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切り干し大根が食べたい透析患者さん|食べても安心な量は?


切り干し大根が食べたくなったけど、カリウムが高いから心配だと相談を受けました。


この患者さんは、自分で調べて勉強する方で、切り干し大根はカリウムが高く塩分も多いとご存知のようでした。


干した食品にはカリウムが多く含まれていることがあります。干し大根にも、カリウムが多く含まれています。


そこで、どうすれば患者さんが、安心して切り干し大根を食べることができるか?

よく本に書いてあるには「茹でこぼすとカリウムを減らすことができます」。


あれ?

切り干し大根ばかりを大量に食べる人いるの?と考えました。


今は、コンビニやスーパーの惣菜などの中食を買ってきて食べる方も多いですよね。

コンビニ食や中食に頼るしかない、男性や高齢者の方はどうなるの?


中食とは「惣菜店やコンビニエンスストアー・スーパーなどでお弁当や惣菜などを購入したり、外食店のデリバリー(宅配・出前)などを利用して、家庭内で商業的に料理・加工されたものを購入して食べる形態の食事」とされています。


おそらく茹でこぼして作った切干し大根なんてありませんよね。干した大根の良い香りがなくなりそうです…


念の為、栄養士さんに確認しました。

小鉢程度の切り干し大根の量「定食の付け合せで一緒に出される量」なら、毎日でなければ大丈夫です。


その理由は。

切干し大根は、何日も続けて食べるものではない「普通その可能性は低い」。

大量に食べるものではない「切り干し大根を、鍋いっぱい食べたくて我慢できない人は少ない」。


透析患者さんは、医師の処方通り透析を受けていれば、普通に食事をしても大きなトラブルはありません。

定期的な血液検査で医師が確認しています。


だいたいのものは小鉢程度、フルーツでもコース料理で最後に出るくらいなら大丈夫です。「1日100g程度」。みかんなら1つ2つなら安心して食べることができます。


血中カリウム値が高くなると、手足や唇のしびれ、脱力感などの症状が現れることがあり、重症な場合には不整脈や心停止に繋がります。

こんな怖いことが書いてあったら怖くなりますが、気にしすぎて神経質になりすぎると美味しいものも美味しくなくなります。


カリウムが多い100%の野菜ジュースやフルーツジュースを健康のためだと大量に飲んだり、干し柿なら大丈夫だろうと毎日何個も食べたりすると危険なこともあります。


危険なのは、カリウムが多いと知らずにたくさん食べることです。

「食欲がないからと、毎日、食が進む納豆を食べている」。などもその例です。

私の経験の中から、このような極端な例をお話をすることはありますが、基本的には、偏らないように、品数多くバランス良く食べれば大丈夫と伝えます。

買った弁当に、たまたま切干し大根が入っていても大丈夫です。毎日食べるわけではないですから。


透析を受けるようになったら、特にカリウムが高い食品は知っておく必要があるので、透析導入時や血液検査の結果でカリウムが高いときには説明します。

しかし基本的には、患者さんに何を食べたのか詮索するようなことはしません「何日も前に食べてものなんて覚えていませんよね。聞かれてもあまりいい気持ちではありませんし」。


特に偏ってなければ、食べていけないものはありません「健常者と同じです」。

それは、そうですよね。切り干し大根は、よくお弁当に入っていますよね。

少し食べたからどうにかなるものではありません。


医療従事者は知ったかぶりで意味のない指導をしていることがあります。

まず患者さんが、美味しく食事できることが前提でなければなりません。


「品数多くまんべんなく食べる、減塩に慣れる」これは続けましょう。これは透析患者さんだけではなく、すべての人の健康づくりに役立ちます。

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