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[茶道のキモチ]お水屋は大騒ぎ?

こんにちは。茶道教授&抹茶カフェ店主のそうみです。

自宅や出稽古先では、先生は私一人、生徒さんを順番にお稽古つけるかんじで、ゆったり時間が流れるのが普段の風景です。ご準備の時もわからないことはすぐにたずねていただけますし、ちがっていればすぐに正すことができます。

月に一度の代稽古では、広い茶室に四席のお点前座があり、それぞれで先生と生徒がお稽古をします。
3時間の間に代稽古の先生ひとりあたり5~6人の生徒さんに稽古をつける計算で、一人目が始まると最後のおひとりまでトイレに立つ暇もありません。

茶室の方はそれでも、目が届きます。が、水屋の方はどんなにかたいへんでしょう。お点法の準備や片づけは一番最初に必ず1対1でお伝えしていることですけれど、一度で覚えられれば先生は要りませんよね。

素手でさわっていいもの、だめなもの。竹すのこに置いていいもの、だめなもの、水で洗っていいもの濡らしてはならないもの、茶器へのお茶の入れ方、仕舞い方・・・お点法以上に大切なことなのに、どうしても目が届かなくなりがちです。

やっと生徒さんが途切れて一息つこうと水屋に下がると、たまーにですが息をのむような光景に出くわします。同時に何人もの人が茶巾を仕込んだり茶碗を洗ったり、お菓子をつけたり…。そ、そ、そ、そんなことしちゃダメダメ汗。あ!やめてやめてぇ…と。しかし、行き届かない我々代稽古が悪いのです。さりげなく軌道修正。にっこり笑って、やり直しをお願いします。繰り返せばそのうちわかることでもありますから。あわてないあわてない。

初心の方には、あいまいな説明を避けるように、そして、しなければならないことと、してはならないことをキッチリお伝えするよう心がけます。先生によって、時によっては、ことばがちょっぴり厳しくなってしまうかもしれません。後々、してはならないことをしてしまって大失敗!とならないように、はじめのうちにしっかり身につけていただきたいという思い、分かってくださればと思います。

前の回か、前の前の回に、水屋番のおばあさんが怖くて辞めちゃった話をしました。しかし思えば、ああいう方がしっかり水屋を守って厳しく準備や片づけを指導してくださることが、ご本人のためにどんなに良いことか。遅きに失したことではありますが、あの時のお稽古をつづけていたら、もう少しましな先生になれていたかも?と思わないでもありません。

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