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歯を抜いた話 下の歯編

前回までのあらすじ

生まれて初めて永久歯(親知らず)を抜いた串田。
思ったより痛くなく経過も順調。しかし、抜歯後2週間で下の歯を抜くことになり……?

前回の反省を生かし用意したもの

  • かまなくてよい介護食(液体&ペースト)

  • 口内炎の薬(前回はドリンクタイプでしたが今回はコスパ重視で錠剤にしました)

完全メシスムージーは続投です。

抜歯前日

奥歯(第一大臼歯)の歯と歯茎との境目に大き目の虫歯を発見(※)。
え? こんなのあったっけ? と困惑する。見つけたら急に痛くなったような気がする……
(※以前も「発見」したことがあったが記憶から消していた説が有力)

抜歯当日

前回抜歯時は午後休をとって抜歯に挑んだのですが、今回は普通に働いて歯科医院に直行するスケジュール。
既に上の歯の抜歯痕は小さくなっており、普通の食事に戻っていましたが、職場だと昼食後の丁寧な歯磨きが難しいので、この日は久しぶりに昼ご飯に完全メシスムージーをチョイス&できる限りの歯磨きをしました。

歯科医院では、ついでに昨日見つけた虫歯を治療できるかと質問してみましたが、結局次回以降に回すことに。

施術の手順自体はほとんど上の歯と同じだったのですが、「麻酔が効くまで待つ時間」がゼロ。そして注射を打った直後からあご全体と舌まで麻痺した状態。麻酔の量が違うみたいです。

また、全体的に上の歯よりも強い力がかかっていたように思います。歯科衛生士さんが押さえる役をやるのは初めてでした。
あと前回冒頭で書きましたが私の場合左下の親知らずのみ斜めに生えている(※)のですが、それを抜くときにあごの中でパキっと音がなったのが印象的。

「穴大きいけど縫わなくていいか」「1か月くらい穴空いてると思うけど大丈夫ですから」などという医師の不穏な発言とともに施術が終わりました。

※これも前回書きましたが、4本の親知らずのうち左下の親知らずは、斜めに生えているとはいえ虫歯の程度は軽く、本来は抜く必要ない歯だったらしいです。しかし親知らず手前の歯が上手く磨きにくくなっていることもあり、抜いてもらいました

抜歯直後~当日夜

なんか、すでに様子が違います。上の歯の時は「唾液を飲み込まないようにしなきゃ」だったのですが、今回は「唾液を飲み込めない」でした。
そして口の中が肉でみちみちになっているというのでしょうか? 腫れてます。
ついでに血も止まらないのですが、とにかく腫れがすごくて患部にガーゼが届きそうになく、ガーゼを噛めません。

実は、親知らずの後腫れる、というのを、私は「おたふくかぜ」のように「外側に向かって腫れる」のを想像していたのです。
なぜなら、(左右両方同時抜歯はレアケースなので、)事前に抜歯の対策をいろいろ調べていた時、地下アイドルのインスタがよく引っかかっていたからです。彼女達は一様に困った顔をしながら頬を押さえた自撮り画像をアップしていました。押さえている部分は心なしか膨らんでいるように見えました。しかしそうではなかった。実際は「頬の内側の粘膜部分や歯茎が腫れる」のだった。
あれはぶりっこポーズの一環だったのか……

その後、麻酔が切れてきたので口の中が痛くなってきました。しかし具体的にどこがどう痛い、とかがわかりませんでした。
頬が痛いのか歯茎が痛いのか、骨が痛いのか傷口が痛いのか、頬の内側を歯が噛んでいて痛いのか、もはや全く区別が付かないのです。

とにかく今すぐ痛み止めを飲みたいのですが、服薬のためには食事が必要です。
前回の反省をもとに、やはりドリンクだけではよくないと思い、用意していた介護食を食べることにしました。
奥歯を使わず快適に食事できるよう、そして口の中に陰圧を作らないよう「かまなくてよい」タイプです。

しかし、まず「下顎に何かが触れると痛い」「上下の歯を噛み合わせると痛い」ので、非常に困難な状況となっていました。
陰圧がどうのこうのという問題ではありませんでした。口の中が全部痛い。
結局「スプーンで上あごの奥にペースト状の介護食を塗り付ける」→「飲み込む」を繰り返しました。

諦めて今回もドリンクだけにすればよかったのかもしれません。というか沢山水を飲めば水だけでもなんとかなったのでは、と後から気付きました。

この日の歯磨きですが、口の内側が腫れすぎていて歯ブラシが届きませんでした。仕方が無いので前歯だけ磨きました。

抜歯翌日

寝て起きたら血が止まっていましたが、ひどく腫れていて、やはり昨日に引き続き患部が見えません。

水などを飲むと「味のする唾液」が口の中に残り、ゆるい血餅が流れているのか? という気がしますが、たぶん大丈夫なのでしょう。抜歯痕の痛みはそうひどくありません。

しかし、困ったことに痛くないのは抜歯痕だけでした。

顎の骨全体が骨折(※したことないです)したみたいに痛いです。
歯茎や頬の内側が打撲(※したことあります)したみたいに痛いです。

昨日に比べ明らかに痛みが「具体化」しています。
「抜歯した傷口が痛くない」のではなく、「他が痛すぎるだけ」なのかもしれません。

「親知らず抜いた後はとても痛い」というのはこういうことだったのか、と初めて理解しました。

朝食は液体介護食と完全メシスムージー。その後抗生物質とを痛み止めを飲みました。

前回、上の歯抜歯時は、抜歯翌日の朝に痛み止めを飲んだのですが、そのときは熱感を押さえるのが目的で、それ以降は薬なしで過ごしていました。
しかし今回は、これ以降も処方されていたロキソニンが尽きるまで飲み続けることになりました。

