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創造のための法則  W・ホイットマン

ロバートアンリ3

ホイットマンが日本から消えていく。もはや「草の葉」は手に入らなくなった。しかしホイットマンは必ず復活する。ホイットマンはこう書いている。「ぼくの詩は、未来を目指している。ぼくたちの国がいかにあるべきか、そしてぼくたちはいかに生きるべきかを歌っているのだ」

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創造のための法則   白鳥省吾訳

力強い芸術家と指導者のための、溌刺たる教師の群と亜米利加にとっての立派な文学者のための
優秀なる学者と未来の音楽家のための。
すべては世界の総体と世界の緻密なる真理に符号せねばならない。
其処には際だって発言された主体があってはならない。すべての仕事はこの神聖な隠微な法則を明らかにするだろう。
君は創造をどんなものと思うか、
自由に歩行し優者を載かぬこと以外に何が霊魂を満足させることが出来ると思うか、
私がどうしても君に知らせたいのは、男も女も神と同様のものであるということ、
そして其処に汝自身よりより神聖な神はないということ、
それこそ最古にして最新の神話の究極の意味だということ、
そして君にしろ誰にしろ欺かる方法を通して創造に近づかねばならぬということ、これ以外に何であると思うのか。

ありふれたもの   白鳥省吾訳

ありふれたものを私は歌う
健康は何と安いものではないか! 品性の高潔は何と安いものではないか!
節制にして、不正もなく暴食もなく強欲もなく、
私は屋外の空気を歌う、自由と寛容を歌う、
(此処で最も大切な学識を学ぶ書物から出来るだけ少なく学校からも出来るだけ少なく)
平凡な昼と夜と、平凡な大地と水とを、
君の農園君の仕事と商売と職業を、
確たる大地がすべてのためにあるように、其の基底に民主的な叡智がある。

老齢に   白鳥省吾訳

私はあなたの中に大河口を見る、大海に注ぐ時に厳かに広がりゆく大河口を。

見えざる芽   白鳥省吾訳

見えざる芽、無限に、よく匿れて
雪や氷の下、暗黒の下、あらゆる平面と立体とにある、
胚種の、精良なる、微妙な紐のなかに、顕微鏡的に、未だ生れざる
胎内の赤児のように、匿され、包まれ、ぴったりと、眠ってる。
彼等の幾十億のなかの十億、何万億のなかの万億が待っている。
(地上に海中にかの宇宙とかの天上の星辰と)
おもむろに進み、確かに前進し、無限に形づくりながら

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