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第18回 ほんまる神保町の棚主として

 2024年(令和6年)6月8日(土)休日ですが、僕は神保町に向かっていました。
向う場所は、日本大学法学部 神田三崎町キャンパス 本館4階なので、JR水道橋駅の方が近いのですが、ここに行く前に、ほんまる神保町に寄りたいと思い、神保町駅で降りました。

時刻は、14時くらいでしたが、店内は混み合っていました。

SNSで知り合った棚主たちの棚を見ていたら、あっ!と言う間に時間が過ぎて、
日本大学へ行く時間だぞ!

急げ!急げ!

神保町から歩いて8分くらいで着きました。


日本出版学会の2024年度 総会・春季研究発表会。僕は会員ではないのですが、知人が登壇するワークショップの話が聴きたくて2,000円(会員は1,000円)払って参加しました。

出版統計📊と言えば、出版科学研究所が発行する『出版指標年報』と日販(日本出版販売株式会社)が発行する『出版物販売額の実態』『書店経営指標』が頭に浮かびます。

しかし、このワークショップで、過去から現在に至るまでを学術的に整理されたカタチで話が聞けたことは有意義でした。

『出版年鑑』(出版ニュース社)が途絶えていたことを思い出しました。

最後に、ちょっとイジワルな質問しちゃいましたが、すみません。

でもPOSデータは、あくまで結果であり、それを活用して、今後の需要予測まで提示できないと意味はないのかなと思っています。

例えば、日販は毎月上旬に先月のPOSデータの総括をリリースしています。

6月7日付

5月期は、全体で前年比96.9%となりました。ビジネス書が4か月連続、新書が3か月連続で前年超えと好調を維持しており、ビジネス書では『書いてはいけない』、新書では『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』などが売上を牽引しました。開発品は、コミックの人気作品「進撃の巨人」の全カラーイラストを収録した『進撃の巨人 画集 FLY』が好調で、前年比106.9%となりました。コミックは、「キングダム 72」「ワールドトリガー 27」などの新刊が売上を伸ばすも、前年には及ばず、全体でも前年を下回る結果となりました。

しかし、この程度の分析を有り難がるのは、やや呑気な出版関連の経営層くらいであり、現場の書店員には役に立ちません。

現場は、当月の売上を、どうつくるかに集中しています。だから必要なのは前年のPOSデータと比較して、今年の新刊が、どれくらい売れるかを予測した数値です。そして、もしも前年に対して下振れすると予測するならば、新刊以外で売上をつくる算段をしなければならないのです。
ここまでデータを提供できなければ、ただの数字遊びと言われても仕方がないのでは?

閉会後、先日のカレー事件があったので、酒席は遠慮しようと思いましたが、もう少し話がしたかったので、6,000円払って懇親会にも参加しました。
お酒は、乾杯のビール🍺のみにして、その後はオレンジ🍊ジュースにしておきました。

はじめて、名刺交換した方や懐かしい人にも再会できて、有意義な時間でした。

関係者の皆様ありがとうございました。

そして、翌日(6月9日)のことです。
ほんまる神保町から✉️が届きました‼️

またまた網野善彦『日本の歴史をよみなおす』が旅立ちました。

2ヶ月で、2回転って、凄くないですか!
勿論、本の力ですが、
このペースで年12回転をめざそうかな🙃

ほんまるシステムで新本を発注しました。
リアル書店の書店員だったら「平積みするぞ!」となりますが、
やっぱり『無縁・公界・楽』(平凡社ライブラリー)や『「日本」とは何か』(講談社学術文庫)と一緒に並べているから売れるんよね。


6月10日(月)
本日も、神保町へ。
神保町に行くのだから、当然、ほんまる神保町にも行きます。
すると、神保町に向かう電車の中で、
扶桑社の販売局長である梶原 治樹さんに遭遇。
今日の最終目的地が一緒でもあり、
では、その前に一緒に、ほんまる神保町へ。

