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手抜き介護 126 クラシックを聴く

CDラジカセの使い方を、父に訊かれた。7、8年は使っている馴染みのものでも、しばらく触らないでいると操作を忘れてしまうらしい。「電源」とか「再生」とかちゃんと日本語で書いてあるのだけど、小さくてよく見えない。ボタンもフラットだしたくさんあるよねえ。

「年取って、機械ものが分からんようになってきた」と本人は嘆くが、私の記憶では若い頃から機械ものには疎かった。商売をやっているときも、レジがあるのにそろばんを使っていたし。銀行ATMが普及し始めたのは、まだ父が50代の頃だけど、操作を覚える気などさらさらなくて今に至る。年金をおろすためにバスに乗らなきゃならないなんて、ロコモ予防にはうってつけ。

実家はテレビつけっぱなしの習慣がなく、たまにクラシックが聞きたくなるらしい。というより、父はクラシック以外を雑音だと言って受け付けない。でもCDを入れる「押す」が、ボタン状じゃないからどこを押すのか分からず、音を聞く以前の問題だ。こんなにスタイリッシュじゃなくて良いから、ダサダサの、大きな突起が2、3個だけのプレーヤーがあれば良いのにと思う。

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