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only is not lonely.

1人で東京から地方にやってきた。そういうことが、生き方が、興味深くうつって見えて話を聞かせてほしいとか、その勇気がすごいよねという声を聞くことがある。そうなのかなあ。

ネオンの広告、隣の人のスマホの操作、電車に乗る人のファッション、街中に流れる流行りの音楽。そういったものに自然とさらされて、その度に頭がくるくる動いていた。だから大きな空の下をぴゅうと流れる風に吹かれて自転車を足速に漕ぐ今の私はどこかゆったりとしている。頭の中もゆっくりになった。

いかんせん、こちらに来てからコロナが益々あちこちに広がり沢山の人とお喋りを楽しむ時間もそう多くはなく相変わらず1人の時間もたっぷり。外に出れば家族連れも多いし。1人ということを改めてひしひしと感じるのだった。

このまま、のんびり1人で過ごすのも良い。そんな時間も好き。だけれど、美しい景色も食べ物の味も好きな人たちと一緒に瞳にうつしたい。「すごいね」「美味しいね」「残念だったね」そんな一言は、たかが一言されど一言。
そうやって、声掛けをしあって気持ちを分け合って、相手のことを少しずつ知って、そういうことに頭を使ってゆきたいなあと思う。敢えて忙しくするのではなく、何かを消費することで紛らわすことでもなく。

かれこれ1年ほど前から、ほぼ日刊イトイ新聞の糸井さんの著書「ボールのようなことば。」を毎朝のコーヒーのお供に読んでいて、「only is not lonely.」という言葉になるほどなあと思った。みんな1人だけれどそれは決して孤独ということではなくて、みんな違った1人というただ1人のが在る、ということ。

これまでも、これからも。出逢った人と「いいね」と言い合える関係をつくっていきたい。時間がないからとりあえず。時間があるからとりあえず。そういうことじゃなくて、あなたに会いたいから。って、考えてみれば恋人みたいだ。ふふ。

そういえば、この間は節分だったからスーパーで太巻を買って食べたのだけれど隣の1軒屋から「おには〜そと!ふくは〜うち!」とかわいらしい声が聞こえてきて。やっぱり太巻きには、この声だよなあって。only が 集えばその空間って special よね。