情報洪水時代の頭の使い方のポイントは?
今の世の中は、インターネットを通じて、世界中のあらゆる情報にアクセスすることができる。あまりにも情報が洪水のように溢れているため、大量の情報に埋もれ、じっくり考えることが難しくなっている。
「問題解決のため」「人生をうまく活かせるため」「よりよい生活のため」など、生きていく上で直面する課題や目標、やりたい事をより豊かにできるようにするためには「考える」ことが重要である。現代人は、洪水のごとく大量に入ってくる情報をいかに自分の中で処理していくかという課題に挑まなければならない。
1.正しさの基準
日本の社会は、発展途上国型のシステム(先進国が示すお手本を真似ること)が根強く残っている。明治以来、日本の教育も企業の体制も、余計なことは考えずに、お手本通りに目標に向かって進むことが正しかった。現代においても日本の社会の判断基準は100年前の「正しさの基準」と根本的には変わっておらず、これを目指してみんなと同じことをするのが基本であり、「自分なりに考える」という意識があまり高くない。
「正解」を探すことは考えることに繋がらない。多くの人は、世間で評価されているものを無意識に探す傾向がある(みんながいいと思っているものが正解だと考える)。しかし、世の中にある問題で1つの正解が存在するものなどほとんどない。そもそも、「正解」を探すために考えるわけではなく、何か問題があって、それがうまく解決することを目的にして考えているのである。つまり、導き出すべきは「解」であって、「正解」ではない。
2.「知る」と「わかる」
「知る」とは、インプット情報をそのまま頭の倉庫に入れること。「わかる」とは、情報・知識を完全に自分のものにして、何かあった場合に臨機応変に使えること、構造や本質をつかむこと。
構造をシンプルな形で理解しているからこそ、環境変化に応じて、その情報や知識をすこしずつ変化させてアウトプットできる状態になる。ある程度状態が変わっても臨機応変に対応できることが、知識を知恵に変換するということである。知識を知恵に変換するために必要なのが「問い」であり、「問題意識」である。「これはなぜ?」と良く聞く幼い子は、常に「問題意識」を持ちよく考えているのである。
3.自分で決める
考える能力とは、頭の良し悪しとは関係なく、習慣や癖の問題である。何度も試行錯誤して決めていく中で、結果が蓄積されて独自の判断基準ができる。何をすべきかというと、まずはとにかく自分で決めること、これをとにかく「こなす」ことが重要で、何かを決めるプロセスを通して自分で考える力が少しずつついていく。
例えば、ランチでグルメ雑誌のおすすめメニューを選ぶのではなく、自分で主体的に考えて決めていくことから始めればよい。小さな「決める」ことの積み重ねで考えるための判断基準を形成していくのである。
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