映画館って2人が1番気まずい


トラペジウムを観た。オタクが局所的に盛り上がってるな〜と思ってたらつい行ってしまった。
サブスク入ってから見ちゃったら一時停止してため息をつくような場面がいくつもあったので、逃げずに一気見できたことへの薄い達成感を感じた。
鑑賞直後と数日経って振り返った時の東ゆうの印象が大分異なっているような気がする。
主人公がサイコすぎる!みたいな文脈でバズってたんだけど、鑑賞中は確かにそう思われるのも無理ないなってシーンはまああった。
私欲のため過剰なまでに人に尽くしてるとことか…
仲良くなれると感じた瞬間、まずは1人、みたいに指でカウントする仕草とか…

でも中盤のアツレキまくってるシーンを思い返すほどに、なんか、ちょっとわかる…という気持ちになってしまって、今では東ゆうのことがかなり好きかもしれない。学生時代、ここまでではないにしろ同じようなやらかしをしたことが何回もあるので共感側に回ってしまう。
が故に、「目的の共有」をしていればもっとうまくいってたのにな、と老婆心ながら思った。(老婆神タント・オタベナ杯)

ノートの中の計画も1人では確実に成し遂げられなかったことばっかりなのに、どこか自分1人で達成したような気で進めている感じ。出来ないんだったら練習すればいいのに、やり続けてればいつか楽しくなる、的な言葉などなど。西南北のみんなに「アイドルになりたいんすよ、皆はどっすか…」で意思確認できればまた違ったんじゃないかな。それが無いから自己中、サイコみたいな受け取り方をされるのもやむなし感。まあ全人類アイドルになるべき論で動いてたから難しいんだろうけど。こういう人間が経営者の会社は危ない。
実際はただ夢に向かってひたむきに進む純粋な少女。それだけなのよね。ほかのみんなもそれが分かってたから絶交(小学生?)しなかったんだと思う。

みんなも私と同じ考えだよね?と思い込み目的の共有をせず勝手に突っ走り、周りを疲弊させていくという構図は、黄色い家/川上未映子 を思い出す。あの本の1番読み心地の悪い部分と「こんな素敵な職業ないよ」らへんのシーンは重なるところが多いと思う。黄色い家はやってる事犯罪なんですが…

西南北のみんなもアイドル時代が糧になってる描写があったのが良かった。マジでやりたくないことでも、そこから何らかの学びがあるってのは本当にそう。

自分は東ゆうをダシにして過去の過ちの罪悪感をぼかそうとしているカスなのですが、それにしてもすごい珍しい感情になれる映画だった。考えるほど味が出てくる。


ウマ娘の映画も観た。3回観た。4DXも行きたいので4回観ることになりそう。アニメすごい。とにかくアニメがヤバい。
初日に見終わった後すでに次いつ行こうかなと迷い、2日ほど経つと早く観なきゃ…に変わり、薬物の悪循環ポスターを思い出した。
TRIGGERっぽい線のグニャグニャとレース場面の親和性。スパイダーバース初めて観た時の「これ一コマずつ止めてじっくり観られませんか??」を2Dでも感じるのがヤバい。

ウマ娘はリリース当初に触れて長続きせず辞めたのだが、その1年後くらいに突然競馬に脳を焼かれたため再開し今ではズブズブ、といった感じ。
そういやリリース当初のなんも知らない頃に好きだったキャラがタキオンだった。やっぱかっこいいね……人ではないとハッキリ分かる前傾フォームめちゃめちゃ良かった。

ウマ娘は悲運、悲願の救済や達成を主とするエゴもしくは愛で溢れた世界なので(勝手に思ってるだけ)、スポ根でありながらそこから全然ぶれてないのもすばらしいね。元々いるキャラで4戦4勝、将来を大きく期待されながら怪我で引退、夢への道を閉ざされたという共通点があるフジとタキオン、どっちも救えないのか?!となった時にバッチリハマるジャンポケというピース。脳汁脳汁。私にそのパズルやらせて欲しい。

ハリウッド進出したらサンデーサイレンスとイージーゴアの戦いをやってくれるととても嬉しい(願望)



映画館行って自分含め2人だけの状況が1番緊張する。
相手が変なやつじゃないだろうか(失礼)とチラチラ確認する。少しでも物音がした時は、確実にどちらかが出した物音なので、お互いに「あいつはうるさいなぁ」と思いあっているんだろう、自分の方はあまり思われたくないな、とジュースの1口を飲む行為や姿勢を正す動作も慎重になってしまう。
3、4人の時も緊張するが、2人の時と比べると責任の所在があいまいになるぶんまだマシ。
1人だったらサイコーラッキー。自分のためだけに上映してくれてありがとう。
5人からはもう人混みなので普通。
対個人で何か思われたくないという現代人イズム。

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