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【詩】ひとつになること

誰も理解してくれない

そう言って泣く君のこと

ぼくは本当に理解できないよ


当たり前じゃないか

人間なんて死ぬまで

一人なんだから


人間は自分の事しか理解できないよ

他人の事なんてわかるわけがないよ


君は自分の事すら理解してないじゃないか

それを他人に求めるのは酷だよ


ぼくは本当に君が理解できないよ

君の事きらいじゃないけど


君もぼくのこと理解できないでしょ

当たり前なんだよ 他人だから


そんなに理解できない人が

許せないなら別れようか

ぼくと君はわかりあえないよ


でも君がわかりあえると思う人とは

身体が歪につながって

多分ちゃんと生きていけないよ


君は他人とひとつにはなれないよ

自分の心ですら一つにできないのに


こんなこと言ってるぼくだってどこかで

人と一つになりたいと願ってる


ぼくの中の少女と少年は

いつしか交わってひとつになる


そんな事すらぼくは許せずに

引き剥がしては叩きつける


少年に拳銃を持たせ

少女に突きつけさせる


交わってひとつになることも

殺して一人になることも

同じだろう?


そう言うぼくは

違うとわかってるから

こうしてる


少年は自分を撃った

少女はそれを見て拳銃を拾って

自分の胸に穴を開けた


そうしてぼくは本当の一人になった

からっぽになって ぼくだけになった


そんなぼくの元に現れたのは

ほくがいつか捨てた君だった


誰にも理解されないと泣いていた君は

ぼくのからっぽの心臓に

君の大切な魂を半分

分け与えてくれた


そしたらぼくはわかったよ

君の抱えていた孤独を

君の感じていた悲しみを

ぼくも感じたよ


やっぱりくだらない悩みだなって

思うぼくの脳みそはちゃんと

動いているんだなって思ったけど

脳みそに反して涙が出た


やっと君を理解したよ

人を理解するってこういう事?


だけどぼくが君を理解しても

元々のぼくの事は

君にもわからないね

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