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マンスリーから実家に通う ⑮あとで食べる 

父は食事の全体量とバランスを考えて、自身の食卓を整える。だから食べている途中で「天ぷらの残りがあった」とか「メロン切ったよ」と言って出されても嬉しくない。それを食べるためには、あらかじめ何かを引いておかないとならないから。
 
その点母は臨機応変で、好きなものから適当な量を食べたら、ためらいなく残す。でもそのまま捨てるのは忍びないらしく、「お昼に食べるから」などと言い一皿にまとめて冷蔵庫に入れる。
 
今日のその一皿には、二口ほどのご飯と焼き鮭半分とお漬物が載っていた。昼食にするにはご飯が足りないから、別に冷や麦を茹でたという。あれ?さっき、吉野家のレトルトを温めてって言われたけど。
 
「洗いもの増やしたくないから、全部一緒に載せて」
「冷や麦の上に牛丼の具?」
「おいしいでしょ」
 
まあ味はそうかもしれないけど、牛丼のつゆだくの下に、冷や麦とお漬物と鮭とご飯。何だかすごいビジュアルだ。洗いものは私がするから、増えても別に良いんだけどね。そして今度は冷や麦が多すぎたと、小どんぶりに入れて冷蔵庫に。

夜にふりかけをかけて食べるという。ふりかけ牛丼冷や麦。今度こそ食べきれることを、切に願っている。


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