ぼくは「君が代」が歌えない
「君が代」が好きだ。
勇壮さや華やかさに欠けるけれど、流麗でどこか寂寥感漂う旋律は、いかにも日本的で美しいと思う。海外のスタジアムで代表選手が一列に並び「君が代」を歌う。スタンドで揺れる日の丸の小旗。そんな光景は、なんど見ても胸を熱くさせるのに十分だ。
僕にとっての「君が代」「日の丸」とは、なんだろう。
もう、10年以上前の話になるけれど、神宮球場でプロ野球の日米対抗戦を観た。試合に先駆けて両国の国歌が流れる。場内アナウンスは「脱帽」と「起立」を促す。が、僕は席を立たな