。インドのお札には10種類の文字が印刷されているので、彼らの文字はそのうちの一つだと思います。
余談ですが、高額紙幣(と言っても1,000ルピー札、2,000円弱)に偽札が多いというので廃止となり、期限までに交換しなければただの紙切れになることがありました。紙切れになってしまった1,000ルピー札が今も手元にありますが・・・。
ブバネシュワルから北へ向かってマハナディ川の支流(幅1kmくらいあります)を渡るとかつての州都カタックへ行けます。カタックはマハナディ川の本流と支流に囲まれた中州にありますから、自然の要塞に囲まれた古い街です。乾季のマハナディ川は中ほどに流れが少し見えますが、雨季は川幅一杯にあふれるほど流れるそうです。
また、ブバネシュワルからベンガル湾へ行く途中のコナーラクに13世紀に建設されたスーリヤ寺院(太陽の寺院)があります。寺院に入ると、石造りで無数の彫刻に飾られた遺跡に圧倒されます。セックスを表現する彫刻も多いですが、寺院としてはインドの古代文学「ヴェーダ」に出てくる太陽神スーリヤが、馬車に乗って太陽へ飛んで行く姿を表しているそうです。太陽神スーリヤが乗る大きな馬車は7頭立てで、24個の車輪は直径が3mもあります。
 寺院を出て海岸へ向かい、海岸沿いの道を南下してプリーへ向かいます。ところどころにレストランがある田舎道は単調ですが、リゾート気分満開です。プリーの海岸は砂浜になっていて多くの人が遊んでいます。ベンガル湾を眺めながら、学校時代に習ったモンスーンやサイクロンを思い出すのでした。
 インドは広いです。ベンガル湾沿いのインド東部はデリーとは全く違いますし、北部、南部、西部とは人も言葉も気候も全く違うところでした。しかし、何処へ行っても、日本のことをよく知っている人は少なくありませんでした。人口は16億を越えて中国人より多くなったそうです。

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