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3年ぶりに劇場で『アメリカン・ユートピア』&初めての『ストップ・メイキング・センス』

1/29(月)、期末テストが終わった足でTOHOシネマズすすきのに行き『アメリカン・ユートピア』を鑑賞した。

この作品はブロードウェイのショーの様子を撮影したライブフィルムなのだが、トーキング・ヘッズのボーカル デヴィッド・バーンのパフォーマンスがとてつもなくキレッキレ。加えて一つ一つの楽曲も素晴らしく、バーンのメッセージ性、「アメリカの理想郷とは何なのか?」が強く反映され、音楽の力を信じたアーティストの"映画"として途轍もなく素晴らしい作品である。映画を見る前はトーキング・ヘッズすら知らなかったのに、虜になってしまった。

初見は3年前、2021年の6月。この時は高校の1学期末テストを終わらせて見に行った記憶がある。
この頃はコロナが流行し始めてから1年経ったとはいえ余裕で感染者数が多かったし、音楽ライブも無観客で開催されていた時期だった。

そんな中、今作で客いじりをするバーンを見て、「ライブは客と演者が一体となって作るものなんだ!」と感動した。近くにいた観客もリズムを取っていたりなど、擬似ライブのような感覚を味わい、映画も勿論素晴らしかったけど、その環境も込みで2021年のベスト1に選出した。

そしてBlu-rayもGETし、家でも複数回見るくらいには好きな作品になった。

時は巡り2024年1月、『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』の公開を記念し、『アメリカン・ユートピア』が再上映されたので、見に行ってみた。

劇場で見るのは2回目だったけど、上映前に初めて見るスパイク・リーとデヴィッド・バーンの対談映像が流れた。これが中々面白く、その後の本編を見るとクスッとできるような裏側の話があったりして、これだけでも見に行く価値があったと思わせる。

肝心の本編だが、勿論面白かったのは「見た時代によって当たり前だけど印象は変わるんだな」と言うのが真っ先に思い浮かんだ感想だった。

初見時は前述したようなことを思ったけど、今回の鑑賞では「ここまで生きてて良かったな」と最後は思ってしまうくらい幸せな感覚に陥った。「一人の人間が少しでも変われば、世界は好転する」と言ったメッセージは今の世相だからこそ刺さる。

やっぱり良い作品だなと再確認した再上映だった。

そして1週間後、2/5(月)。ユナイテッド・シネマ札幌のIMAXで『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』を鑑賞。

今作はトーキング・ヘッズのライブ風景を収めた作品である。
ずっと見たいとは思っていたものの、Blu-rayが買えなかったり、近くのTSUTAYAに無かったりなど見る機会が無かった。

しかし、それは幸運な事だったかも知れないと思わせるくらいIMAXで浴びるトーキング・ヘッズのライブは"最高"という一言以外では表しようのないくらい素晴らしいエンターテイメントだった。

『アメリカン・ユートピア』の初見時感想は「ライブは客と演者が一体となって作るものなんだ」と思ったが、今作はMCも無くひたすら曲を演奏し続けており、僕の考えは一気に吹っ飛ばされた。
まさかデヴィッド・バーンに教えられた考えを、3年越しに別の作品でバーンに覆されるとは思わなかった。

バーンは相変わらずカッコ良かったけど、その彼の姿が霞むくらいバンドメンバーもしっかりイカしたパフォーマンスで主張していて、トーキング・ヘッズの面々が三位一体で見せる楽曲の数々が素晴らしい。『アメリカン〜』よりも、視覚的に楽しい作品となっていた。

そして、ベースギターのティナ・ウェイマスが異常なほどカッコよくてビビった。あの体の動きは真似したくなるし、多分小学生とか中学生の時に見てたらギター始めてただろうなと思ってしまうくらいイケてた。

語彙が喪失してしまうくらいの体験だったが、今回語った2作品はデヴィッド・バーンがどちらもメインの構成を担当しているのに、年齢を重ねた影響か様々な面で対象的な作品が出来上がっていたことに驚いた。

とりあえず、『ストップ・メイキング・センス』はIMAXで上映されているうちに見に行ってほしい。曲を全然知らなくても、絶対に損はしないと思います。

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