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叔母の憧れ、奇跡のインド人

ご機嫌いかがでしょうか。
videobrother代表の山田でございます。


以前のnoteにも書いたが私の実家の人々は健康に対する意識が極めて高く、皆それぞれが思い思いの健康への取り組みをしていた。


※祖母は謎の湿布を毎晩孫の背中に貼り、孫を苦しめていたのだった※


幼い私は山田家の歪んだ健康癖のモルモットとなり、日々様々な怪しげなものを摂取、および塗布された為に笑顔の少ない尾崎のような子供になったいったのだ。


今回はその「叔母編」である。


祖母の娘である叔母には子がなく、その愛情は我々兄弟に注がれた。

叔母はその愛ゆえに東京から我々兄弟を愛でるべく、月に何回も実家のある新潟にやって来た。


私の祖母は親族のなかでも最もトリッキーな人物である。

強情な叔母は実家が神社であるにも関わらずインド文化にのめり込み、周囲の反対を押しきって自身の部屋に「サ○ババ」のブロマイドが飾っていた。



叔母は愛が深いのだ。


しかしながらそのトリッキーさゆえに我々兄弟も一定のディスタンスを保ち、牽制しながら接してきたのである。


叔母は甥っ子の健康を願い、いつも沢山のお土産の中に不可思議なスピリチュアルグッズを混ぜ込み、少しづつ少しづつ我々兄弟に摂取させるという火曜サスペンスの毒殺のような手段を取っていた。


いつもだ。


叔母のスピリチュアルグッズの中でも最も恐ろしかったものがある。



「ビブーティー」である。


サ○ババという徳の高いインド人の奇跡。
彼の手から生み出される灰だ。

叔母はそれを我々に飲めという。

インドの徳の高い中年男性が手から出した灰を。



!!





飲めば我々のチャクラがパッと開き、良い気の巡りになるからだそうだ。


幼い弟は泣いてその難を逃れ、知能が我々より高かった兄は親に相談してその難を逃れた。


突如、矢面にたたされた私は強引に中東の謎の中年男性の手から出た灰を飲まされたのだ。



毎日灰を摂取している叔母はチャクラがバリバリの為、物凄く腕力が強いのだ。


むせかえる私を見て叔母は甥っ子のチャクラが開いて行くのを感じたのか満足げだ。


それから私は叔母の滞在期間の度にその灰の摂取を強要され、NOと言えない日本人らしい日本人に成長したのである。


叔母の話はまだまだあるのだが、きりがないので一旦この辺でやめる。


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今、叔母は特養施設に入っている。
私は月に一回ほどケーキを土産に叔母の元を訪れるのだが、叔母の意識は曖昧であまり会話はない。


くしゃくしゃの顔で美味しそうにケーキを食べ終え、私の分のケーキまで狙って来る叔母。

叔母のチャクラはまだまだバリバリなのである。


また今度叔母の話はここに残すことにしよう。

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