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絵のプロセス(iPad版)

こんにちわ!イラストレーターの草野碧です。
本日は、日本郵便が展開する「&Post」プロジェクトのポストカードのプロセスを公開します。
装画のプロセスとはまた違う、そして今回はオールデジタルでの流れを記事にしました。

<概要>
【お手紙帰省ーLetter From My Home 】
https://andpost.jp/project/tegami.html
日本郵便が展開する「&Post」プロジェクト📮
コロナ渦でGWに「手紙で帰省」するための取り組みです。
「手紙で帰省しよう Letter From My Home」をテーマにTISの22人のイラストレーターが気持ちを伝える24種のポストカードを制作。
小山薫堂さんの「&Post」プロジェクトとTIS理事長 小池アミーゴさんの素敵なコラボ企画です。

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<1. テーマ決め>

今回の目的は、
『GWで帰省できない人々が、大切な家族や友人に送るポストカード』
なので、「そうだ!実際に母にポストカードを送ろう✨」と思い、
まずそこからテーマを考えました。
外出できないし、すがすがしい明るい風景のカードが届いたら喜ぶかな?と思いつつ自分の写真フォルダを探します。

▼選んだのはこちらの写真

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私のお散歩コース川辺の写真です。
ホームレスの方のブルーシートが映り込み、なんとも言えない写真なのですが、私はここで、あることに気づきました

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本来は川の水が反射して白くなってるだけなんだけど
「白浜っぽくて海に見える!」

一回見えてしまったものはもう、海にしか見えません。
海の風景にしよう、と思いました。

私はこのように、思いつきで絵を考えるタイプです。
はじめに下絵を用意しても
「あ、この線面白く描けた!」
と思ったらその線を生かして路線変更したりします。


<2. 下準備>

Photoshop上で写真を加工し、下絵をつくります。
・まず写真を反転させて地面を右肩上がりにします(なんとなく縁起が良い!)。
・次に海と空がひらけて見えるように木の位置を調整(さわやかさの追加)。
木が長いほうが面白いので地面の面積を減らし、空の面積を増やしました(3:1くらいかな?)。

プロセス



<3. 画材セレクト>

普段の主な画材はアクリルガッシュとPhotoshopです。
デジタルオンリーの作品はお仕事として成立させたことはありませんでしたが、
今回は制作期間が2日間程と短かったことと、
大きさが、ポストカードサイズと小さい為、
グッドタイミング❗️と思いiPadで描くことに決めました。



<4. 描く>

下絵を見ながらiPad上でどんどん描いていきます。
ソフトはAdobe Frescoです。

使用しているペンは2つだけ。
・ピクセルブラシ鉛筆
・ライブブラシ
油彩 細筆

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私は、アクリルガッシュを水彩っぽい水加減で描いているのですが、
このマニアックなブラシは需要がないらしく、
満足できるブラシツールがありません。

なので、最終的に大きな面積の部分(下の芝生っぽいところ)は
自分のアナログ素材をPhotoshop上で合成して完成させました。

最後の方で、「海風が吹いている感じを出したいな〜」と思いつき、
木の葉っぱのストロークと同じ方向に葉っぱを散らしました(更にさわやかさの追加)。


<5. 完成>

祝❗️筆を一本も使わずに、デジタルのみでお仕事が完成しました。
記念すべきデジタルデビュー作です✨

ブルーシートが映り込むなんとも言えない写真から
風を感じるのんびりとした海の風景ができました。

タイトルは『そよそよ』です☀️

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<6. WEBサイト公開>

完成したポストカードは『&Post』というサイトに公開されました。
送りたくなるような可愛いポストカードがたくさんです💕
https://andpost.jp/project/tegami.html

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<終わりに>

早速母に送ったところ「いい感じだねぇ」と喜んでくれました。
母:「お母さんも描いてみたいな。どれくらいの時間かかったの?」
私:「2、3時間くらいかな?(得意げ)」


母:「そんなにかかるのねぇ、、、」



(2、3時間 = 普段の作業量の1/5くらい)


とりあえず、アナログより圧倒的に早いので
もう少し研究してデジタルでの仕事も増やしていきたいなと思います❗️


以上。草野の絵のプロセス(iPad版)でした✨
最後まで読んでくださってありがとうございました!

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