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いまだにホテル行く女というレッテル貼られてる感を感じている話。

いきなりの話をすると、十数年ぶりにキッスをした。しかも彼氏でもなければ好きな人でもない人と。だいぶ経っている今、自分の中でも面白話にもなっているのと、整理がてらを兼ねて残しておこうと思う。

簡単な自己紹介しておくと。

アラサー喪女でバージン、つまり処女である。彼氏という彼氏がいた事は無い。接客業をしている。目を背けられるほどのブスではないけど、振りかえられる程可愛く美人でもない。田舎住まい。町中に何人か居そうなタイプです。十数年前にキッスしているのに処女なの?彼氏いたこと無いのに?とかそんな話もいつしか書けたらいいなぁ。これもまた今の私だから言える事なのかも知れないから。

恋愛関連で男性慣れしていない、というのがやはり私が私を語る上でも大事なキーワードなのである。

そんな私です。よろしくお願い致します。

十数年ぶりのキス。相手を十年君…いやA君とします。A君とキスする前の話をすると、私はずっとキスがしたかった。

好きな人としたかった。ずーっと。「好きな人、○○くんとキスしたい」と周りにも言いまわっていた。

しかし好きな人、○○君、××君、△△君…にアタックしてもアタックしても、うまくはいかず。いったい何人にアタックしたんだ…。

好きな人を食事に誘ったし、婚活だって行ったし、お見合いもした。しかし、結局は誰ともキスをしていない。失敗失敗失敗。

いつしか残ったのは「キスしてー!!!!」だけである。

だがしかし。結果として私は「キス」はしているんですよね…。

では。なぜA君とキスをしたのか、あれほどしたがっていたキスが出来たのか。簡単な話である。恋愛経験の少ない女がただ流されただけなのである。流される時って本当に流れていくんですね…。

今の私から見たら、「流されてはいるけど、”それ”を選んだのは自分」なのであると思えるんだけど、その時の私は流されてる~と思うだけだった。

A君は出張で私の居る土地に来た。居酒屋で相席したようなものだと思ってもらいたい。複数人で相席していて、その中の一人がA君だったのである。A君は都会から来ていたさわやかな顔をしていた年下のサラリーマンであった。もうだいぶ経ってしまって顔はあまり覚えていないんだけど、確かさわやか系な顔だった気がする。お酒の席でさわやか顔をさわやかに振りまいていた気もする。

もう遅いからと帰ろうとした時にA君から「二次会に行きませんか?」と誘われたのである。私はここで「あ!」と思った。これホテルに誘われるやつだ!と。その時はなぜかそう思ったし、なんなら本当にそうだったのである。あ、でも安心してください。処女のままです。

しかし時間も遅かったし、あー…とも思ったんですけど。…この人生、生きてきた中でさわやか男性に二次会に誘われる、なんて事も無かったんで、あぁそうだなぁ…舞い上がったんだなぁ。そうだ、舞い上がったんだ。言葉を選ばすズバリ言うと、「イケメンに声かけられた私」になっている事に、舞い上がったんだ。なんだかこの文章を書いていて、すん…とどこかに落ちてきた。胸でもないし、腑でもないし、でもどこかに落ちてきた。

そうか、舞い上がったんだ。

まっ、とりあえず舞い上がりはさておき。あー…とも思ったけど、二人きりの二次会に行くことに。ぷらぷらと夜の田舎の飲み屋街を歩いた。普段飲み歩きもしない私はそれだけでも楽しかった。楽しかったし、これを機に後々久しぶりに夜の町へと出掛けることになったので、それはそれでありがとうと思う。それはそれでね。そして気になっていたバーに入ることにした。この店の前を通るたびに気になっていたから入れてよかった。今でもちょくちょく通っている。通っているし、マスターには後々A君とのあれこれを話した。これもまぁ、これはこれでありがとうと思う。これはこれでね。

そしてこのバーが入っている建物の関係上なのか、お手洗いがちょっと離れた所にあって、さらに暗かった。…お分かりいただけただろうか…。先に一度行っていたA君について来てもらい、私もお手洗いへ。複雑な構造。男女別なのかと思っていたら一つしか無くて交代で入った。暗いからとA君がスマホをライトとして持たしてくれていたんだけど、ブーブーと響き続くバイブレーション。ブーブー、ブーブー。A君も出てきて、じゃあ戻ろうかとなって、スマホを渡すじゃないですか。足元照らしてくれて。ブーブーブーブー。ずっと鳴ってるなぁと思っていたら、

「ね、キスしていい?」

と言われた言葉に、頭が追いつかないまま口から出た言葉は「え、あぁいいけど」だった。え、あぁいいけど。なんだそれは。何イイ女感出してんだ私は。二次会に誘われてからずっと舞い上がってた私は多分どこかでずっと期待して待機していたんだろう。手を繋いで瓶ビール1本を二人で飲んだりしていた。期待も待機もするだろう。しかも経験値少ないんだから余計に。焦らされていた訳だ。少なくとも勝手に焦れていた。

