札幌で家を売る⑨ 見られている
Ⅲ 満を持して、わが家売り出し中
レインズに登録された朝から、業者らしい車が家の前をゆっくり横切るようになりました。リビングからは、その様子が丸見えです。車の中で、どんな話をしているんだろう。思ったより小さいな、とか? 庭に木もないぞ、とか? 何はともあれ、関心を持たれているのは良いことなのでしょう。
【1】 いきなり乗り込んでくる人たち
そのうち、一般の人も見に来るようになりました。物件情報には「居住中」と明記しているのに見ていないのか、門から堂々と入って来て窓をのぞき込んでくる輩もいました。その顔の前に顔を合わせてやろうかと思ったけど、幽霊の出る家と噂が立つのもイヤなので止めておきました。
外のカーポートには、リモコンで上下するゲートがついています。そのゲートを力で持ち上げようとする人を見かけた時はさすがに黙っていられず、でもお客さんになる可能性も一応あるので、愛想よく注意しました。
「こんにちはー。そこ、触らないでくださいねー」
空き家と思っていたら人が出てきて驚いたようで、その人はすぐ立ち去り、二度と現れませんでした。
直接、中を見せてほしいというカップルもいました。買うかどうか分からないから、不動産屋さんを通したくないとのこと。買うかどうか分からないなら、不動産屋さんを通してくれ。
この調子なら、出かけているときも誰かが来るかもしれない。知らない人が勝手に敷地内に入るのは気味が悪いので、仲介を頼んでいるC社に連絡して「居住中」がより鮮明に分かるように、表示を大きくしてもらいました。
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