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3月31日

稽古場近くに喫茶店をみつける。早く着いたので入ってみた。ログハウス風の店内に新聞を読んでる店主が一人。
ジャズのポスターが沢山貼ってある。店の奥には小さなステージもありドラムセットが置いてある。夜はここでライブをしたりするのだろう。
ココアを注文する。初めての見せで自分と店主しかいないのでなんか変な緊張感がある。店主のほうもまさか客が来るとはって感じを出してる。
5分くらいして、カップになみなみ擦り切れいっぱいのココアを店主がすり足でゆっくり運んでくる。「入れすぎちゃった」笑いながら恐る恐る置かれるココア。表面張力が発生しているので、最初の数口はスプーンで飲む。おいしい。ココアのことはあまりわからないけど、ちゃんとしたココアな気がする。どういうのがちゃんとしたのかわからないけど。いい香りがする。40分くらいしかないから多分のみきれないけど。

本を読んでいたら、常連らしきおじさんがやってくる。近所であった火事の話しで盛り上がっている。店主は注文も聞かずに料理を作り始める。その流れで、無音だった店内にBGMをかける。案の定ジャズだ。ジャズだろうなとは思ったが、音量がめちゃくちゃにでかい。本当にそこでライブをしているかのようにでかい。店主とおじさんは音がでかすぎておしゃべりのボリュームを上げている。BGMの方を下げろよ。本の内容が全然入ってこない。時間はちょっと早かったが仕方がないので、店を出る。ココアは半分くらいしか飲めなかった。

稽古は通しをした。あんまり考えてなかったが、恋の話しなんだなと思った。ふざけて作っていたが、本当なのかなと思える瞬間もあってふざけることと本当であることについて考えた。本当であることをめざしてリアルに作っても、ふざけて作っても、永遠のように感じられる心の揺れる一瞬、身体も頭も心も奪われてしまう舞台の時間は同じように表れて、俳優の流す汗や涙に飲み込まれてしまう。これが欲しくてやっているのだが、今回はそんなところをストレートには全く目指していなかったのにふいにその時間が現れたりする。
ただただ楽しい川辺でキャンプをしてるときに瞬間寂しくてたまらなくなるのに似ているなとちょっと思った

帰って走りに行って、ご飯を作る。窯玉風カルボナーラとスープ。
塩ガサッと入れたお湯に、スパゲティーを入れる。ちょっと固めにゆでる。
ゆでてる間に、オリーブオイルを引いたフライパンで鶏の胸肉をいためる。火が入ったら胡椒とクレイジーソルトをかけて煽り、面が茹で上がるまで置いておく。
ボールに卵を二つ割る。本当は黄身だけでやるらしい。昔つきあってた人が持っていたレシピ本にはそう書いてあったが、卵が沢山いるし、面倒なので白身も入れる。ソースがゆるくなってカルボナーラというより窯玉うどんに近くなるけど、自分で食べるだけだからいい。

卵を混ぜたら、鶏ガラ顆粒と塩を少し入れまた混ぜる。
麺が茹ったら、フライパンに取り上げ胸肉とオリーブオイルを返し混ぜる。それを今度はボールにうつして卵液ソースとあえる。多分本当は肉はベーコンとかでやったらぽくなるし、チーズとか生クリームとか入れるんだけど、これでも十分カルボナーラっぽくなる。
温め直した昨日のトマトスープと付け合わせの人参ナムル。緑の物がない。オレンジも食べる。

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