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手抜き介護 61 帰って来ない

夜7時過ぎ、実家に滞在中の兄が帰って来ないと母から低い声で電話があった。ご飯を外で食べると言って出て、まだ帰らない。お父さんに代わるから、ちょっと話聞いて、と。父によると、出かけたのは3時半ころで、夕食は済ませてくると言っていたらしい。そして今、7時10分。どこに問題があるのか分からない。

自分たちは6時に食べ終わり、「もう、1時間も待っている」という。待っているって…。「夕飯なんて、普通6時半くらいから始めるんだから、まだ食べてる途中じゃないの」と言ったら、それもそうかと思い直したみたいで電話が切れた。兄は、普通に8時半ころ帰って来たようだ。

「帰って来ない」とすごく怒ったり心配したりすることは、過去に数えきれないほどあった。父がデイサービスに出かけているときに母と買い物に行き、父よりも遅く戻ってきたら、警察に電話している最中だったということもある。「いつもは買い物に行っても11時半には帰る人間が、12時過ぎても帰らないからだ」と言われた。ゆとりがなさ過ぎる。

予定の時間に相手が現れないと、2人とも真っ先に「shiんでいるのでは」、と思うらしい。私も何度かkoroされかけた。過去に何か強烈な体験でも?と考えてしまうけど、そんな話を聞いたことはない。心配性とか神経質とかの範囲は、ちょっとはみ出ているような気がする。でも90年もそうやって生きてきた人が今さら変わることはないだろうから、周りが出来るだけ負担をかけないように配慮するべきなんだろうと、最近は思う。


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