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マンスリーから実家に通う ④老健には行かない

退院直後よりは動けるようになってきた母が、ここに来て老健には行かないと言いだした。
 
・ご飯がひどいに違いない
・前のところでもリハビリなんて大してしていないし、認知症の人ばかりだった
・トイレに行くのもいちいち看護師を呼ばないとならない
・呼んだら「20分前に行ったばっかりでしょ!」とやられている人がいた(母は「やられる」という表現を良く使う)。
 
これは、正直想定内のこと。方針がコロコロ変わるのは、今に始まったことでもない。私もいちいち本気にして振り回されるのがイヤなので、スルーしていた。が、翌日も、翌々日も主張は続いた。
 
・あんなとこ行ったら寝たきりにされる
・私服で過ごすのがイヤ
・果物とかお菓子とか、ろくなものが出ない
 
イヤだという人を、無理やり連れて行くわけにもいかない。テーブルに載せたままだったパンフを、処分することにした。「これ、もう要らないね」と父に確認すると、「行った方が良いと思うけど」という。退院して2週間余り、夜中に起こされなかったのは1日だけだという。これはもう少し話し合う余地がありそうだ。
 
「夫婦なんだから、助け合うのは当たり前でしょ。お父さんだって夜中に起きてごそごそやってる。ついでじゃない。昼間は横になってばかりで、少し運動した方が良いよ!」
運動した方が良いからと、夜中にトイレの介助を頼むのは違う気がするけど。
 
父はいたって冷静で、「前のは病院、今度のは介護施設。目的が違う。資料もう一回読んでみれ」という。私には「アンタに何が分かる!」とご立腹な母も、父の話には耳を傾けている。父のことなんかさんざん罵倒してきたのに、頼りにしてるんだなあ。
 

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