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手抜き介護 82 幾つになっても女子

去年ふとした拍子に足の指を骨折したのだけど、まだほんの一部不自由なところが残っている。その時の記事↓
手抜き介護 ⑧寝坊からの|草方 (note.com)

もう半年近く経つのに、筋力の戻りが足りないみたい。毎朝の我流筋トレ・ストレッチでは限界があるようなので、市でやっているマシンを使った運動教室に通ってみることにした。

平日の午前に申し込んだから、来ているのはおばちゃんとおばあちゃんだけ。十数個のマシンを順番にやっていくカーブスのようなスタイルで、真ん中にインストラクターがいる。初めてなのは私だけらしく、和気あいあいとした雰囲気なんだけど、一人いつも皆から離れているマスクの人がいた。ツルみたくないタイプなんだろう。

その人が、マシンをやりながら、私をチラチラ見ている。休憩時間に水分補給をしていたら、「それ、ここに置いといても良いのよ」と、中央のテーブルを指して教えてくれた。「そうですか」と置こうとすると、「もう休憩ないから、置いても意味ないけど」と。え?

マシンが終わると、中央に集まってちょっとしたゲームタイムになるらしい。「二人ずつ組んでください」と言われて、自然に私とマスク彼女のペアが出来た。軟らかいボールを太ももに強く挟んで座る人と、そのボールを前から片手で取る人の戦いというもの。要支援のデイケアって、こんなことするんじゃない?

先にマスク彼女が椅子に座り、私が指の力でボールを引っ張って取ったら、「まだ!」と怒られた。いやいや、まだはもちろん分かっている。こんな風にしますよって、あちこちでやっているところだから。でも「私今、負けたんじゃないからね」という圧が伝わってくる。

インストラクターの合図で始めて、私も彼女もボールを取れなかったから、引き分けで終わって良かった。これ、小学生なら、気の強いマスク彼女が何人か引き連れて派閥を作っているところかも。大人だから、何となくみんな離れて平和に過ごしている感じ。いやあ、幾つになっても女子なんだなあ。そして私は来週からも彼女とペアになるのか、ちょっとドキドキしている。

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