梶原さんは、店内でお気に入りを見つけたらしく、早々にレジへ。

僕は店内で、ほんまるスタッフと歓談。

そして、店頭に移動すると、何やら怪しげな男が前を通ったのです。

ベレ出版の小林 克美さん
この男、明日香出版社時代の直属の部下。

と言うことで、僕の棚前に案内。

「好きなもの買っても良いよ。あっ!だけど、吉川弘文館の人物叢書『聖徳太子』だけは、買っちゃダメ」と言うと

「何でですか?」と小林さん。

何故かと言うと、さっき歓談した時、ほんまるスタッフさんが、「わたし今、吉川弘文館の人物叢書『蘇我蝦夷・入鹿』を読んでいるのです。だから次に、、」

そう僕も『蘇我蝦夷・入鹿』を読んで持っていますが、確かに蘇我氏を読むなら聖徳太子も読んだほうがいい。と言う話をしていたのです。

それで、小林さんが、何を買おうか迷っていたので、勝海舟『氷川清話』(講談社学術文庫)を薦め、お買い上げいただいたのです。

ごほん🤨『氷川清話』については、
第11回「本を売る」ことに魅せられて
をお読みいただけたら嬉しいです☺️

さて、ほんまる神保町をあとにして、向かった先は専修大学の5号館。
ここで、日本出版学会のセミナーを受講するためです。

講師は、宮田印刷の代表 山本千香さん。
僕の名刺も、山本さんのデザインで、宮田印刷で活版印刷していただきました。

ハイデルベルク製の活版印刷機を用いて、印刷した
山口一郎『ことば: 僕自身の訓練のためのノート』(青土社 2023年刊)と同じく
山口一郎『ことば2: 僕自身の訓練のためのノート』(青土社 2024年刊)の過程を事細かく、スライドを用いて解説。とても貴重なお話を聴きました。

山本さんの経営者として、現場で働く人たちへの気遣い。「事前準備をして」「やり過ぎない」そして「現場を戦場にしない」という言葉に胸が熱くなりました。

山本千香さん ありがとうございました。

そして、この企画をされた
専修大学の植村八潮教授に感謝!

植村教授は、東京電機大学の出版局で仕事をされていたので、その頃の出版印刷の話で盛り上がりました。
僕が明日香出版社に入った頃は、紙型(しけい)が一般的でした。

紙型(しけい)とは、活版印刷で原版の複製を作るための紙製の鋳型である。組み上げた印面の上に、溶けた鉛の温度に耐えうる特殊な紙を載せ、加熱・加圧して作る。この紙型を鉛版鋳造機の鋳型にセットし,鋳溶かした鉛合金(これを「湯」と呼ぶ)を注いで鉛版をつくり印刷用の版とする。版を重ねる場合は紙型から新しい鉛版をつくる。また、紙型をたわめた状態で「湯」を注ぐことで、曲面の鉛版が形成できる。これは輪転印刷機用に使用される。

Wikipediaより

そう言えば、印刷会社が倒産すると聞きつけて、その前に「紙型」を運び出そうと、深夜に印刷屋から運び出したことを話すと、植村教授も同じことをやったと言って、お互いに笑いました。

その後、フィルム製版となり、1990年代になるとパソコンの普及で、DTPに変わっていきます。

フィルム(製版)とは、印刷製版においてフィルムから焼き付ける製版方法のこと。

DTPでは、はじめアルダスページメーカーが主流でしたが、僕は、QuarkXPressというソフトで、編集をしていました。

しかし、PhotoshopやIllustratorとの相性もあり、DTPソフトでは、Adobe InDesignがスタンダードとなっていくのです。

出版学会のセミナーあと、扶桑社の梶原さんと、集英社グループのホーム社の執行役員である鮎川 尚史さんと三人で反省会🍻

やっぱり今日のセミナー宮田印刷の山本千香社長の話は素晴らしかった。この時代に活版印刷で本を作っていること。
Only1です。

こんど宮田印刷に行って、実際に動いている活版印刷機を見たいと願う三人でした。

6月12日(水)
『岡山100名墳』を著した はにお君が
鳥取城🏯に行ったとポストしてます。

僕は、6月下旬に仕事で鳥取県に行きます。

時間があれば、お城🏯見たい!
だけど、発掘40年の荒神谷遺跡も見たいし、妻木晩田遺跡も見たいぞ。
迷います。

さて、出張はどうなるか?

つづく

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