ブーブーといい続けるスマホ。消されたスマホのライト。ジャケットのポケットに手を入れたままの私。顔を近づけてくるA君。

感触が。感触が十数年ぶりに唇に感じた。「はぁ、そうかこれがキスなのか。」久しぶりのキスをした私の感想がこれだった。ずっと守っていた訳でもないけど、勝手にガンガンに上げていたキスへのハードル。思ったよりキスは簡単に出来るものだったのか。いや確かにシチュエーションとかあるけど。簡単なことだったのだ実は。唇と唇が合わさるだけのことだったんだ。うっかり口開いちゃって、セックスする気マンマンの女だと思ったのか、舌ねじ込まれてしまったのは予想外だったんだけど。あーキスで舌ねじ込む人の話しめっちゃ書きたい…人と人は繋がっていくんですよ…ね。

深いキスをして盛り上がった後、バーに戻ってビールをおかわり。その場にいた人が「この二人、ナニかしたな」と感じただろうなぁと思う。ビールを二人で飲んでキャッキャしてたし…。聞きたいんですけど、男の人もキスしたら態度変わるんですかね…女側というか私はキス一つでなんだかA君が「内側」の人になったような感覚になったんですけど。まぁA君はホテル行く気でいるからまぁイチャイチャ態度?も分かるんですけど…。

ここにきて私、久しぶりの飲酒で眠気がきてしまい。「A君、私眠いです」と伝えたらA君が会計をしてくれた。会計をして店を出てまた暗がりに行ってキスをした。すごいですね、人ってずっとキスするんですね。経験値少なすぎて、何秒間唇くっつけたままでいるのかとか、角度とか首を左右どちらに傾けるのかとか分からなかった…。

そして手を繋いで暗い道を歩いた。A君が泊っているホテルの近くまで歩いた。ここにきてA君がガンガンに「ホテル」という単語を使わないでホテルに誘ってきた。今の私は思う、こいつ上級者だなさては…と。まぁ多分上級者なんでしょうね…。未経験者ながら「あ、ホテルに誘われている!」と思っていた私は、ホテルへの誘いに乗らなかった。

なんでだったんだろう。

なんで行かなかったんだろう。

後悔からじゃなくて、ただただ思う。なんで行かなかったんだろう。

女の勘だったのかな。いやそれとも単純に生理期間中だったからなのか…。それともキスを止めるタイミングが自分の中でまったく違ったからだったのか。アラサー処女なのが恥だったのか。この人もう私と会わないんだろう名と思ったからなのか。

あの時のあの瞬間の私は何を思ってホテルに行かなかったんだろう。

「ホテル、行かないよ」とは伝えた。

結果としてホテルには行かなかった。

「ここまできて」と言ってホテルには連れ込まれなかった。

何が琴線に触れたの?と聞いた。琴線に触れたの?って聞かれてもね…。出張先でただ単にセックスしたかっただけ、それ以外あるかってんだよな。A君は「人肌恋しい」と言っていた。可愛い子とも相席していたし、なんとなく私が処女であることも感じたであろうに、なぜ私だったのか知りたかったんだけど…。面倒くさい女には見えなかったのか?むしろ経験値浅いと面倒くさいくさくないかいA君…。

そして私は本当に帰ったのである。A君に見送られて。二度、振りかえった。一度はA君がまだ私を見送っていた。二度目は歩き出していた。

A君に会ったのは、この日一度だけなのであるのだが、LINEを交換していて少しだけやり取りをしていた。もっぱら天気の話しだけだったんだけど。こちらの天気とあちらの天気。あ、一度だけスケベな電話があったのと、私がイライラして「あのスケベな電話してくる奴だから荒んだ電話くらいしてもいいだろ」と思って電話し合ったことがあるんだけど。

A君との最後は、私が「君の事もっと知りたいんだけど」とLINEを送って既読がついて3日間返信が無くて、無くて無くて。ブロックして終わりました。終わりは、急速な終わり。キスした相手と天気の話し続け合うって、どんな展開なんだ。

やり取りをちょっとしている間に、生きてきた中で体験した事のない体験をしたりして、短期間で私の世界が目まぐるしく変わった。それは「今」にも繋がっているし、やっちまったなぁともなっている。でも、あの時のA君との出会いが無かったら今の私に繋がっていないと思うと、人ってやはり出会うべくして出会ったのだなぁと思う。

この辺りまでこの記事のタイトルは「タイトル未定」だったけど、今に繋がっているで、「私いまだにホテルに行った女だと思われているんじゃ」と思ってこのタイトルにしました。行ってないんだよーって言うのを、今知っておいて欲しい人には伝えれてないままだよ。あ、でもホテルには行っていないけどキスはしてるな…。「何も無かった」にはならないか…?

さて。

こうして、キスはしても結局は処女のままだよって言う話は終わります。なんでアラサーになるまでしてないの?って話しとか、なんだっけな。今の私に繋がるとか、なんかそんな事も吐き出せたらいいなぁ。すでに面白話に落とし込んでいるけど、文字にするのは難しいなぁ。時系列通りに書いたつもりでいるけど、書いていてあっちこっちしちゃってるし。人が読むときには読みにくいだろうけど、私は満足だ。

このnoteをここまで読んでくれた方、どうもありがとう。