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歌による英語脳づくり

あんり3


《草の葉メソッド塾》の第一のステップは歌です。歌による土台づくりです。最初に取り組むのはガチョウおばさんの「マザーグース」です。ガチョウのおばさんの数々の歌が歌えるようになったら、成長していく中学生たちの精神年齢に見合う、青年時代にめぐりあう古典的フォークソング、「花はどこにいった」とか、ビートルズの「ワインディング・ロード」とか、ジョン・レノンの「イマジン」とか、ボブ・デランの「風に吹かれて」とかに取り組ませます。

このレッスンの目的は、英語という言葉に取り組むための基礎体力づくりで、英語を学んでいく土台をつくるというトレーニングです。例えば「マザーグース」の一つ「幸せなら手をたたこう」は、《幸せなら 手をたたこう/幸せなら 手をたたこう/幸せなら 態度でしめそうよ/ほら みんなで 手をたたこう》。この歌は日本語ならばだれでも歌えます。しかし英語の歌詞は、

If you’re happy and you know it, clap your hands.
If you’re happy and you know it, clap your hands.
If you’re happy and you know it. Then you’ll surely want to show it,
If you’re happy and you know it. Clap your hands.

この単純なメロディの歌を、この英語の歌詞では大多数の生徒は歌えないでしょう。生徒たちはこの英詞を《イフ・ユアー・ハッピイ・エンド・ユー・ノウ・イット・クラップ・ユアー・ハンズ‥‥》と母音読みで発音していく。母音読みで歌ったらこの歌は歌えません。

生徒たちはそれまで日本語という言葉を、日本語口で話してきました。歌だって日本語口で歌ってきた。しかし英語の歌は日本語口では歌えない。日本語は母音という煉瓦を一列に並べるように発音していきます。しかし英語は子音です。子音で成り立っているように思えます。機能語を次々に飲み込んで、内容語も前後の単語によって変容させ、高低のリズム、強弱のストレスをつけて、渓谷を流れる小川のように発音していく。

英語口をつくらなければ、英語の歌は歌えないのです。英語口をつくるには、舌の動きから、口の開き方、顎の筋肉の使い方、呼吸の仕方まで変えていかなければならない。ちょっとオーバーにいえば肉体の改造というか、いや改造というよりも英語口というもう一つの機能を取り付ける拡張工事に取り組むということです。

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対話編


A──このコラムは、英語口からはじめて、英語をそのまま聞き取る英語耳、英文をそのまま読み取る英語目、そして英語を書いていく英語手をつくるというふうに展開されていくけど、英語を自分の言葉として獲得していくのは、こういうトレーニングが絶対に必要なのよ。あたしがね、もし小学校の教師だったら、英語の歌を歌うという授業に取り組むでしょうね。ねえ、あなた、ギター、ギター弾いて。
B──また、どういうこと、ギター弾いてなんて。
A──突然、イマジン、歌いたくなったのよ。
B──オーケー、オーケー、さびついた手で、久しぶりにやってみるか。
A──Imagine there's no Heaven/It's easy if you try/No Hell below us/Above us only sky/Imagine all the people/Living for today……………
B──いい曲だよな。永遠に歌われていく。ジョン・レノンが銃弾に倒れたとき、全世界のラジオやテレビがこの曲を何度も何度も流して彼の死を悼んだ。
A──この曲を小学生たちに何度も何度も聞かせるの。この歌はたちまち小学生の心をとらえるわよ、曲だけでなく、そこで歌われている歌詞まで。最初のステップ、つまり英語耳がここでつくられる。そして一人一人にこの曲を歌ってもらう。子供たちの耳って鋭敏だからすぐに歌うことができるようになるわよ。それが第二のステップ、つまり英語口をつくるという活動。そして英文の歌詞を音読させる。なんどもなんどもその歌詞を音読させる。これが第三ステップ、つまり英語目をつくる活動ね。そして最後のステップは、英語手をつくる活動。
B──それって、どうするわけ。
A──その歌詞をノートに書かせるの。一文字でも間違っていたらやり直しで、何度も何度も書かせる。完璧に書けるまで、その子の授業はおわらないの。なかには五回、十回と書き直す子もでてくるけども、こうした授業で子供たちは英語の手をつくっていくのよ。
B──そうか、ジョン・レノンのイマジンを、耳や口や目だけでなく、さらに手にも覚えさせるわけだ。
A──あなただったなら、子供たちのどんな歌を教えたい?
B──たくさんあるけど、このコラムに書かれているボブ・デランもいいよね、……How many roads must a man walk down/Before you call him a man?/How many seas must a white dove sail/Before she sleeps in the sand?/Yes, and how many times must the cannonballs fly/Before they’re forever banned?/The answer, my friend, is blowing in the wind/The answer is blowing in the wind………
A──いい歌よね。青春時代が甘く苦くよみがえってくる。
B──しかしちょっと小学生たちには難しいかもしれないね。
A──そんなことないわ。六年生ぐらいになるとちゃんと理解できるわよ。英語の時間が、これから年間七十コマになるわけでしょう。二年間で百四十コマ。だったら英語の歌、百曲が歌えて、その歌詞が完璧に書けるようになる。
B──英語という言葉を獲得していくための土台がつくれるね。

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文科省が取り組む英語教育改革は、上記のような動画で解説されている授業展開でスタートしていく。まったく英語という言語、さらには英語教育を知らないド素人が構築した馬鹿げたカリキュラムである。こんな愚かなカリキュラムを強制された小学校教師は哀れにつきる。話す、聞く、読む、書くの総合学習であるなどと能天気なこの視学官はうたうが、子供たちは一つとして身につくことはない。こんな愚かなカリキュラムで英語が話せるようになるわけがない。すでに「ウオールデン」は、文科省の英語教育政策を厳しく批判した、藤原正彦さんの
『英語教育は国を滅ぼす』
をnoteに打ち込んであるが、さらに「草の葉メソッド」は、この愚かな指導要綱を打ち砕く戦いを展開していくだろう。

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もう一つの予告を。
ウオールデンは、noteの《スキ》なるシステムを、

ヘーイ、noteの創業者や運営者よ、noteには他人の文章を読む文化がないというコピーをnoteの前面に貼り付けてくれ!
ヘーイ、noteの創業者や運営者よ、《スキ》なるものは欠陥のシステムだということに早く気づいてくれ!
ヘーイ、noteの創業者や運営者よ、《スキ》なるものが、noteに上陸した開拓者たちの精神を打ち砕くことにもうそろそろ気づいてくれ!

と相次いで打ち込んできたが、さらにこの《スキ》なるシステムを打ち砕くための断想シリーズを打ち込んでいくことにする。そのタイトルは、

ヘーイ、noteの創業者や運営者よ、ウオールデンはnote革命のムーブメントに踏み込んだよ、君たちのはるか数十キロ先を歩いているのだ。

ウオールデンの打ち込む記事に、最初にとんでくる《スキ》は一つか二つである。しかし一週間後には十になり、二週間後には二十になり、一か月後には四十、五十になり、一年後に三百、四百になり、二年後にはウオールデンの打ち込む記事のすべてに《スキ》なるものは六千、七千と記載される。これを革命といわずして、なにを革命というのか。驚くべき革命の断想シリーズがまもなくスタートする。


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