【詩】羊水
私はずっとあなたを恐れていた
どうしてそんなにも私を苦しめるのか
わけがわからなかった
ただただ、あなたに振り回される人形のような私を
「うまく操れない」と壊そうとしたあなたを
私はどうすることもできなかった
私が選んだ道は、私の羊水であなたを溶かす事
私の子宮を突き刺して、あなたを殺す事
あなたは私を孕ませて
無理やり私を作り変えた
あなたを殺すために私は
大切な人も、自分自身も、我が子をも犠牲にした
あなたを殺さなければいけなかった
そうでないと、永遠にこの地獄は続くから
男でも女でもなかった私はあなたに女にされた
女になった私は己の女性性を否定した
あなたは私に女になれと言ったけれど
あなただってどっちつかずなくせに
あなたは私とひとつになる事を望んでいたけれど
ひとつになんてなれやしない
あなたが私に女になれと言う限り
私たちはひとつにはなれない
あなたを殺してあげるから
私の羊水に溶けなさい
私も己の羊水に溶ける
そして生まれ変わるの
本当の姿の自分へと
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