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【詩】爆弾おにぎりのうた

君の作った爆弾おにぎり

これは何合分の米?

君の作った爆弾おにぎり

もしかして具は入ってない?

爆弾おにぎり

爆弾おにぎり…


食べ物を残すと怒る君は

いつも弁当を作ってくれるけど

こんなヤケクソな弁当

はじめてだよ…


もしかして昨日何か怒らせた?

え、本当に味付けのりだけ?

何合分の米?

いつもより炊いてる量多くない…?


爆弾おにぎり…

爆弾おにぎり…

食べても食べても

なくならない…


爆弾おにぎり…

爆弾おにぎり…

どう考えても許容量を超えているのに…

まだ…三分の二ぐらい

ある…


ぼく何か怒らせた?

君が嫌がることした?

何も思い当たらない

どうしてこんな酷いこと…


爆弾おにぎり…

爆弾おにぎり…


仲間も遠目にチラチラ見てくる

せめて突っ込んでくれ

この孤独な戦いを

少しでいいから助けてくれ


半分残した

でも余らせると君は怒るから

休憩時間に無理やり詰め込んだ

爆弾おにぎり…爆弾おにぎり…

もう二度と見たくない


ぼくの腹が爆弾みたいになってるよ

今にもボタンが弾け飛びそうだ…


仕事がままならない

スーツのボタンが閉まらない

この状態でどう戦えと?

一発腹パンされたら

多分、爆発する

腹の中の爆弾おにぎりが…


家に帰ると君は

「どうだった!?」と嬉々として訪ねた

「なんであれを作ったのか」と聞くと

「作ってみたかったから!」とだけ答えた


好奇心?

待ってくれ、ぼくは好奇心で人体実験でもされたのか?

いや実験されたのは米のほうだろうけど…


襲ってくる敵をかわすのにも苦労したぞ

せめて具を

入れてくれ…

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