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【掲載】日本海新聞2024年7月6日(土)21面

 2024年6月30日(日)鳥取県米子市にある今井書店 本の学校・今井ブックセンターにて実施した『「本を売る」ことに魅せられて!を語る』と題する講演を日本海新聞に取り上げていただきました。

ありがとうございました。

【感謝】連載1周年❗️

2023年7月7日に始まった
「本を売る」ことに魅せられて
おかげさまで連載1周年を迎えました😊

引き続きどうぞよろしくお願い致します。

【感謝】講演会・受講者の声


米子の本の学校での講演会・受講者のアンケートが届きました。

一部を紹介させていただきます。

今日は本当にありがとうございました。
小林秀雄の「批評とは無私を得る道である」のご紹介から、
「今は個人も書店も出版社も利己的な世の中」というご指摘を思い出しています。
自身を反省したり、「テーマ性のある棚づくりには、きちんとした倫理観と哲学が要るものなんだなあ」と気づかされたりと
頭を働かせ、実り多い時間でした。

シェア型書店のお話が、とても面白かったです。書店の中にそういうコーナーがあってもいいですね。

書店に対しての現状と将来への手掛かりを講演していただきました。少子化・読書離れ等、厳しい現状の中で、書店業界の生き残りにかける思いが伝わってきました。

とても興味深いお話でした。
もっと本を読みたくなりました。
しかし全国の書店の厳しい状況はショックです。

書店のあり方に止まらず、知性のあり方、学び方、知の巨人たちの話など多くの知見をえることができました。興味深いトピックスが沢山ありました。

今回の受講者は、出版業界外の一般読者も多く、話す方も大変勉強になりました。

また友人の尾上 今日子さんが、ご自身のFacebookで所感を投稿されました。
ご本人のご了解をいただいたので以下に記します。

「本を売る」ことに魅せられて!を語る
講演会を聴講。

そもそもみんななぜ「本屋をやってみたくなる」のか?本屋になりたい、又自分で本を売ってみたい人の動機を分解してみると、漠然と自分の感性の共感や共有が根っこになるのかなぁと私はそんな仮説を立てている。

シェア型(棚貸し)本屋についてのモヤっとしていた感覚が腑に落ちしてスッキリした。
草なぎ氏の分析によると棚主の持ち込む本は蔵書の整理も兼ねているので「販売目的」としては2軍3軍である。そうなると棚の魅力も売れると見込んでいる目論見から若干外れるため半減するのでは?と。そうそうと首を上下に振る。
生活必需品以外の小売業はどのジャンルであっても「売りたい」と「売れる」の間に大きな川があってお互いの対岸を目を細めながらやっていく商売。対岸の需要は見えにくい。まずは対岸で何かわからないが何かやってるなーという雰囲気を醸さないと目も細めてもくれない。
対岸の「何かやってるなー」がフェアだったり「テーマ性あるセレクト」だったりする。

草なぎ氏の棚主体験は本を並べることにプラスして他の棚主との交流の時間も楽しかったとのこと。本を売るということは本をフィルターとして自分の心の内を出す行為でもあったと氏は言う。そこも激しく同意。何年も読者会を催す側の人間をやっていたので、その場に来る人たちが何を求めてやってきていたのかの肌感覚がある。

書店の利益を圧迫する販管費の一番は人件費だ。一番弄れそうで弄れない固定費をどうするか?と試行錯誤され、最近では無人本屋が登場。本屋がなくてもAmazonがあればいいじゃないか論者には違和感ない策かもしれない。
では無人の本屋で本を買いたいか?たぶん目的買いならそれの需要に人はいらないのかもしれない。でもそれって、自動販売機じゃない?
本は未知を見るための手段であり、既知からちょっとだけズレこみながら世界を獲得する一つの手段だとも思っている。大きな自動販売機は便利な存在になりうるんだろうか?草なぎ氏の考察だとどうやら答えは見えてるようだが、私も実際に行ってみたいと思うし、もう少し検証の時間は必要かもしれないとも思う。

書店のMDについて、そこを丁寧に取り扱えるほど今の書店、特に地方の書店には体力がない。最も削りやすい販管費である人件費を削っていくしかないという方向に舵を切る書店だらけで何ができるんだろうか?
講義の最後に人件費を削った先で起こっている内部崩壊について「そんなことになっているなんて知らなかった」と感想のような質問の声も上がっていた。そうだよね、何が起こっているのか具体的なことはあまり語られず、書店ゼロエリアのカウントダウンだけは派手に取り上げられる。内側がわかってもらえたらどうにかなる問題でもないけれど、本屋という薄利多売でロングテールな世界では昭和の中・大型書店モデルでは成立しない商売なのかもしれないなと悲しい気持ちになる。
(またまた奈良さんの「身の丈」という単語を取り出して磨いている私)

最近本を出版した友人から発売後の拡販について相談されたが、本を作るのも大変だが売るのはもっと大変だと改めて感じている。
まず初版が少ない上、パターンや見計らい配本がほとんどない。さらにコロナ禍以降、出版社の営業自体NGがデフォルトになり、過去の販売実績をみて数合わせで配本が決まる。書店からのイニシャルオーダーされない限り平積されない。イニシャルオーダーの決裁権を売り場担当が持っていないケースも多い。発売前にどうにか動けないと2ヶ月以内に棚に1冊も残らないという結果が待っている。今は本当に新刊を売るのが厳しい世界で著者の手売りしか道はないのだろうか?きつい話だ。

最後に草なぎ氏からの3つの提言があった。
主に書店経営者側へのアプローチになるかと思う。(具体的に書いて良いかわからないのでちょっとぼかすが・・・)
①MDへの努力②MDを含むコンテンツ販売③地域を巻き込む など。
似たようなことを考えていたので、ボールペンをぎゅっと握ってしまった。もっと柔軟にしなやかに本屋を始めるチャンスが身近にもあるのかもしれない。

スライド数150枚の濃厚な「本を売ってきた男」の熱い2時間だった。
草なぎさん、ありがとうございました😊

尾上さん
ありがとうございました😭

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