見出し画像

ボードゲーム紹介⑥:ヘルプ!

このゲームはとにかくネット上での口コミやプレイ日記などが見当たらない。

だが、自信を持って面白いと勧められる。その理由を説明する前に、この広いインターネットの海に改めてルール紹介を解き放つのも悪くないだろう。

このシリーズはルール紹介は最低限にすることを自分に課していたが、そんな理由なのでルールから簡単に説明させて欲しい。

ルール紹介

ヘルプは非常に簡単なカードゲームで、ラウンドを繰り返して先に3ポイント先取したプレイヤーの勝ちだ。

ラウンドにおいてプレイヤーは自分のターンが回ってくるたびに手元のカードを一枚プレイして、山札から一枚引くことを繰り返す。

プレイの仕方は、

①中央のカード列の最も大きい数字よりも大きい数字カードを出す
②特殊カードを出す

の二通りだ。

基本的に①のように、山札の横に作られるカード列に追加していくようにプレイしていく。数字カードは1から11まであるので、昇順になるように並べるのだ。6枚揃うとカード列が全て捨て山に移動し、次のプレイヤーは新しくカード列を作ることになる。

特殊カードについては説明を省略するが、自由な数になる「ワイルドカード」やカードを入れ替えられる「入れ替えカード」、手番をパスできる「パスカード」などの全4種がある。

ラウンドの勝敗は誰かがカードを出せなくなったときではなく、カードを出せなくなった人が前の手番の人にヘルプを求めたときに、求められた人もカードを出せなかったときに決まる。つまりその二人が敗者になり、残りの人が勝者となるのだ。
(もう一パターンあるのだが、あまり起こらないので割愛)

このヘルプシステムこそが、ゲームの肝となっている。

ヘルプシステムでは、ヘルプを求められた人は出せるカードがある場合は必ずカードを渡さないといけない。藁をもすがっている人を見捨てると一蓮托生になってしまうので、まぁ出さざるを得ないわけだが。

ルール説明はこんなところでいいだろう。

どこが面白いのか

さて広大なインターネットの海にほとんどレビューがない、ヘルプ!はどこに面白さがあるのだろうか。

狙って勝てない

このゲームは狙って勝つことが非常に難しい。

なぜなら自分の次のプレイヤーを困らせることで、自分が勝利することがルール上絶対にできないようになっているからだ。次のプレイヤーが出せないことは、負け筋ではあっても、勝ち筋ではない。それなのに、前の手番のプレイヤーに巻き込まれて負けることもあるので、もらい事故がやたらと多発する。

そうなるとプレイヤーとしては勝とうと考えるだけ無駄となるシーンが多い。むしろ負けないようになるべく次の人が出しやすいと思われるカードを出すという優しい世界が展開される。

いや、優しい世界ではない、ただのチキンレースだ。

ヘルプ顔してるやつがいる

ところがどっこい世界はそんなに甘くない。

自分のターンすら回ってきていないのに、次の手番のプレイヤーが明らかに

わたし出せません、助けてね(・ω<) テヘペロ.

というヘルプ顔をして待っている。俺の命は君にかかってるんだよみたいな目をしてこっちを見ている。勝負の世界において、こんな厚かましいやつがいただろうか。

おい、ふざけんな。と思いつつも手助けできるように出すカードを調整するしかない。実質二手番連続でやっているようなものだ。

そのうち、その怒りが自分に向けられる瞬間がくる。

出せないんだが、これが

みたいな顔をするしかない。待てど暮らせど自分のカードが変化するわけでもないし、むしろ早めに出せないことを伝えてあげているだけ優しいってもんだ、と開き直ろう。この世界は持ちつ持たれつだ。

さらに言えば、自分と関係のないところでヘルプ顔しているプレイヤーがいるのを見ているのはそれだけで非常に愉快だ。彼の生死は自分に全く関係ない。デスゲームを観覧している人の気持ちになれる。

なので、なるべくこのゲームは最大人数の5人でやることをおすすめする。自分と一連託生なのが、前後のプレイヤー二人、高みの見物をかませるのが対面の二人。ちょうどいい。

6枚という絶妙な枚数

ゲームシステムとしての妙味はカード列の6枚という制限にあるはずだ。

5枚だと簡単すぎる。でも11枚のカードで被り無しで6枚となると途端に出せないシーンが増える。そもそも手元に4枚しかキープしておけないのだから出せないことの方が多い。

ヘルプシステムがゲームの肝であり、その状況をうまく発生させるシステムになっている。

さいごに

このゲームの勝ち方が分かる方、募集しています。

ヘルプ顔する同士、募集しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?