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弾き語りのために、ボイトレ始めた⑧

月一回の先生とのオンラインレッスンが、直接自分の声を聴いてアドバイスをいただけるとあって、レッスンの中でも最重要なのだが、当時80名ほどいたメンバー同士だけが入れるクローズドのFacebookが、とてもためになった。

最初は、スマホで自撮り画像を撮ることに慣れなくて、クローズドとは言っても人に聴いてもらうことは経験がない上に、自信もなく、ハードルは身長の2倍以上の高さがあるようなマインドだったけど、そこは平凡主婦の厚顔無恥のなせる技で、ええい、ままよ、と下手くそな弾き語りを録音し、顔を出す勇気がないので、ぬいぐるみのウサギを被写体としてアップした。

スクール生専用のFacebookには、「アドバイス、批判などはしてはいけない」というルールがあり、どんなに下手でも、他のメンバーからのコメントでへこむことはない。「ここが素敵」「さわやかな声に、癒やされます」とか、「リズミカルで、楽しそう」など、肯定的な褒め言葉や勇気づけが飛び交う、とっても優しいコミュニティなのだ。

おかげで、右も左も分からずに怯えていた60女の弾き語りもどきに、「いきなり弾き語りなんて、スゴイ!」「ウサギが可愛い」などなど、新メンバーのわたしだからなおさら、励ましのコメントが届いた。メンバーからのコメントが落ち着く頃、先生から、アドバイスやコメントが届く。

「弾き語り、素敵ですね。音程もファルセットもいい感じです。」と、こんな感じで励ましてくださる。もちろん、上級者には少し辛口コメントもあるらしい。生徒の力量を考えながら、それぞれの可能性を広げるような、優しくも的確なコメントが、なかなかにありがたい。

そんなわけで、Facebookへの初投稿を無事に達成してホッとした。
課題曲は2~3曲をひと月でこなすように、プログラムされていて、先輩メンバーは、どんどん難解な曲をアップしていく。人の曲を聴いたり、コメントしたり、という新習慣が生活の中心となり、日常のルーティンに組み込まれていき、いつしかメンバー同士のやりとりが楽しくなっていった。

自分の人間関係や生活圏は、アナログ人間しか見当たらず、分からないことを教えてくれるような、ちょっと進んだ人はいない。パソコンも、スマホも、操作に困っても、自分で解決するしか方法はない。

オンラインレッスンを通じて、初めてFacebookのアカウントを作り、どのように動画をアップするのか、テキストの入力方法はどうやるのか、全て初体験だったものだから、脳を鍛えるにはもってこいのチャレンジ続きで、ワクワクドキドキの楽しい作業だった。

ボイトレのオンラインレッスンを受ける決心は、わたしの好奇心を満たし、非日常を楽しみ、ワクワクしながら今より歌がうまくなる、気がする。という、すばらしい体験を与えてくれた。とにかく、一年間、しっかり楽しもう。


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