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#現代語俳句の会

芍薬やかたきつぼみのかたくなに

芍薬の季節です。 小さくかたく丸まっていて、とても開きそうにない緑のつぼみが、 あんなに、あんなにも幾重にも重なるふわふわの花びらを身につけて、つぼみの何倍にも大きく花開くなんて。 お化粧、長いよ、と言いたくなる。 星の王子さまに出てくるあのワガママな薔薇の花だってビックリだ。(つぼみの中で化粧してからでてくるやつ。) しかも時々咲かないし。 あーワガママ。

星の名を訊ねたし夜更の薬缶吹く

ほしのなをたずねたしよふけのやかんふく そこにあるはずなんです星は。曇ってても空の上に。ゆったり廻っているはずなんです。でもお湯なんか沸かしちゃって。なんかあったかいものでも飲もうとする夜。

強炭酸の泡がゆっくり上がってゆくボトルの中

死にゆくひとの書く記事をみつめる。 このひとの救ったひとと、突き落とした人の数 ぼんやり思ってみる。