歯磨きはやっぱり歯ブラシが口の中に入りませんでした。

昼食は液体とペーストの介護食。平日だったので職場です。
液体はカップタイプ(メイバランス)ですが、付属のストローは使わず上のシールをはがして直飲み。ペーストは昨日と同じく上あご塗り付け法。職場でもなりふりかまっていられません。

夕食もペーストタイプの介護食で、歯磨きは無理矢理細めの歯ブラシをつっこんで第一臼歯くらいまでを磨きました。

抜歯翌々日以降

抜歯後2~3日目:相変わらず顎が痛く、まだ腫れも引きません。
むしろ前歯や上の歯など、抜歯した部分とは無関係な歯も痛くなってきました。食事はペーストタイプの介護食の上顎塗です。

抜歯後4~6日目:4日目に入り、顎の痛みが若干引いてきました。歯茎は相変わらず痛いですが、痛い範囲は狭くなっている気がします。
しかし、今度はなぜか「前歯」が浮いた感じが強くなってきました。
血餅は白くなってきていましたが、端が剥がれてきており怖い。少しでも剥がれにくくするために、食事は液体タイプの介護食に切り替えました。
6日目になると腫れもだいぶ引いて、痛みもなくなりましたが、歯が浮く感じはかえって強まり、下あご全体が浮いている感じに。

7日目:急に血餅が小さくなりました。剥がれそうになっていた部分がなくなったのかとおもいきや、奥歯の裏をのぞき込むとありました。縮んだのでしょうか?
歯の疼きは弱まりましたが、若干続いてる感があります。
介護食のストックが切れたので夕食にお茶漬けを食べてみましたが、米粒が吸い込まれるように歯の穴に入っていく……

8日目:痛みがほぼ無くなりました。口を大きく開けた時に若干痛むくらいです。歯の疼きもほぼなくなりました。
血餅は昨日よりもさらに小さくなっていましたが、まだ柔らかいので気をつけつつ、昼夕食は普通の食事を食べてみました。
そして夜の歯磨きの時によく見たら血餅が消えてしまっていました。

9日目:痛みはないので、どうやらドライソケットにはなってなそうです。口を開けた時の痛みもなくなりました。
この日も昼食と昼食は普通の食事を食べてみました。全然問題なし。ただし、食事が歯の穴の中に入り込むような感覚がするのでうがいで出します。
うがいで出てくるような広く浅めの穴で、大変助かりました。(正確には穴自体は深くて頬肉の圧力で奥まで開いてない気がしますが)

感想

治療の経過とか対処法としては、上の歯を先に抜いておいた経験がかなり役に立ちました。立ったんですが。
「痛みの種類」としては、上の親知らずを抜くのと下の親知らずを抜くのでは、全然別物ですね。

とにかく腫れが引かない。
抜いた箇所だけじゃなく顎全体が痛む。口を開けても閉じても痛い。
そして歯茎も痛いし抜いた箇所とは離れた歯も痛いし上の歯まで痛い。痛み止めが手放せない。
また、痛みが弱まったあとの歯が浮く、疼くような感じも、感じる範囲が広くてかなりつらいものがある。

ただ、最終的に通常の食事を食べられるようになったタイミングは、上の歯と下の歯で大きくは変わりませんでした。
穴はけっこう大きいんですが、しみたりはしないです。おそらくちゃんと皮ができているのでしょう。
ということで、「傷」としての自然治癒経過としてはそう大きな差はないのではないか……と思います。
穴がふさがるまでは時間がかかりそうですが。

上の歯と下の歯の抜歯を終えて

「奥歯で噛む」って、食事の中で本当に大切なプロセスなんだな、と思いました。
上下それぞれの抜歯で柔らかい食べ物なんかを食べましたが、たとえば柔らかくても、奥歯で噛めないというだけであんまり美味しくないんですよね。

また、4本全部抜いてしまって、普通の食事をし始めて気付いたこととしては、親知らずって、結構必要な歯だったんだな、ということ。
抜いてしまってからは、噛む力というか、噛んで食べる時の効率が、明らかに下がりました。

これは「歯が4本なくなった」ので、ある意味当然のことです。
親知らずの内、3本は完全に生えきっており、奥歯として仕事していた歯なので。11本ある大臼歯が急に8本になったということは、奥歯で食べ物をすりつぶすまでにかかる時間は1.3倍になります、たぶん。

(中途半端に生えている人だったらこのような効率低下は起きないと思います)

ただ、プラスになったこともあって、噛みしめ癖が若干軽減されたように思います。
以前は(たぶん発達凸凹の影響もあって)常に力一杯噛みしめているような感じだったんですが、今は歯と歯の間に隙間があって脱力した状態を保っていられるようになりました。

ということで、抜歯を通じて、改めて歯という部位の大切さに気付きました。これからは、残った奥歯を大事にしながら生きていこうと思います。

まあ既に第一大臼歯根元に既に虫歯があるのですが……それも早く対処したいと思います。

ということで、抜歯の体験談はおしまいです。

これから抜歯する人の参考になれば、と思って、用意してよかったものなどに関しては、別記事でまとめる予定です。
気になる方はそちらも読んでいただければと思います。
それでは。


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